座標平面上に3点 ${\rm A}(x,~0)$,${\rm B}(x,~y)$,${\rm C}(0,~y)$ をとる.ただし,${\rm B}$ は単位円周上を動き,$x>0$,$y>0$ である.このとき,線分 ${\rm AB}$ と ${\rm BC}$ の長さが等しくなる $x$ の値は $x=\fbox{~(ヌ)~}$ である.
次に,$n$ を2以上の整数とし,$k=1,~2,~\cdots,~n-1$ に対して $\displaystyle{x=\frac{k}{n}}$ のときの線分 ${\rm AB}$ と ${\rm BC}$ の短い方の長さを $L_n(k)$ と表す.$n=4$ とすると,$L_4(k)~(k=1,~2,~3)$ の最大値は $\fbox{~(ネ)~}$ である.一方,$n=5$ のとき $L_5(k)$ が最大となる $k$ の値は$ \fbox{~(ノ)~}$ と $\fbox{~(ハ)~}$ の2個ある.同様に,2以上の整数 $a$ で,$L_a(k)$ が最大となる $k$ の値が2個あるものを考え,そのような $k$ のうち大きい方の値を $m$ とおく.このとき,$m$ を $a$ の式で表すと $m=\fbox{~(ヒ)~}$ となる.また,$b=3a+4m-2$ とおいたとき,$L_b(k)$ が最大となる $k$ の値も2個あり,それらの大きい方を $a$ と $m$ の1次式で表すと $\fbox{(フ)}$ となる.
${\rm AB}={\rm BC}$のとき${\rm B}(x,~x)$であり,${\rm B}$は単位円周上にあるから$\displaystyle{x=\boldsymbol{\frac{1}{\sqrt{2}}}}$
問題文にある$b=3a+4m-2$という式はどこから出てきたのか?
(そんなことは問題を解く際には必要はないけど,出題者だけが知っている背景が何かあるはず…)
$m$は①のように表されたが,正の整数なので$\sqrt{2a^2-1}=c$となる正の奇数$c$が存在する.よって
\begin{align*}
2a^2-c^2=1\quad \cdots\cdots②
\end{align*}
方程式②の正の整数解を求める.
まず
$(a,~c)=(1,~1)$は②をみたす.
$2\cdot 1^2-1^2=1$
次に
$(a_1,~c_1)=(1,~1)$として,$n$が正の奇数のとき,
正の奇数の組$(a,~c)=(a_n,~c_n)$が②をみたすならば
\begin{align*}
a_n\sqrt{2}+c_n=(\sqrt{2}+1)^n\quad\cdots③
\end{align*}
が成り立つ.
$n=1$のとき
$a_1=c_1=1$は正の奇数であり
\begin{align*}
a_1\sqrt{2}+c_1=1\cdot\sqrt{2}+1=(\sqrt{2}+1)^1
\end{align*}
よって③は成り立つ.
$n=k$ ($k$は正の奇数)のとき,③が成り立つと仮定する.このとき
\begin{align*}
(\sqrt{2}+1)^{k+2} &= (\sqrt{2}+1)^k\cdot(\sqrt{2}+1)^2\\
&= (a_k\sqrt{2}+c_k)(2\sqrt{2}+3)\\
&= (3a_k+2c_k)\sqrt{2}+(4a_k+3c_k)
\end{align*}
により
\begin{align*}
\left\{\begin{array}{l}a_{k+2}=3a_k+2c_k\\c_{k+2}=4a_k+3c_k\end{array}\right.
\end{align*}
と定めると
$a_{k+2},~c_{k+2}$はともに正の奇数であり
\begin{align*}
(\sqrt{2}+1)^{k+2}=a_{k+2}\sqrt{2}+c_{k+2}
\end{align*}
である.さらに
\begin{align*}
2{a_{k+2}}^2-{c_{k+2}}^2 &= 2(3a_k+2c_k)^2-(4a_k+3c_k)^2\\
&=2(9{a_k}^2+12a_kc_k+4{c_k}^2)-(16{a_k}^2+24a_kc_k+9{c_k}^2)\\
&= 2{a_k}^2-{c_k}^2\\
&= 1
\end{align*}
により$(a,~c)=(a_{k+2},~c_{k+2})$は②をみたす.
よって,$n=k+2$のときも③は成り立つ.
したがって,[1],[2]により命題2は成り立つ.
命題2により,
\begin{align*}
\left\{\begin{array}{l}a_{n+2}=3a_n+2c_n\\c_{n+2}=4a_n+3c_n\end{array}\right.
\end{align*}
で定められる数列$\{a_n\},~\{c_n\}$によって,方程式②の正の整数解を
\begin{align*}
(a_1,~c_1) \rightarrow (a_3,~c_3) \rightarrow (a_5,~c_5) \rightarrow \cdots
\end{align*}
と次々に求めることができる(整数解は無数に存在する).
よって,$(a,~c)$が方程式②の整数解ならば
\begin{align*}
(3a+2c,~4a+3c)=(3a+4m-2,~4a+6m-3)\quad \left(\because m=\frac{1+c}{2}\iff c=2m-1\right)
\end{align*}
もまた,方程式②の整数解であり,$b=3a+4m-2$,$c'=4a+6m-3$とすると
\begin{align*}
M &= \frac{1+\sqrt{2b^2-1}}{2}\\
&= \frac{1+c'}{2}\quad (\because 2b^2-{c'}^2=1)\\
&= \frac{4a+6m-2}{2}\\
&= \boldsymbol{2a+3m-1}
\end{align*}
となる.
途中の「疑問」を感じたところから解答としては脱線していたつもりだったけど,結果的に最後の答えが得られた.方程式②($c^2-2a^2=-1$)は「ペル方程式」の拡張である.一般に$D$が平方数でない正の整数のとき$x^2-Dy^2=-1$は整数解をもたないこともあるが,$D=2$の場合は,最小解$(1,~1)$から順に正の整数解が③によって得られるのである.