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積分暗算術(実践篇)

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積分の暗算術 ― 実践篇

本篇は『積分の暗算術』の理論篇と『積分の体系化』を前提として、既知の積分技法を暗算で正確に実行する力を養うための教材である。
暗算とは、計算過程をすべて頭の中に詰め込むことではない。数式の構造を認識し、不要な計算を行わず、必要な情報だけを保持・更新することである。
本篇では、解説例題16問、段階別演習112問、横断演習16問の計144問を扱う。段階別演習は24段階に分ける。ここでの段階は暗算技術の習得順序を表し、INTEGRALIS公式Difficultyではない。
各問では、解法の根拠となる計算と、その計算を頭の中で実行する際の要点を示す。初めは筆算してよい。正確に解けるようになってから、書かずに済む部分を減らしていく。

第3章 実践演習

3.1 解説例題

例題1 単一構造の保持
$$ I=\int\frac{2x+1}{(x^2+x+3)^2}\,dx $$
分母内部を一つの対象として扱う。
$$ D=x^2+x+3,\qquad D'=2x+1 $$
したがって、
$$ I=\int\frac{D'}{D^2}\,dx =\boxed{-\frac{1}{x^2+x+3}+C} $$
暗算の操作
分母内部とその微分が対応していることを確認したら、二次式を展開する必要はない。保持するのは分母内部と、逆数の微分で生じる負号だけである。
例題2 係数列の更新
$$ I=\int e^x(x^4+4x^3+3x^2+8x+4)\,dx $$
原始関数を指数関数と多項式の積として考える。
$$ I=e^xP(x)+C $$
$$ P(x)+P'(x)=x^4+4x^3+3x^2+8x+4 $$
高次から係数を確定すると、
$$ (1,4,3,8,4)\longmapsto(1,0,3,2,2) $$
となる。よって、
$$ I=\boxed{e^x(x^4+3x^2+2x+2)+C} $$
暗算の操作
例えば四次の係数を一と確定すると、その微分による三次への寄与は四である。三次の残りは零となる。確定した係数を低次へ順に渡し、処理の終わった係数は保持しない。
例題3 周期と符号
$$ I=\int_0^{\frac{13\pi}{2}}(2\cos3x-5\sin2x)\,dx $$
$$ I=\left[\frac{2}{3}\sin3x+\frac{5}{2}\cos2x\right]_0^{\frac{13\pi}{2}} $$
$$ \sin\frac{39\pi}{2}=-1,\qquad \cos13\pi=-1 $$
したがって、
$$ I=-\frac{2}{3}-\frac{5}{2}-\frac{5}{2} =\boxed{-\frac{17}{3}} $$
暗算の操作
大きな角度をそのまま保持しない。周期で整理して正弦・余弦の値を確定し、各項の係数と符号だけを最後に合計する。
例題4 三角関数の有理化
$$ I=\int_0^{\frac{\pi}{4}}\frac{1}{1+\sin2x}\,dx $$
$$ t=\tan x $$
とすると、
$$ 1+\sin2x=\frac{(1+t)^2}{1+t^2} $$
$$ dx=\frac{dt}{1+t^2} $$
であるから、
$$ I=\int_0^1\frac{dt}{(1+t)^2} =\boxed{\frac{1}{2}} $$
暗算の操作
変換後は有理式と区間だけを保持する。元の三角関数を頭の中に残しておく必要はない。
例題5 商と余り
$$ I=\int\frac{x^3+2x^2+3x+4}{x^2+1}\,dx $$
$$ \frac{x^3+2x^2+3x+4}{x^2+1} =x+2+\frac{2x+2}{x^2+1} $$
したがって、
$$ I=\boxed{ \frac{x^2}{2}+2x+\ln(x^2+1)+2\arctan x+C } $$
暗算の操作
商を最高次から確定する。余りが出たら分母の微分に対応する項と逆正接に対応する項へ分ける。筆算の途中式をすべて保存する必要はない。
例題6 対数の符号管理
$$ I=\int_0^1\frac{2x-5}{x^2-5x-1}\,dx $$
分母内部とその微分が対応する。
$$ D=x^2-5x-1,\qquad D'=2x-5 $$
分母は区間全体で負なので、
$$ I=\left[\ln|D|\right]_0^1 =\ln5-\ln1 =\boxed{\ln5} $$
暗算の操作
最初に対数の絶対値の必要性を確認する。その後は端点での絶対値のみを計算し、符号判定を繰り返さない。
例題7 底と指数が変化する冪
$$ I=\int_0^1 \frac{(1+x)^x\left(\ln(1+x)+\frac{x}{1+x}\right)} {1+(1+x)^{2x}}\,dx $$
$$ A=(1+x)^x $$
とすれば、
$$ A'=A\left(\ln(1+x)+\frac{x}{1+x}\right) $$
である。したがって、
$$ I=\left[\arctan A\right]_0^1 =\boxed{\arctan2-\frac{\pi}{4}} $$
暗算の操作
底と指数を別々の変数のように扱わず、冪全体を一つの対象とする。最後に必要なのは端点での一と二だけである。
例題8 多重合成関数
$$ I=\int_0^{\frac{\pi}{2}} \frac{e^{\sin x}\cos x}{\sqrt{1+e^{2\sin x}}}\,dx $$
$$ t=e^{\sin x} $$
とすると、
$$ dt=e^{\sin x}\cos x\,dx $$
$$ t:1\longmapsto e $$
である。よって、
$$ I=\int_1^e\frac{dt}{\sqrt{1+t^2}} $$
$$ I=\boxed{ \ln\frac{e+\sqrt{1+e^2}}{1+\sqrt2} } $$
暗算の操作
内側から外側へ端点値を更新する。指数関数の値を確定させた後は、三角関数や元の積分区間を保持しない。
例題9 正弦・余弦の係数対
$$ I=\int e^{2x}(7\cos x+4\sin x)\,dx $$
原始関数を、
$$ e^{2x}(a\cos x+b\sin x) $$
と考える。微分後の係数を比較して、
$$ 2a+b=7,\qquad 2b-a=4 $$
を得る。これより、
$$ (a,b)=(2,3) $$
なので、
$$ I=\boxed{e^{2x}(2\cos x+3\sin x)+C} $$
暗算の操作
正弦と余弦の係数を符号付きの一組として扱う。微分による入れ替わりを一つの演算とみなせば、別々の部分積分を保持せずに済む。
例題10 相補性
$$ I=\int_{-1}^{1}\frac{x^2+1}{1+e^x}\,dx $$
$$ \frac{1}{1+e^x}+\frac{1}{1+e^{-x}}=1 $$
であり、分子は偶関数なので、
$$ 2I=\int_{-1}^{1}(x^2+1)\,dx $$
したがって、
$$ I=\boxed{\frac{4}{3}} $$
暗算の操作
相補的な二つの部分を個別に積分しない。和が一になると確認した時点で指数関数の情報を捨てる。
例題11 絶対値の切替点
$$ I=\int_0^\pi|\sin x-\cos x|e^{\sin x+\cos x}\,dx $$
$$ F(x)=e^{\sin x+\cos x} $$
とおくと、
$$ F'(x)=(\cos x-\sin x)F(x) $$
である。切替点は、
$$ x=\frac{\pi}{4} $$
なので、
$$ I=\left[F(x)\right]_0^{\frac{\pi}{4}} -\left[F(x)\right]_{\frac{\pi}{4}}^\pi $$
$$ I=2F\left(\frac{\pi}{4}\right)-F(0)-F(\pi) $$
$$ I=\boxed{2e^{\sqrt2}-e-e^{-1}} $$
暗算の操作
区間ごとの積分値を独立に完成させず、切替点の関数値が二度寄与することを先に確定する。保持するのは三つの関数値だけでよい。
例題12 床関数の切替値
$$ I=\int_0^{\frac{\pi}{2}} \lfloor3\sin x\rfloor e^{\sin x}\cos x\,dx $$
$$ t=\sin x $$
とすると、切替値は、
$$ \frac{1}{3},\qquad\frac{2}{3} $$
となる。したがって、
$$ I=\int_{\frac{1}{3}}^{\frac{2}{3}}e^t\,dt +2\int_{\frac{2}{3}}^1e^t\,dt $$
