どうも、YK改め$\equiv$です。お久しぶりです。
『2027学年度 大学修学能力試験 6月 模擬考試』1を解いている最中、結構苦戦した問題がありましてですね。
解法も面白く、出題アイデアも結構なものでしたのでみなさんにもぜひ見ていただきたい。
ということで、さっそく問題のほうを見ていきましょう。
最高次項の係数が$1$の三次関数$f(x)$がある。実数$t$に対し
$$f(\alpha)=f'(t)-4t^2+4$$
を満たす実数$\alpha$の最高値を$g(t)$とする。関数$g(t)$が$t=3$でのみ不連続であり$g(3)=1$のとき、$f(2)$の値を求めよ。
出題範囲としては韓国・日本ともに『数学Ⅱ』からですね。導関数の応用(活用)です。
変数が$x$, $t$, $\alpha$と多く、問題文も短めのため結構こんがらがる問題となっていますね。
それでは$\equiv$の解法をどうぞ。
実数$a$, $b$, $c$に対し$f(x)=x^3+ax^2+bx+c$とする。ならば$f'(x)=3x^2+2ax+b$.
これを用いて方程式$f(\alpha)=f'(t)-4t^2+4$を右辺だけ書き直すと
$$f(\alpha)=-t^2+2at+b+4\;{\color{Gray} ({}=-(t-a)^2+a^2+b+4)}.$$
$h(t)=-t^2+2at+b+4$とすれば$h'(x)=-2t+2a$により
$$\begin{array}{c|ccccc}
x&(-\infty)&\cdots&a&\cdots&(+\infty) \\[3pt]\hline
h'(x) & (+\infty) & + & 0 & - & (-\infty) \\[3pt]
h(x) & (-\infty) & \nearrow & a^2+b+4 & \searrow & (-\infty)
\end{array}$$
となるため、$h(t)$は$t=a$以下では増加し、$t=a$以上では減少する。
よって、実数$t$が$-\infty$から$+\infty$へ動くとき、$xy$平面上の直線$y=h(t)$は$t=a$になる前まで直線$y=a^2+b+4$に向かって上昇し、$t=a$を越えた後はまた$y=-\infty$の方向に降下する。
曲線$y=f(x)$($F$とする)の概形の類型を分け、$y=h(t)$($H_t$とする)が動くときの$g(t)$の動向を考察する。
このとき、点$(g(t),\,f(g(t)))$、つまり$F$と$H$の交点の中で一番右側にいるものを$\mr G_t$とする。
〈i. 極値が存在しない場合〉
このとき$f(x)$は増加関数か減少関数かのどちらかである。
下の図は$t$が動くときに描かれる点$\mr G_t$の軌跡をオレンジ色で表した。
また、本来は$F$の上に軌跡があるのだが、軌跡が重なる都合上$f(x)$の両隣に軌跡を描いた。
以降の場合でも同じような規則で図を描いたため、これ以降は図の説明は省略する。
〈i〉の場合
軌跡が連続しているのが見えるだろうか。
$H_a$と$F$の交点の$x$座標を$x_a$とすると、$t$が連続的に$a$に近づくとき、$g(t)$も連続的に$x_a$に近づく。
また、$f(x)$が一対一対応のため逆関数$f^{-1}(x)$が存在し、
$$g(a)=f^{-1}(h(a))=f^{-1}(f(x_a))=x_a$$
が成立する。ゆえに$\lim_{t\to a}g(t)=g(a)$が成立し、$g(t)$は連続関数であることが分かる。
〈ii. 極値が存在する場合〉
三次関数が極値を持つとき、その三次関数が極大/極小にさせる実数$l$は常に$2$つ存在する。
三次関数及びその導関数が属す二次関数は微分可能であり連続であるため、
$$\textsf{$f(x)$\;が\;$x=l$\;で極大/極小}\;\Longrightarrow\;f'(l)=0$$
が成り立つ。
$f(x)$が極値を$x=l$で持つとする。このとき、$l$とは異なる$f(x)$が極大/極小となる実数がただ一つだけ存在することを示したい。
$f'(x)$は二次関数のため、$f'(x)=0$の解は多くて$2$つしかない。
ただ、既に$x=l$が$f'(x)=0$の解になっているため、他の解を$l'$とする。
$l\neq l'$を示したいので、(あまり気は進まないが)背理法を使おう。
今までの仮定の上に$l=l'$と仮定してみる。
ならば、$x=l=l'$は重解となり、$f'(x)=3(x-l)^2=0$となる。
よって、$f'(x)$は$l$以外のすべての$x$にて正となり、$x=l$でも$f'(x)=0$のため$f(x)$はすべての実数$x$にて増加する。
ならば、増減の入れ替わりで生じる極大・極小を$f(x)$は持つことができない。
(これの証明は高校の範囲を超えると思われるため、省略する。)
ただ、これは最初の「$f(x)$は$x=l$で極値を持つ」と矛盾するため、それ以外で仮定した$l=l'$が間違いであり、ゆえに$l\neq l'$.
