こんにちは.今回は僕が最近Apostolの『Intoduction to Analytic Number Theory』を読んでいて,2章にいろいろな数論的関数(自然数に対して定義されて実数値or複素数値をとるような関数)が紹介されていて,とりあえずたくさん計算してみたくなったので手計算で1000くらいまでは計算をしました(未来完了形).その中でも個人的に強く興味を持っている完全数(すぐ後に記号が定義されていると思いますが$\sigma(n)=2n$をみたすような数のことです)と関連して約数関数$\sigma(n)$についていろいろ計算しました.
以下$n$を自然数(正の整数)とし,$\sigma(n)$を$n$の正の約数の総和とします.この$\sigma(n)$についてとりあえず手計算で30までやったものをのっけます.ミスがあったらごめんなさい.
| n | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| $\sigma(n) $ | 1 | 3 | 4 | 7 | 6 | 12 | 8 | 15 | 13 | 18 |
| n | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
| $\sigma(n)$ | 12 | 28 | 14 | 24 | 24 | 31 | 18 | 39 | 20 | 42 |
| n | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
| $\sigma(n)$ | 32 | 36 | 24 | 60 | 31 | 39 | 40 | 56 | 30 | 72 |
これをある程度やるとさすがにいろんなことが気になってくるわけで,その中でも自分で解決できず, ChatGPTとかに聞いてもわからなかったような問題をまとめます.まだ200くらいまでしか計算してないのでこれから計算を進めていくなかで気になることが出てきたら適宜追加します.何かみなさんがご存じのことがあれば教えていただきたいです.よろしくお願いします.
$\sigma(n)=\sigma(n+1)$をみたす$n$はどれくらい存在する?
$\sigma(n)=2(n+1)$を満たす$n$はどれくらい存在する?
$\sigma(n)$が平方数となるような$n$はどれくらい存在する?また,どんな平方数が$\sigma(n)$で書ける?
$\sigma(n)$が立方数となるような$n$はどれくらい存在する?また,どんな立方数が$\sigma(n)$で書ける?
$\sigma(n)$がとる素数($\sigma(n)$が素数となる$n$)は有限個?
任意の自然数(奇数で十分)に対して$\sigma(n)\neq 2^mn$となるような$m$は存在する?
これが示せたらどのふたつも互いに素な自然数$n_1, \cdots n_s$が奇数の完全数とすると$\sigma(n_1\cdots n_s)=\sigma(n_1)\cdots \sigma(n_s)=2^sn_1\cdots n_s$なのでどのふたつも互いに素であるような奇数の完全数は高々$m-1$コしかないことが言えると気付きましたが,本質的な難しさは代わってないのかもしれません...
任意の正の奇数$k$に対して,ある$n \in \mathbb{N}$があって,$\dfrac{\sigma(n)}{\sigma(n+1)}=k$となる?