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一橋大学前期2021第1問/「包除の原理」

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一橋大学前期2021第1問
1000 以下の素数は 250 個以下であることを示せ.

「1050以下の素数が250個以下」
ならば,「1000 以下の素数は 250 個以下」がいえる.
1050以下の自然数で,2,3,5,7のどれとも互いに素なものの個数を数えることとし,[包除の原理]を用いて次のような「代わり」の問題を考え、証明しました.

$1050=2 \cdot 3 \cdot 5 ^{2} \cdot 7$以下の自然数のうち,2,3,5,7のどれとも互いに素な自然数は240個以下であることを示せ.

Nを自然数,$p , q(p \lt q )$を素数とする.
自然数$Npq(=M)$以下の$p,q$のどちらとも互いに素な自然数の個数を求める.
$p$の倍数は,
$p , 2p , \cdots ,(Nq)p$$ Nq= \frac{M}{p} $個,
同様にして,$q$の倍数は,$ Np= \frac{M}{q} $個,
$pq$の倍数は,$ N= \frac{M}{pq} $個,
したがって,どちらとも互いに素なものは,
$$Npq-(Nq+Np-N)$$
$$=N(p-1)(q-1)=M(1- \frac{1}{p})(1-\frac{1}{q}).$$
Nを自然数,$p,q,r(p \lt q \lt r)$を素数とする.
自然数$Npqr(=M)$以下の$p,q,r$のどれとも互いに素な自然数の個数を求めると,
$$N(p-1)(q-1)(r-1)$$
$$=M(1- \frac{1}{p})(1-\frac{1}{q})(1-\frac{1}{r}).$$
同様にして,
Nを自然数,$p,q,r(p \lt q \lt r\lt s)$を素数とする.
自然数$Npqrs(=M)$以下の$p,q,r,s$のどれとも互いに素な自然数の個数を求めると,
$$N(p-1)(q-1)(r-1)(s-1)$$
$$=M(1- \frac{1}{p})(1-\frac{1}{q})(1-\frac{1}{r})(1-\frac{1}{s}).$$
$1050=2 \cdot 3 \cdot 5 ^{2} \cdot 7$以下の,2,3,5,7のどれとも互いに素なものの個数は,
$$1050(1- \frac{1}{2})(1-\frac{1}{3})(1-\frac{1}{5})(1-\frac{1}{7})$$
$$=5(2-1)(3-1)(5-1)(7-1)=240.$$
したがって,「代わり」の事柄は証明されました.
この240個の中に,2,3,5,7を除く,1000以下の素数はすべて属しているので,問題の素数は250個以下となり,「最初」の問題は解決しました.□□

投稿日:124
更新日:128
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