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O変換まとめ

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2024年ごろ,O変換という置換が主に不等式に有用だと話題になった.
これを自分なりに再定式化したものをまとめる.
$1$の原始$3$乗根$\omega=\cos(\frac{2\pi}{3})+i\sin(\frac{2\pi}{3})$を用いて,
$3$つの実数$x,y,z$について,$3p=x+\omega^2 y+\omega z$を定義する.
$p$は$x,y,z$について巡回置換で$\omega$倍になる.
たとえば,$(x,y,z)\to (y,z,x)$と置換すれば$p\to\omega p$となる.
特に,$p^3$は巡回置換により不変である.これを用いれば,巡回式に強い置換を作れる.
これがO変換が普通の対称式変換よりも優れている点だと考えた.
次は,O変換を複素数で書いたものである.

$x,y,z$に対して,$x+y+z=3k,x+\omega^2y+\omega z=3p=3r(\cos(\theta)+i\sin(\theta))(k,r,\theta \in\mathbb{R},p\in\mathbb{C})$と表す.
このとき以下が成立.
$x=k+p+\bar{p}=k+2r\cos\theta$
$y=k+\omega p+\omega^2\bar{p}=k+2r\cos(\theta+2\pi/3)$
$z=k+\omega^2p+\omega\bar{p}=k+2r\cos(\theta+4\pi/3)$,
$xy+yz+zx=3k^2-3r^2$
$xyz=k^3-3kr^2+2r^3\cos3\theta$
$(x-y)(y-z)(z-x)=6\sqrt{3}r^3\sin3\theta$

$\omega^2+\omega=-1,\omega^3=1,\bar{\omega}=\omega^2$などをもちいて計算すればよい.
$k^3+p^3+\bar{p}^3-3kp\bar{p}$の因数分解を用いると$xyz$の計算は楽である.

必要ならば$r\geq 0$とできることに注意する.
また,実数$k,r,\theta$に対して対応する実数$x,y,z$が存在することにも注意する.
変数が正であるという条件には,次の命題が有効である.
なお,次の命題は3変数でなくとも$n$変数で成立する.
(すべての変数が正であることとすべての基本対称式が正であることが同値)

実数$x,y,z$がすべて正である必要十分条件は,
$x+y+z,xy+yz+zx,xyz$がすべて正であることである.

必要性は明らか.十分性を示そう.
$f(t)=(t+x)(t+y)(t+z)=t^3+(x+y+z)t^2+(xy+yz+zx)t+xyz$とすれば,$f(t)=0$は$-x,-y,-z$を解に持つ.
ここで$f(t)$は非負の解を持たないため,$x,y,z$が正であることが示される.

大体の問題は,$k,r,\theta$の式で表し,
$k,r$を固定して$\theta$を動かしたときの最大値をしらべ,
$k,r$の$2$変数不等式に帰着することで示せる.
特に,式全体の次数が$5$以下の巡回式であれば$\cos3\theta,\sin3\theta$のたかだか一次式になるため,
三角関数の合成から$\theta$を消去しやすい.
この変換を使ってとける例題を載せておく.

IMO 2006 3

任意の実数a,b,cについて以下の不等式が成立する最小のMを求めよ:
$|ab(a^2-b^2)+bc(b^2-c^2)+ca(c^2-a^2)|\leq M(a^2+b^2+c^2)^2$

解答
O変換を用いる.ただし,$r$が非負となるようにとる.
また,$a,b,c$の符号をすべて変えても両辺は変わらないため,$k\geq 0$とする.
$|ab(a^2-b^2)+bc(b^2-c^2)+ca(c^2-a^2)|=|-(a+b+c)(a-b)(b-c)(c-a)| =|-18\sqrt{3}kr^3\sin3\theta|\leq 18\sqrt{3}kr^3$
$a^2+b^2+c^2=3k^2+6r^2$となるから,相加相乗平均の不等式より,
$$(3k^2+6r^2)^2=(3k^2+2r^2+2r^2+2r^2)^2\geq (4\times24^{1/4}k^{1/2}r^{3/2})^2=32\sqrt{6}kr^{3}\geq\frac{32}{9\sqrt{2}}|ab(a^2-b^2)+bc(b^2-c^2)+ca(c^2-a^2)|$$
よって$M=\frac{9\sqrt{2}}{32}$で成立する.
$\theta=\pi/6,3k^2=2r^2$のときに等号が成立し,たとえば$k=\sqrt{2},r=\sqrt{3},\theta=\pi/6$とすればよい.
よってこれが最小値である.
大学への数学 宿題(年度不明)

実数$x,y,z$が$x^2+y^2+z^2=1$をみたすとき,
$(2x-y)(2y-z)(2z-x)$の最大値を求めよ.

Vasile Cirtoajeによる有名不等式

実数$x,y,z$に対して,
$3x^3y+3y^3z+3z^3x\leq (x^2+y^2+z^2)^2$を示せ.

投稿日:14日前
更新日:14日前
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投稿者

araro
araro
16
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競技数学とか

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