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現代数学解説
文献あり

Hirsch 微分トポロジーの問題1.3.5 Möbiusの帯のimmersion、1.3.6 2つの原点を持つ直線のimmersion

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問題1.3.5

 Möbiusの帯は、平面へimmersion(はめ込み)できない。

 これは、immersionを勉強したら必ず(?)出てくると言っても良い反例の一つですね。
 平面へのimmersionは、その多様体が向き付け可能かどうかが本質的なので、それ(以下の補題)を使って示します。(前に1.3.3で紹介したSmale-Hirschを使えばもっと自明なんですが、あまりにも自明すぎるので自重します。)

 2次元多様体$M$が平面にimmersion$f:M\to \mathbb R^2$を持つなら、$M$は向き付け可能である。

 immersionは、各点$p\in M$でその微分$df_p$が単射である事である。
 いま、$M$$\mathbb R^2$も二次元なので、微分が単射であるなら同型である。
 従って逆関数定理により、各点の近くで$f$は局所微分同相である。
 よって各点の近傍に$\mathbb R^2$から引き戻される標準的な向きが入り、これを貼り合わせる事で$M$に大域的な向きが入る。
 よって$M$は向き付け可能である。

 知っての通り、Möbiusの帯は向き付け不能なので、この補題により平面にimmersionができないことが分かります。

問題1.3.6

2つの原点を持つ直線$L$は直線$\mathbb R$にimmersionができる。

$\pi:L\to \mathbb R$を自然な射影とする。
 これは、各局所座標で$t\mapsto t$と書けるから、その微分$d\pi_p$は単に恒等変換になる。
 故にこれは単射であり、よって$\pi$により$L$$\mathbb R$にimmersionになる。

 一応、プラス側のチャート1種、原点近傍チャート2種、マイナス側のチャート1種があるので、それぞれを使って$\pi$を計算した方が安全ですが、何にせよ自明にその微分が恒等変換になる事が従います。

参考文献

[1]
M.W.Hirsch(松本堯生(訳)), 微分トポロジー, p32
投稿日:2日前
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