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コラッツ予想について(修正後)

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予想
任意の自然数は以下X,Yの操作を繰り返す事で最終的に1となる。
●X 偶数なら2で割る
●Y 奇数なら3倍して1を足す

例)1
Y: 3×1+1=4
X: 4÷2=2
X: 2÷2=1
例)3
Y: 3×3+1=10
X: 10÷2=5
Y: 3×5+1=16
X: 16÷2=8
X: 8÷2=4
X: 4÷2=2
X: 2÷2=1
例)7
Y: 3×7+1=22
X: 22÷2=11
Y: 3×11+1=34
X: 34÷2=17
Y: 3×17+1=52
X: 52÷2=26
X: 26÷2=13
Y: 3×13+1=40
X: 40÷2=20
X: 20÷2=10
X: 10÷2=5
Y: 3×5+1=16
X: 16÷2=8
X: 8÷2=4
X: 4÷2=2
X: 2÷2=1

★★★★★★★★★★★★★★★★
■補題Ⅰ
自然数nがn=2i(i=1,2,3,…)の時、2ⁿ−1は3の倍数である。
(証明)
i=1の時は2⁴−1=3より正しい。
2²ⁱ−1=4ⁱ-1=3kと仮定すると
4ⁱ⁺¹-1=4×4ⁱ-1= 4×(3k+1)-1=3(4k)+3=3(4k+1)
より数学的帰納法より命題は正しい
★★★★★★★★★★★★★★★★

任意の自然数は素因数分解により、
2以外の素数pᵥとaᵢ∈{0,1,2,…,}に対して2ᵃ⁰3ᵃ¹5ᵃ²…pᵥ₋₁ᵃᵐ⁻¹pᵥᵃᵐと書ける。
(∵整数全体ℤが一意分解環であることより)

すなわち、
全ての自然数はⒶ2ⁿの形の偶数、Ⓑ奇数積のみ、Ⓒ混合積(偶数)の3つに分類される。
Ⓐは2ⁿだからXをn回繰り返せば良い。
ⒸはXを適当に繰り返せばⒷになる。
従って、奇数積のみの場合に操作を程す事を考えればよい。

また、奇数について、Yを施した後は必ず偶数なのでXを施す事になり、施す操作は以下のようになる。
Y⇒Xⁱ¹⇒Y⇒Xⁱ²⇒Y⇒Xⁱ³⇒…(iⱼ=1,2,3,…)
(※Xⁱʲは2ⁱʲで割るという意味で、iⱼは該当の奇数に対して、操作後の値も奇数となるように施せる操作Xの最大回数とする。)

※以下、1以外の奇数で考察する。

奇数r≠1にYを施した際について、3r+1=2ⁿを満たすrはr=(2ⁿ−1)/3より、
補題Aからn=2k(k=2,3,4,…)の時である。
従って、任意の奇数rに対してw回目のXの操作によりr=(2²ᵏ−1)/3 (k=2,3,4,…)
(r=5, 21 ,85 ,341 ,…)となる事が示されれば残りの操作はY⇒X²ᵏ⇒1に定まる。

Y⇒Xⁱʲを一セットと考えた操作をφと名付け、操作φを繰り返し行う事を以下数列を用いて表していく。

任意の奇数r≠1に対して、φ₀=r、φᵤ=(3φ₍ᵤ₋₁₎+1)/2ⁱʲᵘを満足する数列
{φ₀, φ₁, φ₂, φ₃, φ₄,…,φ₍ᵤ₋₁₎, φᵤ, φ₍ᵤ₊₁₎,…}を定める。

φ₀=r

φ₁=(3φ₀+1)/2ⁱʲ¹=(3r+1)/2ⁱʲ¹

φ₂=(3φ₁+1)/2ⁱʲ²=[(3×3r+3×1)+2ⁱʲ¹]/2ⁱʲ¹×2ⁱʲ²

φ₃=(3φ₂+1)/2ⁱʲ³=[(3×3×3r+3×3×1)+3×2ⁱʲ¹+2ⁱʲ¹×2ⁱʲ²]/2ⁱʲ¹×2ⁱʲ²×2ⁱʲ³

φ₄=(3φ₃+1)/2ⁱʲ⁴
=[(3×3×3×3r+3×3×3×1)+3×3×2ⁱʲ¹+3×2ⁱʲ¹×2ⁱʲ²+2ⁱʲ¹×2ⁱʲ²×2ⁱʲ³]
/2ⁱʲ¹×2ⁱʲ²×2ⁱʲ³×2ⁱʲ⁴

