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○○進法と無限積

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目次

1.はじめに
2.記号の導入と補題
3.やっていく
4.一般形
5.追記←new
6.まとめ
7.終わりに

1.はじめに

この記事ではまず次の等式を導出していきます

以下|x|<1とする

k進法と無限積

n=0(1+x2n)=11x
n=0(1+x3n+x23n)=11x
一般に2kとして
n=0(m=0k1xmkn)=11x
実際に左辺を展開してみるとxj(j=0,1,2,)の係数がすべて1となり、自然数が進法表示で一意的にあらわされることに対応します。


階乗進法と無限積

n=1(m=0nxmn!)=11x
こちらは階乗進法に対応しています。階乗進法は結構マイナーな部類だと思うのでWikipediaのURLを貼っておきます。 こちら

4.でこれらの一般形も導出します

2.記号の導入と補題

まず次のような関数列を定義します
gn(x)=11xn (|x|<1)
このgn(x)について次の補題を示します

kNとして
gn(x)gkn(x)=m=0k1xmn

gkn(x)
=1(1xn)(1+xn++x(k1)n)
=gn(x)(1+xn++x(k1)n)
なので
gn(x)gkn(x)=1+xn++x(k1)n

3.やっていく

k進法と無限積

まず①の等式を示します。
次のような積を2通りの方法で計算します

n=0Ng2n(x)g2n+1(x)
=n=0N(m=01xm2n) (1)
=n=0N(1+x2n)
一方で
n=0Ng2n(x)g2n+1(x)
=g1(x)g2(x)g2(x)g4(x)g4(x)g8(x)g2N(x)g2N+1(x)
=g1(x)g2N+1(x)g1(x)(N)

n=0(1+x2n)=11x

また、
n=0Ng3n(x)g3n+1(x),n=0Ngkn(x)gkn+1(x)
において同様の手順で計算すると②③の結果をそれぞれ得ることができます。


階乗進法と無限積

先ほどとほとんど同じ手順で導出できます
n=1Ngn!(x)g(n+1)!(x)
=n=1N(m=0nxmn!)(1)
一方で
n=0Ngn!(x)g(n+1)!(x)
=g1(x)g2(x)g2(x)g6(x)g6(x)g24(x)gN!(x)g(N+1)!(x)
=g1(x)g(N+1)!(x)g1(x)(N)
n=1(m=0nxmn!)=11x

4.一般形

ここでは先ほどの等式の一般形を導出します。

すべての自然数nに対して、knは2以上の自然数をする。
数列{an}an+1=knan,a1Nと定めたとき、次の等式が成立する。
n=1(m=0kn1xman)=11xa1

こちらも先ほどと同じ手順で計算していくだけです

n=0Ngan(x)gan+1(x)
=n=0N(m=0kn1xman) (1)

一方で
n=0Ngan(x)gan+1(x)
=ga1(x)ga2(x)ga2(x)ga3(x)ga3(x)ga4(x)gaN(x)gaN+1(x)
=ga1(x)gaN+1(x)ga1(x)(N)
n=1(m=0kn1xman)=11xa1

これを踏まえると、例えば

n=0(m=02n+1xm(2n)!!)=11x
n=1(m=02nxm(2n1)!!)=11x

等の等式が成り立つことが分かります。興味のある人は考えてみてください。

5.追記

書き忘れたことがあったので、ここに書いておきます。

級数bot @infseriesbot より

n=02n1+22n=1
n=022n+2n1(1+22n)2=1

この問題は今回導出した等式を用いて解くことができます。

n=0(1+x2n)=11xn=02nx2n11+x2n=11x()n=02n1+x2n=x1xn=02n1+22n=1(x=12)

3ddx(n=02n1+x2n)=ddx(x1x)n=022nx2n1(1+x2n)2=1(1x)2n=022nx2n+1(1+x2n)2=x2(1x)2n=022n+2n1(1+22n)2=1(x=12)

こんなやつもできる

n=022n+3n(22n1)(22n+1)3=6n=022n+4n(22n+1422n+1)(22n+1)4=26

n=022nx2n(1+x2n)2=x(1x)2ddx(n=022nx2n(1+x2n)2)=ddx(x(1x)2)n=023nx2n1(x2n1)(1+x2n)3=1+x(1x)3n=023nx2n(x2n1)(1+x2n)3=x(1+x)(1x)3n=022n+3n(22n1)(22n+1)3=6(x=12)

n=023nx2n(x2n1)(1+x2n)3=x(1+x)(1x)3ddx(n=023nx2n(x2n1)(1+x2n)3)=ddx(x(1+x)(1x)3)n=024nx2n1(x2n+14x2n+1)(1+x2n)4=x2+4x+1(1x)4n=024nx2n(x2n+14x2n+1)(1+x2n)4=x(x2+4x+1)(1x)4n=022n+4n(22n+1422n+1)(22n+1)4=26(x=12)

同様にして
n=024nx2n(x2n+14x2n+1)(1+x2n)4=x(x2+4x+1)(1x)4
の両辺を微分していくと、先ほどのような級数を構成できます。
2進法に対応した無限積だけでなくて、3進法や他の○○進法に対応した無限積に対してやってみても面白いかもしれません。

6.まとめ

今回導出した等式たちをまとめます

2n=0(1+x2n)=11x3n=0(1+x3n+x23n)=11xkn=0(m=0k1xmkn)=11xn=1(m=0nxmn!)=11xn=1(m=0kn1xman)=11xa1n=0(m=02n+1xm(2n)!!)=11xn=1(m=02nxm(2n1)!!)=11xn=02n1+22n=1n=022n+2n1(1+22n)2=1n=022n+3n(22n1)(22n+1)3=6n=022n+4n(22n+1422n+1)(22n+1)4=26

7.終わりに

今回導出した式は同じような手順で得られるものが多かったので、結構雑な説明になってしまいました。まあでも僕は満足したのでこのあたりで終わりたいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございましたθωθ👍

投稿日:2023430
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余余余
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よよよよよよよよよよよよ

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