エネルギーと質量の間には, 次の関係式が成り立つ. 別名, アインシュタインの関係とも言われる.
$$ \Delta E = \Delta M c^2 $$
この式を導いてみよう.
質量$M$で, 光を吸収する静止物体に, 振動数$\nu$の光子を左右から当てる. すると$M$の運動量は変化せず, エネルギーは$\Delta E = 2 \epsilon$だけ増加する. (ただし, $\epsilon = h \nu$)
つぎに, この現象を$-y$方向に速さ$v$で動く座標系$x'-y'$から見る. このとき, $x'-y'$座標から見ると, $M$は速さ$v$で$+ y$方向に動いて見える. すると$M$の運動量は$\Delta P$だけ増加する. 光子の運動量の大きさを$p$, その$y'$成分を$p_{y'}$として,
$$\Delta P = 2p_{y'} = 2p \cos \theta = 2p \times \frac{v}{c} = 2 \frac{\epsilon}{c} \times \frac{v}{c} = \frac{2 \epsilon }{c^2} v = \frac{\Delta E}{c^2} v \cdots (1)$$
速さ$v$で動く座標系$x'-y'$から見た図
ところで, $M$は静止物体であったから, 増加した運動量$\Delta P$のうち, 変化したのは$M$の質量である. つまり,
$$\Delta P = \Delta M \times v \cdots (2)$$
$(1)$と$(2)$より, $ \Delta E = \Delta M c^2 $が得られる.
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