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ISL2018G5

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はじめに

1年前くらいに IMO Shortlist 2018 G5 を解いたのですが,自分の答案を見てたら変なことをしていたので今更ですが記事を書きます.

問題 (ISL 2018 G5)

三角形$ABC$の内心を$I$とし,外接円を$\Omega$とする.直線$l$は直線$AI,BI,CI$とそれぞれ点$D,E,F$で交わっており,これらは$A,B,C,I$とは異なる.$AD,BE,CF$の垂直二等分線$x,y,z$が成す三角形を$\Theta$とする.このとき,$\Theta$の外接円は$\Omega$に接することを示せ.

(ここでは,$A$$D$が一致する場合に$x$$A$を通って$AI$に垂直な直線と定めるなど,いい感じに拡張して考えます.)

解答

直線$l$を,傾きを固定しながら線型に動かすことを考える.$x,y,z$は線型に動くため,$\Theta$はある点$P$を中心とした相似拡大によって動く.(ここで,$P$は無限遠点にもなり得る.その場合,$\Theta$は平行移動すると考える.)

$ID,IE,IF$の垂直二等分線をそれぞれ$x',y',z'$とし,この3直線が成す三角形を$\Theta'$とする.

$I$$\Theta'$の外接円上にある.

$\Theta'$の各頂点は三角形$IEF,IFD,IDE$の外心であり,$I$で反転するとこれらはシュタイナー線上にあるため示される.

ある$l$が存在し,$\Theta$の外接円は$\Omega$と一致する.

$l$$I$を通る場合,$\Theta$はそれぞれ$A,B,C$を含まない弧$BC,CA,AB$の中点を結ぶ三角形であり,これの外接円は$\Omega$と一致する.

$\Theta, \Theta'$の外接円の中心をそれぞれ$O,O'$とし,半径をそれぞれ$r,r'$とする.
$x$$x'$$y$$y'$$z$$z'$の距離はそれぞれ$AI/2,BI/2,CI/2$であるから,三角形$ABC$に対して定まる適当な定数$K_1,K_2$があって,任意の$l$に対して$OO'< K_1, |r-r'|< K_2$が成り立つ.
また,補題1より$O'I=r'$であるから,
$|OP-r| \leq |OP-O'P|+|O'P-O'I|+|O'I-r'|+|r'-r| < IP + K_1 + K_2$
となる.$l$が線型に動くとき$|OP-r|$も(符号を適当に考えれば)線型に変化するため,これが有界であることから$OP=r$,つまり$P$$\Omega$上にあることが分かる.よって,補題2とあわせて$\Theta$の外接円が$\Omega$に接することが分かる.

おわりに

特定の$l$の場合で示せば十分な感じはあるのですが扱いやすいのが無限遠直線しかなく,その場合も変な感じになってこんな答案になってしまいました.
自分でもこういう議論は初めてしたので,ここは本質的に○○をしているだけ,みたいな指摘などあると嬉しいです.

投稿日:729
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Taka
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