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フィボナッチ多項式の積分解

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はじめに

フィボナッチ数のよく知られた一般化としてフィボナッチ多項式がある.
n項目のフィボナッチ多項式をFn(X)と表したとき, 以下の定理が成り立つ.

整数n,kに対して, 以下の等式が成り立つ.
Fn(2k+1)(X)=F2k+1(X)Fn(L2k+1(X))

この記事では, ただこの定理を証明するだけである.

本文

証明には次の補題を用いる.

加法公式

整数m, nに対して, 以下の等式が成り立つ:
Fm+n(X)=Fm+1(X)Fn(X)+Fm(X)Fn1(X).

リュカ多項式との関係

整数mに対して, 以下の等式が成り立つ:
F2m(X)=Fm(X)Lm(X).
ただし, Lm(X)m項目のリュカ多項式である.

関係式
Fm+n(X)=Fm+1(X)Fn(X)+Fm(X)Fn1(X).
より
F(n+2)(2k+1)(X)=Fn(2k+1)+2(2k+1)(X)=Fn(2k+1)+1(X)F2(2k+1)(X)+Fn(2k+1)(X)F2(2k+1)1(X)
かつ
F(n+1)(2k+1)(X)=Fn(2k+1)+(2k+1)(X)=Fn(2k+1)+1(X)F2k+1(X)+Fn(2k+1)(X)F(2k+1)1(X)
より,
F(n+2)(2k+1)(X)F2k+1(X)F(n+1)(2k+1)(X)F2(2k+1)(X)=Fn(2k+1)(X)F2(2k+1)1(X)F2k+1(X)Fn(2k+1)(X)F(2k+1)1(X)F2(2k+1)(X)=Fn(2k+1)(X)(F2(2k+1)1(X)F2k+1(X)F(2k+1)1(X)F2(2k+1)(X))=Fn(2k+1)(X)F2k+1(X)
となる.
よって,
F(n+2)(2k+1)(X)F2k+1(X)=F(n+1)(2k+1)(X)F2(2k+1)(X)+Fn(2k+1)(X)F2k+1(X)
となる.
ここで, F2(2k+1)(X)=F2k+1(X)L2k+1(X)より
F(n+2)(2k+1)(X)=L2k+1(X)F(n+1)(2k+1)(X)+Fn(2k+1)(X).
ここで
F0(2k+1)(X)=F0(X)=0,F1(2k+1)(X)=F2k+1(X),F2(2k+1)(X)=F2k+1(X)L2k+1(X)
より,
Fn(2k+1)(X)=F2k+1(X)Fn(L2k+1(X))
となる.

投稿日:20231125
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桜武
桜武
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普段は、ITエンジニアとして働いています。 面白そうなガジェットやジャンクを買っては改造したり修理したりして遊んでいます。 解析的整数論 / 高次圏論 / 豊穣圏論

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