「ゲートウェイアドレス」と「デフォルトゲートウェイ」は、ネットワークにおいて重要な役割を果たしますが、異なる意味を持つ概念です。それぞれの違いを詳しく説明します。
ゲートウェイアドレスは、あるネットワークから別のネットワークにパケットを転送する役割を持つデバイスのIPアドレスです。通常、ルータのインタフェースに割り当てられるIPアドレスがこれに該当します。ローカルネットワーク上のホストは、このゲートウェイアドレスを使って外部ネットワークにアクセスします。
192.168.1.0/24
内で、ルータに割り当てられているIPアドレス 192.168.1.1
は、そのネットワークのゲートウェイアドレスです。デフォルトゲートウェイは、ホストがパケットを送信する際に、宛先がローカルネットワーク外(つまり異なるネットワーク)にある場合に、最初にパケットを送る先のルータのアドレスです。ネットワーク上のホストが他のサブネットやインターネットにアクセスするために使います。
ゲートウェイアドレス | デフォルトゲートウェイ |
---|---|
ネットワーク間のデータ転送を担当するルータのIPアドレス | ホストがローカルネットワーク外の宛先へ送信する際に使用するゲートウェイ |
通常、ルータやL3スイッチのインタフェースに割り当てられる | ホストが外部ネットワークにアクセスするためのルータのアドレス |
複数存在する可能性がある(複数のネットワークセグメントで異なるゲートウェイアドレスが存在) | 通常1つしか設定されない |
各ネットワーク内で異なるアドレスを持つ | デフォルトでパケットを送る先として使用される |
ネットワークセグメント 192.168.1.0/24
にルータが存在し、そのインタフェースに 192.168.1.1
が割り当てられている場合、192.168.1.1 がそのネットワークのゲートウェイアドレスです。このアドレスを使ってネットワーク内のホストは外部ネットワークと通信できます。
上記の例で、ホスト(PC)のIPアドレスが 192.168.1.100
の場合、そのホストはネットワーク外(例えばインターネット)にパケットを送信したいとき、デフォルトゲートウェイに設定された 192.168.1.1 に最初にパケットを送ります。ルータがそのパケットを受け取り、次の宛先に向けてルーティングします。