$$ I=\boxed{2e-e^{\frac{1}{3}}-e^{\frac{2}{3}}} $$
暗算の操作
切替値と区間ごとの係数を先に確定する。同じ端点に現れる指数関数の値は、係数をまとめてから評価する。
例題13 有限和の保持
正の整数について、
$$ I_n=\int_0^1 \frac{\sum_{k=1}^nkx^{k-1}} {\sum_{k=0}^nx^k}\,dx $$
とする。
$$ S(x)=\sum_{k=0}^nx^k $$
とおけば、分子はその微分なので、
$$ I_n=\left[\ln S(x)\right]_0^1 $$
である。
$$ S(0)=1,\qquad S(1)=n+1 $$
より、
$$ I_n=\boxed{\ln(n+1)} $$
暗算の操作
総和の各項を個別に保持しない。有限和全体を一つの対象として扱い、その端点値だけを確定する。
例題14 Wallis型の係数
$$ I=\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin^6x\,dx $$
Wallis型の漸化式から、
$$ I=\frac{5}{6}\cdot\frac{3}{4}\cdot\frac{1}{2}\cdot\frac{\pi}{2} =\boxed{\frac{5\pi}{32}} $$
暗算の操作
係数を順番に掛け切らず、分子と分母の共通因子を先に消去する。
例題15 広義積分の端点
$$ I=\int_0^1\frac{(\ln x)^2}{\sqrt{x}}\,dx $$
原始関数は、
$$ F(x)=2\sqrt{x}\left((\ln x)^2-4\ln x+8\right) $$
である。
$$ \lim_{x\to0+}\sqrt{x}(\ln x)^k=0 \qquad(k=0,1,2) $$
なので、
$$ \lim_{x\to0+}F(x)=0,\qquad F(1)=16 $$
したがって、
$$ I=\boxed{16} $$
暗算の操作
零へ向かう平方根と発散する対数を別々に評価しない。積全体の極限が確定するまで、まとめて保持する。
例題16 対称性と切替点の統合
$$ I=\int_{-\frac{\pi}{2}}^{\frac{\pi}{2}} \frac{(1+\lfloor2|\sin x|\rfloor)e^{\sin x}\cos x} {1+e^{2\sin x}}\,dx $$
$$ t=\sin x $$
とすると、区間は負の一から一になる。
$$ g(t)=\frac{e^t}{1+e^{2t}} $$
は偶関数なので、
$$ I=2\left( \int_0^{\frac{1}{2}}g(t)\,dt +2\int_{\frac{1}{2}}^1g(t)\,dt \right) $$
である。
$$ F(t)=\arctan(e^t) $$
とおけば、
$$ F'(t)=g(t) $$
したがって、
$$ I=4F(1)-2F\left(\frac{1}{2}\right)-2F(0) $$
$$ I=\boxed{ 4\arctan e-2\arctan\sqrt e-\frac{\pi}{2} } $$
暗算の操作
先に偶関数性で区間を半分にし、次に床関数で分割し、最後に共通端点の係数を整理する。保持するのは切替値と三つの関数値だけである。


3.2 段階別演習

24段階、全112問。
第1段階 単一構造
$$ \begin{aligned} (1)&\quad\int\frac{3x^2+2x}{x^3+x^2+4}\,dx\\ (2)&\quad\int\frac{4x}{(x^2+3)^2}\,dx\\ (3)&\quad\int\frac{2e^{2x}}{1+e^{2x}}\,dx\\ (4)&\quad\int\frac{\cos3x}{1+\sin3x}\,dx\\ (5)&\quad\int\frac{2x+1}{\sqrt{x^2+x+5}}\,dx \end{aligned} $$
第2段階 係数と符号
$$ \begin{aligned} (6)&\quad\int(x^2+4x+5)e^x\,dx\\ (7)&\quad\int5e^{3x}(\cos x+\sin x)\,dx\\ (8)&\quad\int\frac{x^2+3x+1}{x+1}\,dx\\ (9)&\quad\int\frac{1}{\sqrt{4-x^2}}\,dx\\ (10)&\quad\int(\sinh2x+2\cosh2x)\,dx \end{aligned} $$
第3段階 端点処理
$$ \begin{aligned} (11)&\quad\int_0^1\frac{2x}{1+x^2}\,dx\\ (12)&\quad\int_0^{\frac{\pi}{3}}\cos3x\,dx\\ (13)&\quad\int_0^{\ln2}\frac{e^x}{1+e^x}\,dx\\ (14)&\quad\int_0^1\frac{x}{\sqrt{1+x^2}}\,dx\\ (15)&\quad\int_0^1\frac{2x}{(1+x^2)^2}\,dx \end{aligned} $$
第4段階 三角有理化・根号
$$ \begin{aligned} (16)&\quad\int_0^{\frac{\pi}{6}}\frac{1}{1+\sin2x}\,dx\\ (17)&\quad\int_0^{\frac{\pi}{2}}\frac{1}{1+\sin x}\,dx\\ (18)&\quad\int_0^\pi\frac{1}{2+\cos x}\,dx\\ (19)&\quad\int_0^1\frac{1}{\sqrt{1+x^2}+x}\,dx\\ (20)&\quad\int_0^2\frac{2x}{x^2+2}\,dx \end{aligned} $$
第5段階 Weierstrass変換後の計算
$$ \begin{aligned} (21)&\quad\int_0^{\frac{\pi}{2}}\frac{1}{2+\sin x+\cos x}\,dx\\ (22)&\quad\int_0^\pi\frac{1}{3+2\cos x}\,dx\\ (23)&\quad\int_0^{\frac{\pi}{2}}\frac{1}{3+\sin x+\cos x}\,dx\\ (24)&\quad\int_0^{\frac{\pi}{2}}\frac{\sin x+\cos x}{2+\sin x+\cos x}\,dx \end{aligned} $$
第6段階 商・余り・係数
$$ \begin{aligned} (25)&\quad\int(x^3+3x^2+4x+5)e^x\,dx\\ (26)&\quad\int e^{2x}(4\cos3x+7\sin3x)\,dx\\ (27)&\quad\int\frac{x^3+x^2+3x+4}{x^2+1}\,dx\\ (28)&\quad\int\frac{3}{x^2+6x+13}\,dx\\ (29)&\quad\int\frac{x}{x^2-1}\,dx \end{aligned} $$
第7段階 複数係数
$$ \begin{aligned} (30)&\quad\int_0^1e^{3x}(5\cos2x+\sin2x)\,dx\\ (31)&\quad\int_0^1(x^3+6x^2+15x+16)e^x\,dx\\ (32)&\quad\int_0^1\left( \frac{2x+1}{x^2+x+1}+\frac{2x}{1+x^2}\right)\,dx\\ (33)&\quad\int_0^{\frac{\pi}{2}}e^{2x}(3\cos x+\sin x)\,dx \end{aligned} $$
第8段階 対数・逆三角・端点
$$ \begin{aligned} (34)&\quad\int_0^1\frac{2x+1}{(x^2+x+2)^2}\,dx\\ (35)&\quad\int_0^{\frac{\pi}{2}}(\sin x+\cos x)^2\,dx\\ (36)&\quad\int_0^1\frac{\ln(1+x)}{1+x}\,dx\\ (37)&\quad\int_0^1(3x^2+1)e^{x^3+x}\,dx\\ (38)&\quad\int_0^1\frac{1}{x^2+2x+2}\,dx \end{aligned} $$
第9段階 多重合成