φᵤ=(3φ₍ᵤ₋₁₎+1)/2ⁱʲᵘ
=[(3ᵘr+3ᵘ⁻¹)+3ᵘ⁻²×2ⁱʲ¹+3ᵘ⁻³×2ⁱʲ¹⁺ⁱʲ²+…+3×2ⁱʲ¹⁺ⁱʲ²…⁺ⁱʲᵘ⁻²+2ⁱʲ¹⁺ⁱʲ²⁺…⁺ⁱʲᵘ⁻¹]
 /2ⁱʲ¹⁺ⁱʲ²⁺ⁱʲ³⁺…⁺ⁱʲᵘ
である。

★★★★★★★★★★★★★★★★
■補題Ⅱ(各iⱼᵤの存在について)
集合A={3x+1|x:奇数}={6k−2|k=1,2,3,…}
={4, 10, 16, 22, 28, 34, 40, 46, 52, 58,…}
B={2x|x:奇数}={4k−2|k=1,2,3,…}
={2, 6, 10, 14, 18, 22, 26, 30, 34, 38, 42,…}
に対して、
A∩B={10+12k|k=0, 1, 2, 3,…}
{10, 22, 34, 46, 58, 70, 82, 94, 106, 118,…}
なので
★A−(A∩B)={4+12k|k=0, 1, 2, 3,…}
={4, 16, 28, 40, 52, 64, 76, 88, 100, 112,…}
である。

C={4x|x:奇数}={8k−4|k=1,2,3,…}
={4,12, 20, 28, 36, 44, 52, 60, 68, 76, 84,…}
とおくと、
(A−(A∩B))∩C={4+24k|k=0, 1, 2, 3,…}
={4, 28, 52, 76, 100, 124, }
なので、

★A−(A∩B)−{(A−(A∩B))∩C}
={16+24k|k=0, 1, 2, 3,…}
={16, 40, 64, 88, 112, 136, 160, 184,…}
である。

D={8x|x:奇数}={16k−8|k=1,2,3,…}
={8, 24, 40, 56, 72, 88, 104, 120, 136,…}
とおくと、
(A−(A∩B)−{(A−(A∩B))∩C})∩D
={40+48k|k=0, 1, 2, 3,…}
={40, 88, 136, 184, 232, 280,…}
なので、
★A−(A∩B)−{(A−(A∩B))∩C}
−{(A−(A∩B)−{(A−(A∩B))∩C})∩D}
={16+48k|k=0, 1, 2, 3,…}
={16, 64, 112, 160, 208,…}
である。

     ・
     ・
     ・

今回、任意の自然数で操作X,Yを施す事
を考えるので、例えば操作Xの回数が全てiⱼᵤ=1であると
B={2x|x:奇数}
={2, 6, 10, 14, 18, 22, 26, 30, 34, 38, 42,…}
のみを扱う事になる。
これは、操作Yを施す対象の奇数が{3, 7, 11, 15, 19,…}のみであることを意味し、自然数の任意性に反する。
以下同様に考え、操作Yにより得られる偶数に対して施す操作Xの回数についてiⱼᵤ=1, 2, 3, 4, …となるものがそれぞれ十分に存在すると考えて議論を進むる。

★★★★★★★★★★★★★★★★★
■補題Ⅲ
自然数uと任意の自然数mに対して、

φ₍ᵤ₊₁₎=(3φᵤ+1)/2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾

φ₍ᵤ₊₂₎=(3φ₍ᵤ₊₁₎+1)/2ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾=[(3²φᵤ+3×1)+2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾]/2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾

φ₍ᵤ₊₃₎=(3φ₍ᵤ₊₂₎+1)/2ⁱʲ⁽ᵘ⁺³⁾=[(3³φᵤ+3²×1)+3×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾+2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾]/2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺³⁾