よって、$f'(l')=0$となる$l$とは異なる実数$l'$が存在し、$f'(x)$は$x=(l+l')/2$に対して対称であるため、$x=l'$の前後でも$f'(x)$の符号の入れ替わりは起こり、よって$x=l'$にて$f(x)$は極値を持つ。また、対象のため$x=l$のときとは異なる累計の極値を持つ。
(例として、$x=l$にて極小なら$x=l'$では極大、逆に$x=l$にて極大なら$x=l'$では極小となる。)
その二つの極値の中で、極小をとる点の$x$座標を$l_m$、極大をとる点のものを$l_M$とする。
ならば、$l_m>l_M$かつ$f(l_m)< f(l_M)$が成り立つ。
〈ii-1. $h(a)< f(l_m)$〉
〈i〉と同様の結果となるため、省略。
〈ii-2. $h(a)=f(l_m)$〉
次のような図の状態になる。
〈ii-2〉の場合
$t< a$のときは〈i〉同様、連続的に増加する。よって$g(t)$は$t< a$にて連続。
ただし、$t=a$のとき、$f(\alpha)=h(t)$となる$\alpha$の最高値が以前まで辿っていたルートから突然$l_m$に更新される。
$\lim_{t\to a^-}g(t)\neq g(a)$の証明は簡単で、$\lim_{x\to-\infty}f(x)=-\infty$かつ、$f(l_M)>f(l_m)$, $l_M< l_m$から、$f(l_m)\in(-\infty,\,f(l_M))$のため、中間値の定理により$f(\mu)=f(l_m)$を満たす実数$\mu$が区間$(-\infty,\,l_M)$内に存在する。このとき$\mu< l_M< l_m$のため$\mu\neq l_m$.
また、$x=l_m$が重解のため、$l_m$とも$\mu$とも異なる三次方程式$f(x)=f(l_m)$の解は存在しない。
よって、この$\mu$こそが$\lim_{t\to a^-}g(t)$であり、ゆえに$\lim_{t\to a^-}g(t)\neq g(a)$, つまり$g(t)$は$t=a$にて不連続である。
$t>a$のときは$h(t-a)=h(t+a)$により$t< a$のときと逆の動きを見せながら$x<\mu$のときの$F$を辿りながら$-\infty$へと向かう。よって$t>a$にてでも$g(t)$は連続。
なので、$g(t)$は$t=a$でのみ不連続である。
〈ii-3. $h(a)>f(l_m)$〉
〈ii-3〉の場合①:$f(l_m)< h(a)< f(l_M)$
〈ii-3〉の場合②:$h(a)=f(l_M)$
〈ii-3〉の場合③:$h(a)>f(l_M)$
この場合は$l_M$を絡めて$3$つの場合に分けて考えることもできそうではあるが、結果はすべて同じであるため、まとめて扱う。
$h(t)< f(l_m)$のときは$x<\mu$のときの$F$を辿っている。〈ii-2〉での動きと全く同じであるため、詳細は省略する。
問題は$h(t)\geq f(l_m)$のときである。〈ii-2〉ではこの不等式を満たす$t$が$t=a$一つしかないため不連続点が$1$つしかなかったが、今回はこれを満たす実数$t$が無数にある。
$\ds\lim_{t\to t_0^-}g(t)=\mu$, $g(t_0)=l_m$を満たす実数$t_0$が$a$より小さいので、$t\leq a$では増加する$h(t)$に対し$f(\mu)=f(l_m)< f(a)$であり、
よって、点$\mr G_t$は$h(t)=h(a)$を満たすまで、$l_m\leq x\leq x_a$のときの$F$を辿りながら上に向かう。
$t=a$を過ぎると同じく$h(t-a)=h(t+a)$により$t=t_0+2(a-t_0)=2a-t_0$までは$l_m\leq x\leq x_a$のときの$F$を辿りながら点$(l_m,\,f(l_m))$に向かう。よって$\ds\lim_{t\to(2a-t_0)^-}g(t)=g(2a-t_0)=l_m$.
$t=2a-t_0$を過ぎると、$h(t)< f(l_m)$であることから一番右側にあるものが再び$x<\mu$のときの$F$を辿る。よって$\ds\lim_{t\to(2a-t_0)^+}g(t)=\mu\;(\neq l_m)$であり、ゆえに$g(t)$は$t=2a-t_0$にてでも不連続である。
$t_0< a<2a-t_0$から$t_0\neq2a-t_0$、これにより$g(t)$は二つの不連続点を持つ。
以上をまとめると、問題で提示された条件である「$g(t)$の不連続点がただ一つ存在する」を満たす場合は〈ii-2〉のみである。
$g(t)$が$t=3$で不連続であることから$a=3$であり、ゆえに
$$f'(x)=3x^2+6x+b,$$
また$g(3)=1$から$l_m=1$であり、これから$f'(l_m)=f'(1)=b+9=0$; $b=-9$.
ゆえに$f(x)=x^3+3x^2-9x+c$, $h(t)=-t^2+6t-5$.
$h(a)=h(3)=f(l_m)=f(1)$から$f(1)=c-5=h(3)=4$であり、よって$c=9$.
これから$f(x)=x^3+3x^2-9x+9$、ゆえに${\color{BrickRed}f(2)=11}$.$\quad\blacksquare$
……長ーーーーーーい!!!!!!! 習ってない物をバンバン出させやがって…… 解析学の証明苦手なのに……
実際の試験では、解法が採点されないスヌンおよび模試の特性を利用して、こういうの(特に証明系)全部吹っ飛ばして
という手順を踏めれば問題ないと思います。こんなしっかりした解法書かなくていいです。というかこんなん書いてたら確実にタイムオーバーです。
まぁでも、正解できてよかったです。最初の5分ぐらいは$x$だ$t$だ$\alpha$だと変数が多すぎて頭がこんがらがってましたね。
では、今回はここまで! また面白い問題があったら持ってきます。
またどこかで! $\equiv$でした。