$$ \begin{aligned} (39)&\quad\int_0^{\frac{\pi}{2}}\frac{e^{\sin x}\cos x}{1+e^{2\sin x}}\,dx\\ (40)&\quad\int_0^1(2x+1)\ln(x^2+x+1)\,dx\\ (41)&\quad\int_0^1(x^2+x+1)(2x+1)\,dx\\ (42)&\quad\int_0^{\ln2}e^x\sin(e^x)\,dx\\ (43)&\quad\int_0^{\frac{\pi}{4}}\tan x\,dx \end{aligned} $$
第10段階 根号・逆関数・変化する冪
$$ \begin{aligned} (44)&\quad\int_0^1\frac{\sqrt{x}}{1+\sqrt{x}}\,dx\\ (45)&\quad\int_0^1\left( \frac{1}{\sqrt{1+x^2}}+\frac{x}{1+x^2}\right)\,dx\\ (46)&\quad\int_0^{\frac{\pi}{2}}\frac{\cos x}{1+\sin^2x}\,dx\\ (47)&\quad\int_0^{\ln3}(\sinh x+\cosh x)\,dx\\ (48)&\quad\int_0^1(1+x)^x\left(\ln(1+x)+\frac{x}{1+x}\right)\,dx \end{aligned} $$
第11段階 二次根号の処理
$$ \begin{aligned} (49)&\quad\int_0^1\sqrt{1+x^2}\,dx\\ (50)&\quad\int_1^2\frac{1}{\sqrt{x^2-1}}\,dx\\ (51)&\quad\int_0^1\frac{1}{\sqrt{x^2+x+1}}\,dx\\ (52)&\quad\int_0^1\frac{1}{1+\sqrt{1-x^2}}\,dx \end{aligned} $$
第12段階 複数操作の連結
$$ \begin{aligned} (53)&\quad\int_0^1(x^2+2x+2)e^x\,dx\\ (54)&\quad\int_0^{\frac{\pi}{2}}x\sin x\,dx\\ (55)&\quad\int_0^1\frac{x^3+2x^2+2x+1}{x^2+1}\,dx\\ (56)&\quad\int_0^1\frac{2x+1}{\sqrt{x^2+x+1}}\,dx\\ (57)&\quad\int_0^{\frac{\pi}{2}}\frac{\cos x}{2+\sin x}\,dx \end{aligned} $$
第13段階 一次分数構造
$$ \begin{aligned} (58)&\quad\int_0^1\frac{1}{(1+x)(1+2x)}\,dx\\ (59)&\quad\int_0^1\frac{1-x}{(1+x)^3}\,dx\\ (60)&\quad\int_0^1\frac{1+x^2}{(1+x)^2}\,dx\\ (61)&\quad\int_0^{\frac12}\frac{1}{1-x^2}\,dx \end{aligned} $$
第14段階 対称性・絶対値
$$ \begin{aligned} (62)&\quad\int_{-2}^{2}\frac{|x|}{1+x^2}\,dx\\ (63)&\quad\int_0^\pi|\sin x-\cos x|\,dx\\ (64)&\quad\int_0^3\lfloor x\rfloor\,dx\\ (65)&\quad\int_{-1}^{1}\frac{x^2}{1+e^x}\,dx\\ (66)&\quad\int_0^\pi\sin2x|\cos x|\,dx \end{aligned} $$
第15段階 区分関数・小数部分
$$ \{x\}=x-\lfloor x\rfloor $$
$$ \begin{aligned} (67)&\quad\int_0^2\{x\}\,dx\\ (68)&\quad\int_0^2x\{x\}\,dx\\ (69)&\quad\int_0^3(1+\lfloor x\rfloor)e^x\,dx\\ (70)&\quad\int_0^\pi\min\{\sin x,\cos x\}\,dx\\ (71)&\quad\int_0^\pi|\sin2x|\,dx \end{aligned} $$
第16段階 複合構造
$$ \begin{aligned} (72)&\quad\int_0^1 \frac{(2x+1)(x^2+x+2)}{(x^2+x+1)^2}\,dx\\ (73)&\quad\int_0^1 \frac{e^x(x^3+2x^2+3x)}{(x+1)^2}\,dx\\ (74)&\quad\int_0^{\ln2}e^x(\sin x+\cos x)\,dx\\ (75)&\quad\int_0^1\frac{2x+1}{1+(x^2+x)^2}\,dx\\ (76)&\quad\int_0^1\frac{x+1}{\sqrt{x^2+2x+4}}\,dx \end{aligned} $$
第17段階 床関数・有限積
$$ \begin{aligned} (77)&\quad\int_0^{2\pi}|\cos x|e^{\sin x}\,dx\\ (78)&\quad\int_0^3(2x+1)\lfloor x\rfloor\,dx\\ (79)&\quad\int_0^2x\lceil x\rceil\,dx\\ (80)&\quad\int_0^1\left( \frac{e^x}{1+e^x}+\frac{e^{-x}}{1+e^{-x}}\right)\,dx\\ (81)&\quad\int_0^1\prod_{k=1}^{n}\frac{x+k}{x+k+1}\,dx \end{aligned} $$
第18段階 漸化式・和・区分求積
$$ \begin{aligned} (82)&\quad\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin^5x\,dx\\ (83)&\quad\int_0^1\sum_{k=0}^{n}(x^k-x^{k+1})\,dx\\ (84)&\quad\int_0^1\frac{1}{x+1} \prod_{k=1}^{n}\frac{x+k}{x+k+1}\,dx\\ (85)&\quad\int_0^1\lim_{n\to\infty} \frac1n\sum_{k=1}^{n}\left(1+\frac{kx}{n}\right)^2\,dx\\ (86)&\quad\int_0^{\frac{\pi}{2}} \frac{\lfloor3\sin x\rfloor e^{\sin x}\cos x}{1+e^{2\sin x}}\,dx \end{aligned} $$
第19段階 Wallis型
$$ \begin{aligned} (87)&\quad\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin^8x\,dx\\ (88)&\quad\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin^3x\cos^2x\,dx\\ (89)&\quad\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin^2x\cos^4x\,dx\\ (90)&\quad\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin^4x\cos^4x\,dx \end{aligned} $$
第20段階 有限和・有限積
$$ \begin{aligned} (91)&\quad\int_0^1\sum_{k=1}^{n}kx^{k-1}\,dx\\ (92)&\quad\int_0^1\sum_{k=1}^{n} \left(\frac{1}{x+k}-\frac{1}{x+k+1}\right)\,dx\\ (93)&\quad\int_0^1\sum_{k=1}^{n} \left(\frac{1}{(x+k)^2}-\frac{1}{(x+k+1)^2}\right)\,dx\\ (94)&\quad\int_0^1\prod_{k=1}^{n}\frac{x+k+1}{x+k}\,dx \end{aligned} $$
問81、83、84、91〜94では正の整数をパラメータとする。
第21段階 広義積分・極限
$$ \begin{aligned} (95)&\quad\int_0^1\frac{(\ln x)^3}{\sqrt{x}}\,dx\\ (96)&\quad\int_0^\infty\frac{4x^3}{(1+x^4)^2}\,dx\\ (97)&\quad\int_0^1\frac{1}{\sqrt{x}(1+\sqrt{x})}\,dx\\ (98)&\quad\int_0^1\frac{x^2\ln(1+x^3)}{1+x^3}\,dx\\ (99)&\quad\int_0^1 \frac{\sum_{k=1}^{n}2k(2x)^{k-1}} {\sum_{k=0}^{n}(2x)^k}\,dx \end{aligned} $$
