はじめに
統計を勉強していると順序統計量に出くわした.
を確率分布, とする. 小さい順に並び変えたものをで表し順序統計量という.
...また, 標本の値を昇順に並び替えたものをとしたとき, これらを順序統計量とよぶ.
関数を小さい順に並び変える??統計量なのに標本の値??となったので定義を確かめる.
順序統計量
を確率分布, とする.
任意のに対し, が定まる. の成分を昇順に並び変えたものをとおく. すなわち,
このときについて, に対しの第成分を対応させる写像を順序統計量と呼ぶ.
これで順序統計量の定義ができた. 次に久保川統計における
を考える. 関数の間の不等号とは何か, である. において
と定めるとは上の半順序となる. この意味でがの定め方から成り立つ.
より精密に
確率変数は可測集合の逆像が可測であることが求められるのでそれをチェックする.
に対し, は
およびその順番を入れ替えた集合の和集合として書ける. () はの開集合であるから, . よってはボレル可測.
: 確率変数, をボレル可測関数とする. このとき, は確率変数である.
これで順序統計量の定義ができる.
を確率空間とし, : 確率変数とする.
補題1, 2によって, 合成 は確率変数.
と書き, 順序統計量と呼ぶ.