となる事より
φ₍ᵤ₊ₘ₎=
[(3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾φᵤ+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾)+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻³⁾⁾×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾+…
+3×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾+2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾]
/2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺ᵐ⁾
と表せる。
★★★★★★★★★★★★★★★★★

[本補題]
u回目の操作φでφᵤ=qとなる奇数q≠1に対して、任意に自然数mを取り、
★φᵤ=φ₍ᵤ₊ₘ₎
を満たすものについて考える。
すなわち、φ₍ᵤ₊ₘ₎=qである。
[(3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾q+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾)+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻³⁾⁾×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾+…
+3×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾+2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾]
=2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺ᵐ⁾×q
であり、
qについて解くと、
q=
{(3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾)+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻³⁾⁾×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾+…
+3×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾+2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾}
/(2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺ᵐ⁾-3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾)
である。

ここで、
iʲ⁽ᵘ⁺¹⁾+iʲ⁽ᵘ⁺²⁾+…+iʲ⁽ᵘ⁺ᵐ⁾=zとおいた時、
1≦iʲ⁽ᵘ⁺¹⁾, 1≦iʲ⁽ᵘ⁺²⁾, …, 1≦iʲ⁽ᵘ⁺ᵐ⁾なので、

iʲ⁽ᵘ⁺¹⁾≦z−(m−1)

iʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺iʲ⁽ᵘ⁺²⁾≦z−(m−2)

iʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺iʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺iʲ⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾≦z−2

iʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺iʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺iʲ⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾≦z−1

であり、分子の部分について
{(3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾)+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻³⁾⁾×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾+…
+3×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾+2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾}
≦{3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾+(3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾×2⁻⁽ᵐ⁻¹⁾+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻³⁾⁾×2⁻⁽ᵐ⁻²⁾+…+3×2⁻²+2⁻¹)2ᶻ}である。

この分子の部分が
{3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾+(3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾×2⁻⁽ᵐ⁻¹⁾+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻³⁾⁾×2⁻⁽ᵐ⁻²⁾+…+3×2⁻²+2⁻¹)2ᶻ}
<2ᶻ-3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾となるような時を考える。

両辺整理して
(0<)3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾
<2ᶻ{1-(3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾×2⁻⁽ᵐ⁻¹⁾+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻³⁾⁾×2⁻⁽ᵐ⁻²⁾+…+3×2⁻²+2⁻¹)}
となる。
この時、
2ᶻ{1-(3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾×2⁻⁽ᵐ⁻¹⁾+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻³⁾⁾×2⁻⁽ᵐ⁻²⁾+…+3×2⁻²+2⁻¹)}<2ᶻ×(1−2⁻¹)=2ᶻ×(1/2)
とできるので、
3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾<(1/2)2ᶻ
⇔2(3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾)<2ᶻ
⇔8/3(3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾)<2ᶻ
⇔3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾<3×2⁽ᶻ⁻³⁾
となる。両辺log₂を取れば、zを整理することで(u+m−2)log₂3+3<zが得られる。
すなわち、zが(u+m−2)log₂3+3<zを満足していれば、
{(3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾)+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻³⁾⁾×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾+…
+3×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾+2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾}
<(2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺ᵐ⁾-3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾)
である事が分かる。

一方、
2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺ᵐ⁾-3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾は0でない正の値である必要があるので、
3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾<2ᶻを満たす最小の自然数z=sについて考える。
両辺log₂を取ると、
(u+m)log₂3<zであり、
1<log₂3<2なのでz=s=2(u+m)が言える。
また、1<log₂3<2より
1<3−log₂3<2である。
3−log₂3=((u+m−1)log₂3+3)−(u+m)log₂3
なので、
すなわち、
1<((u+m−1)log₂3+3)−(u+m)log₂3<2
であり、
(u+m−1)log₂3+3<(u+m)log₂3+2<2(u+m)+2=s+2
となる。
従って、
s+2≦z=iʲ⁽ᵘ⁺¹⁾+iʲ⁽ᵘ⁺²⁾+…+iʲ⁽ᵘ⁺ᵐ⁾では
{(3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾)+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻³⁾⁾×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾+…
+3×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾+2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾}
<(2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺ᵐ⁾-3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾)
を満たしている。