問99では正の整数をパラメータとする。
第22段階 広義積分の相殺
$$ \begin{aligned} (100)&\quad\int_0^1\frac{\ln x}{\sqrt{x}}\,dx\\ (101)&\quad\int_0^\infty\frac{\ln x}{1+x^2}\,dx\\ (102)&\quad\int_0^\infty\frac{x}{(1+x^2)^2}\,dx\\ (103)&\quad\int_0^1(-\ln x)^3\,dx \end{aligned} $$
第23段階 総合暗算Ⅰ
$$ (104)\quad\int_0^{\frac{\pi}{2}} \lfloor4\sin x\rfloor e^{\sin x}\cos x\,dx $$
$$ (105)\quad\int_0^{\frac{\pi}{2}} \frac{e^{\sin x}\cos x(2+e^{\sin x}+e^{2\sin x})} {(1+e^{\sin x})(1+e^{2\sin x})}\,dx $$
$$ (106)\quad\int_0^1 \frac{e^x(x^2+x+1)} {\sqrt{1+x^2}(1+e^{2x}(1+x^2))}\,dx $$
$$ (107)\quad\int_0^\pi \frac{|\sin x-\cos x|e^{\sin x+\cos x}} {1+e^{2(\sin x+\cos x)}}\,dx $$
$$ (108)\quad\int_{-\frac{\pi}{2}}^{\frac{\pi}{2}} \frac{(1+\lfloor4|\sin x|\rfloor)e^{\sin x}\cos x} {1+e^{\sin x}}\,dx $$
第24段階 総合暗算Ⅱ
$$ (109)\quad\int_0^1 \frac{(2x+1)e^{x^2+x}}{1+e^{2(x^2+x)}}\,dx $$
$$ (110)\quad\int_{-\frac{\pi}{2}}^{\frac{\pi}{2}} \frac{\lfloor2|\sin x|\rfloor\cos x}{1+\sin^2x}\,dx $$
$$ (111)\quad\int_0^{\frac{\pi}{2}} \frac{(1+\lfloor3\sin x\rfloor)\cos x}{1+\sin^2x}\,dx $$
$$ (112)\quad\int_0^{\frac{\pi}{2}} \frac{(1+\lfloor3\sin x\rfloor)e^{\sin x}\cos x (2+e^{\sin x}+e^{2\sin x})} {(1+e^{\sin x})(1+e^{2\sin x})}\,dx $$

3.3 横断演習

ここでは暗算技術を指定しない。解法が定まった後、どの情報を保持すれば計算を完了できるか、自分で判断する。
$$ \begin{aligned} (113)&\quad\int_0^1\frac{1}{\sqrt{x+1}+1}\,dx\\ (114)&\quad\int_0^{\frac{\pi}{2}}\frac{1}{2+\sin x}\,dx\\ (115)&\quad\int_0^1\frac{1}{\sqrt{x^2+2x+2}+x+1}\,dx\\ (116)&\quad\int_0^1\frac{2x+3}{(x+1)(x+2)}\,dx\\ (117)&\quad\int_0^1 \frac{(2x+1)\ln(x^2+x+1)}{x^2+x+1}\,dx\\ (118)&\quad\int_0^{\frac12} \frac{\arcsin x}{\sqrt{1-x^2}}\,dx\\ (119)&\quad\int_0^1\frac{\arctan x}{1+x^2}\,dx\\ (120)&\quad\int_0^{\ln2} \frac{\sinh2x}{1+\cosh2x}\,dx \end{aligned} $$
$$ (121)\quad\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin^{2n}x\,dx $$
$$ (122)\quad\int_0^1 \left(\frac{\sin x}{x}+2xe^{x^2} -\frac{\sin(1-x)}{1-x}\right)\,dx $$
$$ (123)\quad\int_{-\frac{\pi}{2}}^{\frac{\pi}{2}} \lfloor3|\sin x|\rfloor\cos x\,dx $$
$$ (124)\quad\int_{-\frac{\pi}{2}}^{\frac{\pi}{2}} \frac{(1+\lfloor3|\sin x|\rfloor)(2+\sin^2x)\cos x} {(1+\sin^2x)(3+\sin^2x)}\,dx $$
$$ (125)\quad\int_0^1 \frac{(2x+1)\ln(x^2+x+1)} {(x^2+x+1)(1+\ln^2(x^2+x+1))}\,dx $$
$$ (126)\quad\int_{-1}^{1} \frac{|x|^3}{(1+x^2)^2(1+e^x)}\,dx $$
$$ (127)\quad\int_0^\pi \frac{|\sin x-\cos x|e^{\sin x+\cos x}} {1+e^{\sin x+\cos x}}\,dx $$
$$ (128)\quad\int_0^{\frac{\pi}{2}} \frac{\lfloor3\sin x\rfloor e^{\sin x}\cos x} {1+e^{\sin x}}\,dx $$
問121では正の整数をパラメータとする。問122では端点の可除特異点を連続的に補う。


3.4 段階別演習の解答・解説

以下では、単に答えを示すのではなく、どの計算を実行し、何を頭の中で保持するかを確認する。不定積分は、被積分関数が定義される各区間で扱う。
第1段階の解説
問1
分母を一つの対象とする。
$$ D=x^3+x^2+4,\qquad D'=3x^2+2x $$
したがって、
$$ I=\int\frac{D'}{D}\,dx =\boxed{\ln|x^3+x^2+4|+C} $$
暗算では三次式を展開せず、分母内部と分子の微分関係を確認するだけでよい。
問2
$$ D=x^2+3,\qquad D'=2x $$
分子はその二倍である。
$$ I=2\int\frac{D'}{D^2}\,dx =\boxed{-\frac{2}{x^2+3}+C} $$
保持する情報は係数二と、逆数の微分による負号である。
問3
$$ D=1+e^{2x},\qquad D'=2e^{2x} $$
したがって、
$$ I=\boxed{\ln(1+e^{2x})+C} $$
微分に必要な係数二はすでに分子に含まれる。余分な係数調整をしないことが重要である。
問4
$$ D=1+\sin3x,\qquad D'=3\cos3x $$
分子はその三分の一なので、
$$ I=\boxed{\frac{1}{3}\ln|1+\sin3x|+C} $$
となる。暗算では角度の係数三だけを調整し、対数の絶対値を忘れない。
問5
$$ D=x^2+x+5,\qquad D'=2x+1 $$
したがって、
$$ I=\int D^{-\frac12}D'\,dx =\boxed{2\sqrt{x^2+x+5}+C} $$
根号内部を一つの対象として扱えば、置換後の文字を実際に書かなくても計算できる。
第2段階の解説
問6
原始関数を、
$$ e^x(ax^2+bx+c) $$
とすると、微分後の多項式は、
$$ ax^2+(2a+b)x+(b+c) $$
である。
$$ a=1,\qquad 2a+b=4,\qquad b+c=5 $$
から、
$$ (a,b,c)=(1,2,3) $$
を得る。よって、
$$ I=\boxed{e^x(x^2+2x+3)+C} $$
暗算では高次の係数を確定させ、その微分による寄与を次の次数へ渡す。
問7
原始関数を、
$$ e^{3x}(a\cos x+b\sin x) $$
とすると、
$$ 3a+b=5,\qquad 3b-a=5 $$
である。
$$ (a,b)=(1,2) $$
より、
$$ I=\boxed{e^{3x}(\cos x+2\sin x)+C} $$
となる。正弦・余弦の係数を一組で保持し、符号と入れ替わりを同時に処理する。
問8
商を高次から確定すると、
