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クラウゼンの公式

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$\lim_{h \to 0} \dfrac{\sum_{k=0}^n \binom{n}{k}(-1)^{n-k}f(x+ kh)}{h^n} = f^{(n)}(x)$
を使って面白い公式を導きましょう.
(この公式自体は帰納法で証明できます.厳密には平均値の定理を使います.)

$f(x) = x^n$を上の式にぶち込んでやります.右辺は$n!$になります.左辺を愚直に計算すると$h^n$の項だけが残るはずで,その項は$\sum_{k=0}^n \binom{n}{k}(-1)^{n-k}k^n$となります.
この二つを等号で結べば次の定理が得られます.

クラウゼンの公式

$\sum_{k=0}^n \binom{n}{k}(-1)^{n-k}k^n = n!$

また$h^n$の項以外は$0$になることうけあいなので

クラウゼンの第二公式

$0 \leq s < n$なる自然数$n$に対して$\sum_{k=0}^n \binom{n}{k}(-1)^{n-k}k^s = 0$

が成り立ちます.

定理1の具体例としては$5! = 5^5-5\cdot4^5 + 10\cdot 3^5 -10\cdot2^5 + 5\cdot 1^5= 120$ などとなります.

また最初の公式は$f(x+kh)$をずらして$f(x+(k+1)h)$などにしても成立するので

クラウゼンの第三公式

$a$を任意の整数とする.このとき$\sum_{k=0}^n \binom{n}{k}(-1)^{n-k}(k+a)^n = n!$が成り立つ.

なども言えます.$a = 1$のときがオリジナルのクラウゼンの公式となります.

ここから少し式変形をすると次の定理が得られます.

クラウゼンの第四公式

$a,b$を任意の整数とする.このとき$n \geq 3$に対して$\sum_{k=0}^n \binom{n}{k}(-1)^{n-k}(a+k)(b+k) = 0$

具体例としては$6\cdot 5 - 4\cdot(5\cdot4) + 6\cdot(4\cdot 3)-4\cdot(3\cdot 2)+2\cdot 1 = 0$などが言えます.

これらの式は結局恒等式なので,これを応用して何らかの結果を得ることはできません.

最後までご視聴ありがとうございました.

投稿日:817

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