上記から、残りのz=s,s+1の時に自然数となるようなq(≠1)が存在しない事が示されれば
任意に操作φを繰り返してできる数列{φ₀, φ₁, φ₂, φ₃, φ₄,…,φ₍ᵤ₋₁₎, φᵤ, φ₍ᵤ₊₁₎,…}の値は全て相異なる事が言える。

★z=sの時
q=
{(3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾)+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻³⁾⁾×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾+…
+3×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾+2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾}
/(2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺ᵐ⁾-3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾)
について、
いま、s=2(u+m)なので
分母は4⁽ᵘ⁺ᵐ⁾-3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾となる。
この時、
4⁽ᵘ⁺ᵐ⁾=(1+3)⁽ᵘ⁺ᵐ⁾
=₍ᵤ₊ₘ₎C₀+₍ᵤ₊ₘ₎C₁×3+₍ᵤ₊ₘ₎C₂×3²+…+₍ᵤ₊ₘ₎C₍ᵤ₊ₘ₋₁₎×3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾+₍ᵤ₊ₘ₎C₍ᵤ₊ₘ₎×3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾
なので、
4⁽ᵘ⁺ᵐ⁾-3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾
=₍ᵤ₊ₘ₎C₀+₍ᵤ₊ₘ₎C₁×3+₍ᵤ₊ₘ₎C₂×3²+…+
₍ᵤ₊ₘ₎C₍ᵤ₊ₘ₋₂₎×3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾+₍ᵤ₊ₘ₎C₍ᵤ₊ₘ₋₁₎×3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾
=(u+m)3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾+₍ᵤ₊ₘ₎C₍ᵤ₊ₘ₋₂₎×3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾+₍ᵤ₊ₘ₎C₍ᵤ₊ₘ₋₃₎×3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻³⁾⁾+…+₍ᵤ₊ₘ₎C₂×3²
+3(u+m)+1
(※₍ᵤ₊ₘ₎C₀=1,₍ᵤ₊ₘ₎C₍ᵤ₊ₘ₋₁₎=u+m)
と表せる。
ここで、奇数qが存在すると仮定すると
q(u+m)3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾+q₍ᵤ₊ₘ₎C₍ᵤ₊ₘ₋₂₎×3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾+q₍ᵤ₊ₘ₎C₍ᵤ₊ₘ₋₃₎×3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻³⁾⁾+…+q₍ᵤ₊ₘ₎C₂×3²
+3q(u+m)+q
であり、分子の
{3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾+2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾×3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾+2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾×3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻³⁾⁾+…
+2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾×3+2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾}との係数比較より

q×(u+m)=1

q×₍ᵤ₊ₘ₎C₍ᵤ₊ₘ₋₂₎=2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾

q×₍ᵤ₊ₘ₎C₍ᵤ₊ₘ₋₃₎=2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾

q×₍ᵤ₊ₘ₎C₍ᵤ₊ₘ₋ₖ₎=2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺⁽ᵏ⁻¹⁾⁾

q×(u+m)=2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾

q=2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾

が得られるが、
q×₍ᵤ₊ₘ₎C₍ᵤ₊ₘ₋ₖ₎=2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺⁽ᵏ⁻¹⁾⁾について、qは奇数なので₍ᵤ₊ₘ₎C₍ᵤ₊ₘ₋ₖ₎は常に偶数である必要がある。
しかし、反例としてu+mが奇数の場合
u+m=2t-1(t=2,3,4,…)について、
₍ᵤ₊ₘ₎C₍ᵤ₊ₘ₋₂₎=₍ᵤ₊ₘ₎C₂
=(1/2)(u+m)(u+m−1)
=(2t-1)(t-1)
なので、tが偶数ならばₙC₂は奇数となる。
故に、いずれの場合も等号を満たさないのでこのようなqは存在しない事になる。

