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自作問題あなぐら 2(複素数平面上の領域と極限)

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問題

 $p$$0 < p < 1$ をみたす定数とする.条件
$$ p \leqq |z| \leqq 1, \qquad \frac{2 \pi}{3} \leqq \arg{z} \leqq \frac{4 \pi}{3} $$
をみたす複素数$z$を考える.自然数$n$に対して,点$z^n$が複素数平面上で動く範囲を$D_n$とするとき,$D_n$の面積$S_n$$\displaystyle \lim_{n \to \infty} S_n$を求めよ.

余話

 この問題は,複素関数論の講義を受けたときに「そういえば高校生の時に解いてた複素数平面と極限の問題って,漸化式とか点列の問題ばっかだったよな~.複素数平面上の領域と極限で問題つくってみるか~」というノリで作りました.まあ,この問題も数列の極限に帰着するんですけどね

解答

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 $\theta = \dfrac{2 \pi}{3}$とすると,$D_n = \left\{Z \in \mathbb{C} \mid p^n \leqq |Z| \leqq 1, \ n \theta \leqq \arg{Z} \leqq 2 n \theta\right\}$である.$\arg{Z}$の最大値と最小値の差は$2 n \theta - n \theta = n \theta$ゆえ,これが$2 \pi$を超えるのは$n \geqq 3$のとき.したがって
$$ D_n = \begin{cases} \{Z \in \mathbb{C} \mid p^n \leqq |Z| \leqq 1, \ n \theta \leqq \arg{Z} \leqq 2 n \theta\} & (n = 1,\ 2), \\ \\ \{Z \in \mathbb{C} \mid p^n \leqq |Z| \leqq 1, \ 0 \leqq \arg{Z} \leqq 2 \pi\} & (n \geqq 3) \end{cases} $$
となる.よって$n \leqq 2$のとき
$$ S_n = \frac{1}{2} \cdot 1^2 \cdot n \theta - \frac{1}{2} \cdot (p^n)^2 \cdot n \theta = \frac{n \pi (1 - p^{2n})}{3} $$
で,$n \geqq 3$のとき
$$ S_n = \pi \cdot 1^2 - \pi \cdot (p^n)^2 = \pi (1 - p^{2 n}). $$
以上より
$$ S_n = \begin{cases} \dfrac{n \pi (1 - p^{2n})}{3} & (n = 1,\ 2), \\ \pi (1 - p^{2 n}) & (n \geqq 3). \end{cases} $$
 また,$n \to \infty$を考えるためには,$n \geqq 3$の場合を考えれば十分.よって
$$ \lim_{n \to \infty} S_n = \pi. $$

投稿日:220
更新日:416
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