$$ \frac{x^2+3x+1}{x+1} =x+2-\frac{1}{x+1} $$
である。したがって、
$$ I=\boxed{ \frac{x^2}{2}+2x-\ln|x+1|+C } $$
除法の途中式を保存せず、商と余りだけを保持する。
問9
$$ 4-x^2=4\left(1-\frac{x^2}{4}\right) $$
なので、
$$ I=\boxed{\arcsin\frac{x}{2}+C} $$
である。逆正弦の引数に残る二分の一が、微分時の係数調整も担う。
問10
$$ \frac{d}{dx}\cosh2x=2\sinh2x $$
$$ \frac{d}{dx}\sinh2x=2\cosh2x $$
である。よって、
$$ I=\boxed{ \frac{1}{2}\cosh2x+\sinh2x+C } $$
となる。二つの項について内部の係数二をまとめて処理する。
第3段階の解説
問11
$$ I=\left[\ln(1+x^2)\right]_0^1 =\boxed{\ln2} $$
分母内部の端点値は一と二である。式全体を保持せず、その二つの数値だけを対数へ渡す。
問12
$$ I=\left[\frac{1}{3}\sin3x\right]_0^{\frac{\pi}{3}} =\boxed{0} $$
上端で正弦の角度が円周率になる。周期を認識した時点で端点評価は完了する。
問13
$$ I=\left[\ln(1+e^x)\right]_0^{\ln2} $$
$$ e^0=1,\qquad e^{\ln2}=2 $$
なので、
$$ I=\boxed{\ln\frac{3}{2}} $$
である。二つの対数は別々に保持せず、真数の比にまとめる。
問14
$$ I=\left[\sqrt{1+x^2}\right]_0^1 =\boxed{\sqrt2-1} $$
端点での根号内部の値だけを保持し、小数近似は行わない。
問15
$$ I=\left[-\frac{1}{1+x^2}\right]_0^1 $$
$$ I=-\frac12+1 =\boxed{\frac12} $$
逆数を端点で評価する際、原始関数の先頭の負号を忘れない。
第4段階の解説
問16
$$ t=\tan x $$
とすると、
$$ I=\int_0^{\frac{1}{\sqrt3}} \frac{dt}{(1+t)^2} $$
である。したがって、
$$ I=\left[\frac{t}{1+t}\right]_0^{\frac{1}{\sqrt3}} =\frac{1}{1+\sqrt3} $$
$$ I=\boxed{\frac{\sqrt3-1}{2}} $$
となる。変換後の上端を確定したら、三角関数には戻らず分数だけを整理する。
問17
分母を有理化すると、
$$ \frac{1}{1+\sin x} =\frac{1-\sin x}{\cos^2x} $$
である。形式的な原始関数は、
$$ \tan x-\frac{1}{\cos x} $$
だが、上端では二項とも発散する。そこで先に差をまとめる。
$$ \tan x-\frac{1}{\cos x} =-\frac{\cos x}{1+\sin x} $$
右辺なら端点まで連続的に評価できる。
$$ I=\left[-\frac{\cos x}{1+\sin x}\right]_0^{\frac{\pi}{2}} =\boxed{1} $$
暗算では発散する二項の値を別々に保持せず、相殺後の一つの分数を扱う。
問18
$$ t=\tan\frac{x}{2} $$
により、
$$ I=2\int_0^\infty\frac{dt}{t^2+3} $$
である。したがって、
$$ I=\left[ \frac{2}{\sqrt3}\arctan\frac{t}{\sqrt3} \right]_0^\infty =\boxed{\frac{\pi}{\sqrt3}} $$
となる。無限大側の逆正接の値を確定した後、係数だけを掛ける。
問19
分母を有理化する。
$$ \frac{1}{\sqrt{1+x^2}+x} =\sqrt{1+x^2}-x $$
したがって、
$$ I=\left[ \frac{x\sqrt{1+x^2} +\ln(x+\sqrt{1+x^2})-x^2}{2} \right]_0^1 $$
$$ I=\boxed{ \frac{\sqrt2-1+\ln(1+\sqrt2)}{2} } $$
である。暗算では根号、対数、多項式の各寄与を分けて評価し、最後にまとめる。
問20
$$ I=\left[\ln(x^2+2)\right]_0^2 =\ln6-\ln2 =\boxed{\ln3} $$
二つの対数を真数の比として処理する。
第5段階の解説
この段階ではWeierstrass(ワイエルシュトラス)置換を用いる。
$$ t=\tan\frac{x}{2} $$
$$ \sin x=\frac{2t}{1+t^2},\qquad \cos x=\frac{1-t^2}{1+t^2} $$
$$ dx=\frac{2\,dt}{1+t^2} $$
問21
$$ I=2\int_0^1\frac{dt}{t^2+2t+3} $$
$$ t^2+2t+3=(t+1)^2+2 $$
より、
$$ I=\boxed{ \sqrt2\left( \arctan\sqrt2-\arctan\frac{1}{\sqrt2} \right) } $$
となる。変換後は平方完成の中心と定数、二つの端点だけを保持する。
問22
$$ I=2\int_0^\infty\frac{dt}{t^2+5} $$
なので、
$$ I=\boxed{\frac{\pi}{\sqrt5}} $$
である。無限大の逆正接の値を既知値として扱う。
問23
$$ I=\int_0^1\frac{dt}{t^2+t+2} $$
$$ t^2+t+2 =\left(t+\frac12\right)^2+\frac74 $$
したがって、
$$ I=\boxed{ \frac{2}{\sqrt7}\left( \arctan\frac{3}{\sqrt7} -\arctan\frac{1}{\sqrt7} \right) } $$
となる。平方完成の中心と端点を組にして保持する。
問24
まず、
$$ \frac{\sin x+\cos x}{2+\sin x+\cos x} =1-\frac{2}{2+\sin x+\cos x} $$
と分離する。したがって、
$$ I=\frac{\pi}{2} -2\int_0^{\frac{\pi}{2}}\frac{dx}{2+\sin x+\cos x} $$
であり、後半は問21と同じである。
$$ I=\boxed{ \frac{\pi}{2} -2\sqrt2\left( \arctan\sqrt2-\arctan\frac{1}{\sqrt2} \right) } $$
暗算では既知の積分値を再利用し、同じ変換を実行し直さない。
第6段階の解説
問25
原始関数を、
$$ e^xP(x) $$
と考える。
$$ P+P'=x^3+3x^2+4x+5 $$
なので、高次から係数を確定すると、
$$ (1,3,4,5)\longmapsto(1,0,4,1) $$
となる。したがって、
$$ I=\boxed{e^x(x^3+4x+1)+C} $$
である。各次数の係数を確定したら、その寄与だけを次の次数へ渡す。
問26
原始関数を、
$$ e^{2x}(a\cos3x+b\sin3x) $$
とする。係数比較から、
$$ 2a+3b=4,\qquad 2b-3a=7 $$
を得る。
$$ (a,b)=(-1,2) $$
より、
$$ I=\boxed{e^{2x}(-\cos3x+2\sin3x)+C} $$
となる。二係数を符号付きの一組として処理する。
問27
$$ \frac{x^3+x^2+3x+4}{x^2+1} =x+1+\frac{2x+3}{x^2+1} $$
である。余りの一次項は分母の微分形、定数項は逆正接形に対応する。
$$ I=\boxed{ \frac{x^2}{2}+x+\ln(x^2+1)+3\arctan x+C } $$
暗算では商と余りを確定した時点で除法を終え、残る二つの既知形へ移る。
問28
$$ x^2+6x+13=(x+3)^2+4 $$
である。よって、
$$ I=\boxed{ \frac32\arctan\frac{x+3}{2}+C } $$
となる。平方完成後の中心と定数二だけを保持する。
問29
$$ I=\frac12\int\frac{2x}{x^2-1}\,dx $$
だから、
$$ I=\boxed{\frac12\ln|x^2-1|+C} $$
である。定義域で分母が零にならないことを踏まえ、絶対値を付けて扱う。
第7段階の解説
問30
原始関数を、