★z=s+1 の時
q=
{(3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾)+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻³⁾⁾×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾+…
+3×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾+2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾}
/(2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺ᵐ⁾-3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾)
について、
s+1=2(u+m)+1なので
分母は
2²⁽ᵘ⁺ᵐ⁾⁺¹-3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾=2×2²⁽ᵘ⁺ᵐ⁾-3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾
=4⁽ᵘ⁺ᵐ⁾+(4⁽ᵘ⁺ᵐ⁾-3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾)
=3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾+2{(u+m)3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾+₍ᵤ₊ₘ₎C₍ᵤ₊ₘ₋₂₎×3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾+₍ᵤ₊ₘ₎C₍ᵤ₊ₘ₋₃₎×3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻³⁾⁾+…+₍ᵤ₊ₘ₎C₂×3²+3(u+m)+1}
と表される。

{(3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾)+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻³⁾⁾×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾+…
+3×2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾+2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺²⁾⁺…⁺ⁱʲ⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾}
=A
とおいた時、
iʲ⁽ᵘ⁺¹⁾, iʲ⁽ᵘ⁺²⁾, …,iʲ⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾が全て1の時にAは最小値をとるのでmin {A}={(3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾)+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾×2+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻³⁾⁾×2²+…+3²×2⁽ᵐ⁻³⁾+3×2⁽ᵐ⁻²⁾+2⁽ᵐ⁻¹⁾}である
また、
(u+m)3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾+₍ᵤ₊ₘ₎C₍ᵤ₊ₘ₋₂₎×3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾+₍ᵤ₊ₘ₎C₍ᵤ₊ₘ₋₃₎×3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻³⁾⁾+…+₍ᵤ₊ₘ₎C₂×3²
+3(u+m)+1
=B
とおくと、
2²⁽ᵘ⁺ᵐ⁾⁺¹-3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾=3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾+2Bと書ける。
z=sの時の議論から、AはBで割り切れないことが示されており、すなわち自然数η(≠0), d(0<d<B)によりA=ηB+dの形で表される。(A>η)
ここで、A/(3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾+2B)=qとなる奇数q≠1が存在すると仮定すると、
A=q(3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾+2B)=2q×B+3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾×q
であり、AはBで割り切れないので自然数ζ(≠0), d₀より、
3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾×q=ζB+d₀(0<d₀<B)
と書ける。
すなわち、
A=2q×B+3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾×q=2q×B+ζB+d₀
かつ
A=ηB+d
であり、
{(2q+ζ)−η}B=d−d₀
が得られる。

{(2q+ζ)−η}≠0の場合
(2q+ζ)−η=(d−d₀)/B
となるが、B>d−d₀
なので(d−d₀)/Bが自然数である事に矛盾する。

{(2q+ζ)−η}=0の場合
d−d₀=0である。この時、
3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾×q=ζB+d₀(0<d₀<B)
かつ
A=(2q+ζ)B+d₀
であり、もしB>3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾×qだとA=2q×B+3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾×qよりd₀=3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾×qとなり
ζB=0となるがこれは条件に反する。
すなわち、B<3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾×qである。

いま、B=4⁽ᵘ⁺ᵐ⁾-3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾であり、
(4/3)⁽ᵘ⁺ᵐ⁾-1<qとなるが、qは自然数(奇数)なので(4/3)⁽ᵘ⁺ᵐ⁾-1<2⁽ᵘ⁺ᵐ⁾-1≦qである。
従って、全てのAで
(2⁽ᵘ⁺ᵐ⁾-1)(3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾+2B)≦Aとなるが、
左辺=
(2⁽ᵘ⁺ᵐ⁾-1)×3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾
+(2⁽ᵘ⁺ᵐ⁾-1)×(u+m)×2×3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾
+(2⁽ᵘ⁺ᵐ⁾-1)×₍ᵤ₊ₘ₎C₍ᵤ₊ₘ₋₂₎×2×3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾
+(2⁽ᵘ⁺ᵐ⁾-1)×₍ᵤ₊ₘ₎C₍ᵤ₊ₘ₋₃₎×2×3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻³⁾⁾+
…+(2⁽ᵘ⁺ᵐ⁾-1)₍ᵤ₊ₘ₎C₂×2×3²
+2×3(u+m)×(2⁽ᵘ⁺ᵐ⁾-1)
+2×(2⁽ᵘ⁺ᵐ⁾-1)

右辺のmin {A}=
3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻¹⁾⁾
+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻²⁾⁾×2
+3⁽ᵘ⁺⁽ᵐ⁻³⁾⁾×2²+
…+3²×2⁽ᵐ⁻³⁾
+3×2⁽ᵐ⁻²⁾
+2⁽ᵐ⁻¹⁾
であり、Aの値によっては不等号を満たさない場合がある。
故に、{(2q+ζ)−η}=0の場合も不適であり、A/(3⁽ᵘ⁺ᵐ⁾+2B)=qとなる奇数q≠1は存在しない事が示された。

任意に操作φを繰り返してできる数列{φ₀, φ₁, φ₂, φ₃, φ₄,…,φ₍ᵤ₋₁₎, φᵤ, φ₍ᵤ₊₁₎,…}の値は全て相異なる奇数である事が言える。
★★★★★★★★★★★★★★★★★

次に、φᵤとφ₍ᵤ₊₁₎との差を調べる。
φ₍ᵤ₊₁₎=(3φᵤ+1)/2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾より
φ₍ᵤ₊₁₎−φᵤ=((3−2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾)φᵤ+1)/2ⁱʲ⁽ᵘ⁺¹⁾
であり、
●iⱼ₍ᵤ₊₁₎=1の時
φ₍ᵤ₊₁₎−φᵤ=(φᵤ+1)/2>0
(⇔φ₍ᵤ₊₁₎>φᵤ)
かつφᵤ>1より
φᵤ−(φᵤ+1)/2=(φᵤ−1)/2>0
(⇔φᵤ>(φᵤ+1)/2)

●iⱼ₍ᵤ₊₁₎>1の時
φ₍ᵤ₊₁₎−φᵤ<0
(⇔φᵤ>φ₍ᵤ₊₁₎)
である。
(ただし、いくらでも大きい値iⱼ₍ᵤ₊₁₎=mを取ると((3−2ᵐ)φᵤ+1)<2ᵐとなる。)

★★★★★★★★★★★★★★★★★
ある奇数rに対して、操作φを繰り返して出来る全て相異なる数列{φ₀(=r), φ₁, φ₂, φ₃, φ₄,…,φ₍ᵤ₋₁₎, φᵤ, φ₍ᵤ₊₁₎,…}が無限に存在すると仮定する。

φᵤ∈{(2²ᵏ−1)/3|k=1,2,3,…}={1, 5, 21, 85, 341, 1365, 5461,…}が存在すると、
このφᵤに操作Y⇒X²ᵏを施すことで1になり、相異なる数列とはなり得なくなるので、いずれのφᵤもφᵤ∉{(2²ᵏ−1)/3|k=1,2,3,…}={1, 5, 21, 85, 341, 1365, 5461,…}である。

いま、奇数xに対して、𝔄ₖ={x|(2²ᵏ−1)/3< x <(2²⁽ᵏ⁺¹⁾−1)/3}(|𝔄ₖ|は有限数である。)とおくと、任意のφᵤは
φᵤ∈∪𝔄ₖ(:=𝔄ₖ全体の和集合)
={2k−1|k=1,2,3,…}−{(2²ᵏ−1)/3|k=1,2,3,…}
を満たす。

すべての元x₁, x₂, x₃,…,xₙ∈𝔄ₖ(x₁<x₂<x₃<…<xₙ)に対して、
操作φにより得られた値φᵤを該当のxᵢに充てはめていく事(⇔xᵢ=φᵤとできるもの) を考える。
以後、xᵢ=φᵤとなるxᵢを「マッピング可能な元」と呼ぶ。

また、
|𝔄ₖ|は有限数のため、𝔄ₖのすべての元x₁, x₂, x₃,…,xₙについてすべてマッピング可能な場合であっても、マッピングできない元が存在する場合であっても、小さい順に考えた時に各𝔄ₖの中で最後にxᵢ=φᵤとするφᵤが存在する。このφᵤを「マッピングを終了する元」と呼び、マッピングし終えた𝔄ₖを「マッピング完了」と呼ぶ。