$$ e^{3x}(a\cos2x+b\sin2x) $$
とする。
$$ 3a+2b=5,\qquad3b-2a=1 $$
より、
$$ (a,b)=(1,1) $$
である。したがって、
$$ I=\left[e^{3x}(\cos2x+\sin2x)\right]_0^1 $$
$$ I=\boxed{e^3(\cos2+\sin2)-1} $$
となる。係数対を先に確定してから端点だけを評価する。
問31
$$ P+P'=x^3+6x^2+15x+16 $$
を満たす多項式の係数は、
$$ (1,6,15,16)\longmapsto(1,3,9,7) $$
である。したがって、
$$ I=\left[e^x(x^3+3x^2+9x+7)\right]_0^1 $$
$$ I=\boxed{20e-7} $$
となる。上端では係数の和だけを求めればよい。
問32
二つの分数は、それぞれ分母の微分形を持つ。
$$ I=\left[ \ln(x^2+x+1)+\ln(1+x^2) \right]_0^1 $$
よって、
$$ I=\boxed{\ln6} $$
となる。二つの対数を個別に保持せず、真数の積としてまとめる。
問33
原始関数を、
$$ e^{2x}(a\cos x+b\sin x) $$
と考える。
$$ 2a+b=3,\qquad2b-a=1 $$
より、
$$ (a,b)=(1,1) $$
である。したがって、
$$ I=\left[e^{2x}(\cos x+\sin x)\right]_0^{\frac{\pi}{2}} =\boxed{e^\pi-1} $$
となる。両端で正弦と余弦のどちらが一になるかだけを確認する。
第8段階の解説
問34
$$ D=x^2+x+2,\qquad D'=2x+1 $$
なので、
$$ I=\left[-\frac{1}{D}\right]_0^1 $$
$$ I=-\frac14+\frac12 =\boxed{\frac14} $$
である。分母内部の端点値二、四だけを保持する。
問35
$$ (\sin x+\cos x)^2=1+\sin2x $$
である。したがって、
$$ I=\int_0^{\frac{\pi}{2}}(1+\sin2x)\,dx =\boxed{\frac{\pi}{2}+1} $$
となる。定数部分と周期部分の寄与を分離する。
問36
$$ I=\left[\frac12(\ln(1+x))^2\right]_0^1 =\boxed{\frac{(\ln2)^2}{2}} $$
である。端点で対数を確定してから二乗する。
問37
$$ D=x^3+x,\qquad D'=3x^2+1 $$
より、
$$ I=\left[e^D\right]_0^1 =\boxed{e^2-1} $$
となる。指数内部の端点値だけを保持する。
問38
$$ x^2+2x+2=(x+1)^2+1 $$
なので、
$$ I=\left[\arctan(x+1)\right]_0^1 =\boxed{\arctan2-\frac{\pi}{4}} $$
である。平方完成後の二つの端点値だけを評価する。
第9段階の解説
問39
$$ t=e^{\sin x} $$
とすると、
$$ I=\int_1^e\frac{dt}{1+t^2} =\boxed{\arctan e-\frac{\pi}{4}} $$
である。三角関数の端点値を指数関数へ渡したら、元の三角関数は保持しない。
問40
$$ t=x^2+x+1 $$
により、
$$ I=\int_1^3\ln t\,dt =\left[t\ln t-t\right]_1^3 $$
したがって、
$$ I=\boxed{3\ln3-2} $$
である。変換後の区間が確定したら、二次式へ戻さない。
問41
$$ t=x^2+x+1 $$
とすると、
$$ I=\int_1^3t\,dt =\boxed{4} $$
となる。二次式の展開は不要である。
問42
$$ t=e^x $$
より、
$$ I=\int_1^2\sin t\,dt =\boxed{\cos1-\cos2} $$
となる。指数関数の端点値を三角関数へ渡すだけでよい。
問43
$$ I=\left[-\ln|\cos x|\right]_0^{\frac{\pi}{4}} $$
$$ I=-\ln\frac{1}{\sqrt2} =\boxed{\frac12\ln2} $$
となる。平方根を対数の係数へ移してから評価する。
第10段階の解説
問44
$$ t=\sqrt{x},\qquad dx=2t\,dt $$
とすると、
$$ I=2\int_0^1\frac{t^2}{1+t}\,dt $$
である。
$$ \frac{t^2}{1+t} =t-1+\frac{1}{1+t} $$
より、
$$ I=\boxed{2\ln2-1} $$
となる。根号を一つの対象として扱い、商と余りへ分解する。
問45
第一項の原始関数は、
$$ \ln(x+\sqrt{1+x^2}) $$
であり、第二項の原始関数は、
$$ \frac12\ln(1+x^2) $$
である。したがって、
$$ I=\boxed{ \ln(1+\sqrt2)+\frac12\ln2 } $$
となる。二つの原始関数の端点値だけを確定し、途中では対数を無理に統合しない。
問46
$$ t=\sin x $$
とすると、
$$ I=\int_0^1\frac{dt}{1+t^2} =\boxed{\frac{\pi}{4}} $$
となる。変換後は逆正接の端点値だけを扱う。
問47
$$ \sinh x+\cosh x=e^x $$
である。したがって、
$$ I=\left[e^x\right]_0^{\ln3} =\boxed{2} $$
となる。二つの双曲線関数を別々に積分する必要はない。
問48
$$ A=(1+x)^x $$
とおけば、
$$ A'=A\left(\ln(1+x)+\frac{x}{1+x}\right) $$
である。よって、
$$ I=\left[A\right]_0^1 =2-1 =\boxed{1} $$
となる。底と指数を別々に処理せず、冪全体の端点値を求める。
第11段階の解説
問49
既知の原始関数、
$$ F(x)=\frac12\left( x\sqrt{1+x^2} +\ln(x+\sqrt{1+x^2}) \right) $$
を用いる。
$$ F'(x)=\sqrt{1+x^2} $$
である。したがって、
$$ I=\boxed{ \frac{\sqrt2+\ln(1+\sqrt2)}{2} } $$
となる。根号部分と対数部分を一組で保持する。
問50
下端は広義積分の端点であるが、
$$ \frac{1}{\sqrt{x^2-1}} \sim\frac{1}{\sqrt{2(x-1)}} \qquad(x\to1+) $$
なので収束する。
原始関数は、
$$ F(x)=\ln(x+\sqrt{x^2-1}) $$
であり、
$$ I=F(2)-\lim_{x\to1+}F(x) $$
となる。
$$ I=\boxed{\ln(2+\sqrt3)} $$
下端の真数は一に収束する。暗算では極限を確認してから、上端の値だけを残す。
問51
原始関数を、
$$ F(x)=\ln\left( 2x+1+2\sqrt{x^2+x+1} \right) $$
とすると、
$$ F'(x)=\frac{1}{\sqrt{x^2+x+1}} $$
である。したがって、
$$ I=\left[F(x)\right]_0^1 =\boxed{\ln\frac{3+2\sqrt3}{3}} $$
となる。端点で対数の真数を確定し、比へまとめる。
問52
$$ x=\sin t $$
とすると、
$$ I=\int_0^{\frac{\pi}{2}} \frac{\cos t}{1+\cos t}\,dt $$
である。
$$ \frac{\cos t}{1+\cos t} =1-\frac{1}{1+\cos t} $$
を利用し、
$$ \frac{1}{1+\cos t} =\frac{1}{2\cos^2\frac{t}{2}} $$
なので、
$$ \int_0^{\frac{\pi}{2}}\frac{dt}{1+\cos t} =\left[\tan\frac{t}{2}\right]_0^{\frac{\pi}{2}} =1 $$
したがって、
$$ I=\boxed{\frac{\pi}{2}-1} $$
となる。全体を一と残りの部分に分離すると、暗算で保持する式が単純になる。
第12段階の解説
問53
$$ \frac{d}{dx}\left[e^x(x^2+2)\right] =e^x(x^2+2x+2) $$
である。したがって、
$$ I=\left[e^x(x^2+2)\right]_0^1 =\boxed{3e-2} $$
となる。部分積分の繰り返しを、原始関数側の多項式の係数決定へ圧縮する。
問54
部分積分より、
$$ I=\left[-x\cos x+\sin x\right]_0^{\frac{\pi}{2}} $$
である。したがって、
$$ I=\boxed{1} $$
となる。上端では余弦を含む境界項が零になることを先に確定する。
問55
$$ \frac{x^3+2x^2+2x+1}{x^2+1} =x+2+\frac{x-1}{x^2+1} $$
である。したがって、
$$ I=\left[ \frac{x^2}{2}+2x+ \frac12\ln(1+x^2)-\arctan x \right]_0^1 $$
$$ I=\boxed{ \frac52+\frac12\ln2-\frac{\pi}{4} } $$
となる。商、対数型、逆正接型の三つの寄与を分けて評価する。
問56
$$ D=x^2+x+1,\qquad D'=2x+1 $$
なので、
$$ I=\left[2\sqrt D\right]_0^1 =\boxed{2(\sqrt3-1)} $$
となる。根号内部の端点値だけを保持する。
問57
$$ I=\left[\ln(2+\sin x)\right]_0^{\frac{\pi}{2}} =\boxed{\ln\frac32} $$
となる。対数の真数の比を直接求める。
第13段階の解説
問58
部分分数分解すると、
$$ \frac{1}{(1+x)(1+2x)} =-\frac{1}{1+x}+\frac{2}{1+2x} $$
である。したがって、
$$ I=\left[ \ln\frac{1+2x}{1+x} \right]_0^1 =\boxed{\ln\frac32} $$
となる。二つの係数を一組で保持し、対数を最後に統合する。
問59
$$ t=1+x $$
とすると、
$$ 1-x=2-t $$
なので、
$$ I=\int_1^2\left( \frac{2}{t^3}-\frac{1}{t^2} \right)\,dt $$
である。
$$ I=\left[ -\frac{1}{t^2}+\frac{1}{t} \right]_1^2 =\boxed{\frac14} $$
となる。元の一次式を何度も展開せず、変換後の冪と係数だけを扱う。
問60
$$ t=1+x $$
とすると、
$$ 1+x^2=t^2-2t+2 $$
である。したがって、
$$ I=\int_1^2\left( 1-\frac{2}{t}+\frac{2}{t^2} \right)\,dt $$
$$ I=\left[ t-2\ln t-\frac{2}{t} \right]_1^2 =\boxed{2-2\ln2} $$
となる。多項式と逆数の端点寄与を先にまとめ、最後に対数を加える。
問61
$$ \frac{1}{1-x^2} =\frac12\left( \frac{1}{1+x}+\frac{1}{1-x} \right) $$
だから、
$$ I=\left[ \frac12\ln\frac{1+x}{1-x} \right]_0^{\frac12} =\boxed{\frac12\ln3} $$
となる。二つの対数を一つの比として保持する。
第14段階の解説
問62
被積分関数は偶関数である。
$$ I=2\int_0^2\frac{x}{1+x^2}\,dx $$
$$ I=\left[\ln(1+x^2)\right]_0^2 =\boxed{\ln5} $$
暗算では最初に対称性を使い、絶対値を消してから処理する。
問63
符号の切替点は、
$$ x=\frac{\pi}{4} $$
である。したがって、
$$ I=\int_0^{\frac{\pi}{4}} (\cos x-\sin x)\,dx +\int_{\frac{\pi}{4}}^\pi (\sin x-\cos x)\,dx $$
である。
$$ I=(\sqrt2-1)+(1+\sqrt2) =\boxed{2\sqrt2} $$
暗算では切替点の値を一度確定し、両区間で共有する。
問64
床関数の値は、一から二までで一、二から三までで二である。
$$ I=\int_1^2 1\,dx+\int_2^3 2\,dx =\boxed{3} $$
区間の長さと係数だけを保持すればよい。


問65
偶関数である分子を利用し、対称な点を組にする。
$$ \frac{1}{1+e^x}+\frac{1}{1+e^{-x}}=1 $$
したがって、
$$ 2I=\int_{-1}^{1}x^2\,dx =\frac23 $$
なので、
$$ I=\boxed{\frac13} $$
となる。指数関数を含む二つの項を個別に積分せず、相補性によって一度に消去する。
問66
$$ f(x)=\sin2x|\cos x| $$
とおくと、
$$ f(\pi-x)=-f(x) $$
である。積分区間はこの変換で不変なので、
$$ I=\boxed{0} $$
となる。符号反転による相殺を確認したら、原始関数を求める必要はない。
第15段階の解説
問67
小数部分は周期一で同じ形を繰り返す。
$$ I=\int_0^1x\,dx+\int_1^2(x-1)\,dx $$
したがって、
$$ I=\frac12+\frac12 =\boxed{1} $$
となる。一周期の寄与を一度計算して再利用する。
問68
区間ごとに小数部分を外す。
$$ I=\int_0^1x^2\,dx+\int_1^2x(x-1)\,dx $$
$$ I=\frac13+\frac56 =\boxed{\frac76} $$
となる。後半は前半と同じ寄与ではない。小数部分の周期性と、それに掛かる一次式の変化を区別する。
問69
床関数による重みは、各区間で一、二、三となる。
$$ I=(e-1)+2(e^2-e)+3(e^3-e^2) $$
同じ端点に現れる指数関数の係数をまとめれば、
$$ I=\boxed{3e^3-e^2-e-1} $$
である。区間ごとの値を保持し続けず、共通端点で整理する。
問70
二つの三角関数の大小が切り替わる点は、
$$ x=\frac{\pi}{4} $$
である。したがって、
$$ I=\int_0^{\frac{\pi}{4}}\sin x\,dx +\int_{\frac{\pi}{4}}^\pi\cos x\,dx $$
$$ I=1-\frac{1}{\sqrt2}-\frac{1}{\sqrt2} =\boxed{1-\sqrt2} $$
となる。後半では余弦が負になる区間を含むため、積分値全体が負になり得る。符号を勝手に正へ直さない。
問71
絶対値によって、正負の半周期が同じ正の寄与になる。
$$ I=2\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin2x\,dx =\boxed{2} $$
となる。一つの半周期の値を求めて二倍する。
第16段階の解説
問72
$$ t=x^2+x+1 $$
とすると、
$$ dt=(2x+1)\,dx $$
であり、
$$ x^2+x+2=t+1 $$
となる。したがって、
$$ I=\int_1^3\frac{t+1}{t^2}\,dt =\int_1^3\left( \frac{1}{t}+\frac{1}{t^2} \right)\,dt $$
$$ I=\boxed{\ln3+\frac23} $$
を得る。共通する二次式を一つの対象として扱い、変換後の二項だけを処理する。
問73
分母の平方から商の微分を想定し、原始関数を、
$$ F(x)=\frac{e^x(x^2+1)}{x+1} $$
と考える。実際、
$$ F'(x)= \frac{e^x(x^3+2x^2+3x)}{(x+1)^2} $$
である。したがって、
$$ I=F(1)-F(0) =\boxed{e-1} $$
となる。分母の平方を見たら商の微分を候補に挙げ、分子の係数比較で確認する。
問74
$$ \frac{d}{dx}(e^x\sin x) =e^x(\sin x+\cos x) $$
なので、
$$ I=\left[e^x\sin x\right]_0^{\ln2} =\boxed{2\sin(\ln2)} $$
となる。指数関数の端点値を先に確定させる。
問75
$$ t=x^2+x $$
により、
$$ I=\int_0^2\frac{dt}{1+t^2} =\boxed{\arctan2} $$
となる。二次式全体の端点値だけを保持する。
問76
$$ D=x^2+2x+4,\qquad D'=2x+2 $$
であり、分子はその二分の一である。したがって、
$$ I=\left[\sqrt D\right]_0^1 =\boxed{\sqrt7-2} $$
となる。根号内部の端点値を直接評価する。
第17段階の解説
問77
余弦の符号は、