ここで、φᵤ∈𝔄ₖを満たすkについてマッピングできない元が存在する場合、
マッピングを終了する元をφ'ᵤと書くとφ'₍ᵤ₊₁₎∉𝔄ₖである。
故に操作φを適当に繰り返し、
これまでの𝔄ₖを全てマッピング完了にすることができる。

ここで、
連続でiⱼᵤ=1を取る(操作Xの回数が1である)場合を考える。補題Ⅱから、操作Yにより{10+12k|k=0, 1, 2, 3,…}=
{10, 22, 34, 46, 58, 70, 82, 94, 106, 118,…}
のいずれかの値を取れば良い。
これらは操作X(iⱼᵤ=1)を施すと
{5, 11, 17, 23, 29, 35, 41, 47, 53, 59,…}
={5+6k|k=0, 1, 2, 3,…}
である。

3(5+6k)+1=18k+16=2(9k+8)
より連続でiⱼᵤ=1を取るのであればkが奇数であれば良い。
kが奇数の場合、続けて操作Yを施すと
3(9k+8)+1=27k+25
kは奇数なのでk=2k'−1(k'=1,2,3,…)とおくと右辺=54k'−2=2(27k'−1)を取る。
27k'−1が奇数(k'が偶数)であれば次の操作Yを施す事で
3(27k'−1)+1=81k'−2
k'は偶数なのでk'=2k"と書き
右辺=81k'−2=2(81k"−1)を取る。
81k"−1が奇数(k"が偶数)であれば次の操作Yを施す事で
3(81k"−1)+1=243k"−2
k"は偶数なのでk"=2k"'と書き
右辺=243k"−2=2(243k"'−1)を取る。
以降も同様であり、
総じて、常に操作Xの回数がiⱼᵤ=1になるには初めの奇数kがk=2(2(2(2(…))))−1
=2ᵐ−1(mは自然数)
という形をとる必要がある。

この時、改めて
5+6k=5+6(2ᵐ−1)=6×2ᵐ−1に操作Y⇒X(iⱼᵤ=1)を施すと、

3(6×2ᵐ−1)+1=2(3²×2ᵐ−1)

3(3²×2ᵐ−1)+1=2(3³×2⁽ᵐ⁻¹⁾−1)

3(3³×2⁽ᵐ⁻¹⁾−1)+1=2(3⁴×2⁽ᵐ⁻²⁾−1)




であるが、
大きいmを取っても仮定からmを上回る回数分Y⇒X(iⱼᵤ=1)が施せるので、
m回目の操作について操作Yを施すと
3(3⁽ᵐ⁺¹⁾×2−1)+1=2(3⁽ᵐ⁺²⁾−1)となり、
3⁽ᵐ⁺²⁾−1は偶数であるから、iⱼᵤ≧2が施される。
つまり、連続で無限にiⱼᵤ=1を取ることは無いと言える。

故に、これまでの𝔄ₖを全てマッピング完了にした状況で
φ'₍ᵤ₊₁₎∉𝔄ₖとなるφ'₍ᵤ₊₁₎に対して、
iⱼ>1を取る操作Xが存在するが、
'φ₍ᵤ₊₁₎は相異なる値を取るため矛盾する。

全ての元でマッピング可能な場合も同様にφᵤ∈𝔄ₖを満たすkについて
マッピングを終了する元をφ'ᵤと書くと、操作φを適当に繰り返し、
いずれの𝔄ₖで全てマッピング完了にすることができる。
|𝔄ₖ|は有限数のため、
いずれのkについてもφ'₍ᵤ₊₁₎∉𝔄ₖなる操作φが存在し、
φ'₍ᵤ₊₁₎∉∪𝔄ₖとなり仮定に矛盾する。

以上から、操作φを全て相異なるように繰り返し施せる回数は有限である。
本補題から、
操作φを繰り返してできる数列{φ₀, φ₁, φ₂, φ₃, φ₄,…,φ₍ᵤ₋₁₎, φᵤ, φ₍ᵤ₊₁₎,…}の値は1以外全て相異なるため、
φᵤ=φ₍ᵤ₊ₘ₎となるのは1以外に無い。

[証明終]

投稿日:20241230
更新日:20241231
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