$$ x=\frac{\pi}{2},\qquad x=\frac{3\pi}{2} $$
で切り替わる。したがって、
$$ \begin{aligned} I={}&\int_0^{\frac{\pi}{2}}\cos x\,e^{\sin x}\,dx\\ &-\int_{\frac{\pi}{2}}^{\frac{3\pi}{2}}\cos x\,e^{\sin x}\,dx\\ &+\int_{\frac{3\pi}{2}}^{2\pi}\cos x\,e^{\sin x}\,dx \end{aligned} $$
である。
$$ \frac{d}{dx}e^{\sin x} =\cos x\,e^{\sin x} $$
なので、各区間での値は、
$$ e-1,\qquad e-e^{-1},\qquad1-e^{-1} $$
となる。したがって、
$$ I=\boxed{2(e-e^{-1})} $$
である。
暗算では符号の切替点と指数関数の値だけを保持する。同じ端点の値が複数回現れたら、先に係数をまとめる。
問78
床関数の値は、一から二までで一、二から三までで二である。
$$ I=\int_1^2(2x+1)\,dx +2\int_2^3(2x+1)\,dx $$
$$ I=4+12 =\boxed{16} $$
となる。各区間で原始関数の差を計算し、その後に区間の重みを掛ける。
問79
天井関数は、零から一までで一、一から二までで二となる。ただし端点での値は積分に影響しない。
$$ I=\int_0^1x\,dx +2\int_1^2x\,dx $$
$$ I=\frac12+3 =\boxed{\frac72} $$
となる。区間ごとの重みと一次関数の積分値だけを保持する。
問80
$$ \frac{e^x}{1+e^x} +\frac{e^{-x}}{1+e^{-x}}=1 $$
である。したがって、
$$ I=\int_0^1 1\,dx =\boxed{1} $$
となる。二つの分数を別々の積分として扱わない。
問81
有限積は中間因子が相殺する。
$$ \prod_{k=1}^{n}\frac{x+k}{x+k+1} =\frac{x+1}{x+n+1} $$
さらに、
$$ \frac{x+1}{x+n+1} =1-\frac{n}{x+n+1} $$
なので、
$$ I=\int_0^1\left( 1-\frac{n}{x+n+1} \right)\,dx $$
$$ I=\boxed{ 1-n\ln\frac{n+2}{n+1} } $$
となる。有限積の最初と最後の因子だけを保持する。
第18段階の解説
問82
Wallis型の漸化式から、
$$ I=\frac45\cdot\frac23 =\boxed{\frac{8}{15}} $$
となる。奇数冪の初期値は一なので、係数の積だけを求めればよい。
問83
隣接する項が相殺する。
$$ \sum_{k=0}^{n}(x^k-x^{k+1}) =1-x^{n+1} $$
したがって、
$$ I=\int_0^1(1-x^{n+1})\,dx $$
$$ I=1-\frac{1}{n+2} =\boxed{\frac{n+1}{n+2}} $$
となる。総和の最初と最後に残る項だけを保持する。
問84
$$ \prod_{k=1}^{n}\frac{x+k}{x+k+1} =\frac{x+1}{x+n+1} $$
である。したがって、
$$ \frac{1}{x+1} \prod_{k=1}^{n}\frac{x+k}{x+k+1} =\frac{1}{x+n+1} $$
となり、
$$ I=\boxed{\ln\frac{n+2}{n+1}} $$
を得る。有限積を展開せず、相殺後の一つの分数だけを扱う。
問85
和を展開する。
$$ \begin{aligned} \frac1n\sum_{k=1}^{n} \left(1+\frac{kx}{n}\right)^2 ={}&1+\frac{2x}{n^2}\sum_{k=1}^{n}k\\ &+\frac{x^2}{n^3}\sum_{k=1}^{n}k^2 \end{aligned} $$
総和公式を適用すると、
$$ =1+\frac{n+1}{n}x +\frac{(n+1)(2n+1)}{6n^2}x^2 $$
となる。各係数は区間全体で一様に収束するので、極限と積分を交換できる。
$$ I=\int_0^1\left( 1+x+\frac{x^2}{3} \right)\,dx $$
$$ I=1+\frac12+\frac19 =\boxed{\frac{29}{18}} $$
となる。暗算では和の各項を保持せず、極限後に残る多項式の係数だけを扱う。
問86
$$ t=\sin x $$
とすると、床関数の切替値は、
$$ \frac13,\qquad\frac23 $$
である。
$$ F(t)=\arctan(e^t) $$
とおけば、
$$ F'(t)=\frac{e^t}{1+e^{2t}} $$
なので、
$$ I=F\left(\frac23\right)-F\left(\frac13\right) +2\left(F(1)-F\left(\frac23\right)\right) $$
となる。端点の係数をまとめて、
$$ I=\boxed{ 2\arctan e-\arctan(e^{\frac13})-\arctan(e^{\frac23}) } $$
を得る。切替点で同じ関数値を何度も計算しない。
第19段階の解説
問87
Wallis型の漸化式を繰り返すと、
$$ I=\frac78\cdot\frac56\cdot\frac34\cdot\frac12\cdot\frac{\pi}{2} $$
となる。約分して、
$$ I=\boxed{\frac{35\pi}{256}} $$
を得る。係数を逐次掛け切らず、積全体で約分する。
問88
$$ t=\cos x $$
とすると、
$$ \sin^3x\,dx =(1-t^2)(-dt) $$
である。端点の向きも反転するため、
$$ I=\int_0^1(1-t^2)t^2\,dt $$
となる。したがって、
$$ I=\frac13-\frac15 =\boxed{\frac{2}{15}} $$
を得る。奇数冪の一つを微分形として残し、残りを多項式へ変える。
問89
一般に、
$$ J_{m,n} =\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin^m x\cos^n x\,dx $$
とおくと、適切な正の整数について、部分積分から、
$$ J_{m,n} =\frac{n-1}{m+n}J_{m,n-2} $$
が成り立つ。
ここでは、
$$ J_{2,4}=\frac36J_{2,2} $$
である。また、
$$ J_{2,2} =\frac14\int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin^2(2x)\,dx =\frac{\pi}{16} $$
なので、
$$ I=\frac12\cdot\frac{\pi}{16} =\boxed{\frac{\pi}{32}} $$
となる。漸化式では下げる次数と分母の次数和を一組で保持する。
問90
$$ \sin^4x\cos^4x =\frac{1}{16}\sin^4(2x) $$
である。また、
$$ \int_0^{\frac{\pi}{2}}\sin^4(2x)\,dx =\frac{3\pi}{16} $$
なので、
$$ I=\frac{1}{16}\cdot\frac{3\pi}{16} =\boxed{\frac{3\pi}{256}} $$
となる。二つの冪を展開する代わりに、倍角で一つの冪へまとめる。
第20段階の解説
問91
有限和なので積分と和を交換できる。
$$ I=\sum_{k=1}^{n}\int_0^1kx^{k-1}\,dx $$
各項の積分値は一であるから、
$$ I=\boxed{n} $$
となる。すべての項を個別に評価せず、項数だけを保持する。
問92
$$ \sum_{k=1}^{n}\left( \frac{1}{x+k}-\frac{1}{x+k+1} \right) =\frac{1}{x+1}-\frac{1}{x+n+1} $$
である。したがって、
$$ I=\left[ \ln(x+1)-\ln(x+n+1) \right]_0^1 $$
$$ I=\boxed{ \ln\frac{2(n+1)}{n+2} } $$
となる。隣接する項は計算せずに消去し、両端だけを保持する。
問93
分母が二乗されても相殺の構造は変わらない。
$$ \sum_{k=1}^{n}\left( \frac{1}{(x+k)^2}-\frac{1}{(x+k+1)^2} \right) =\frac{1}{(x+1)^2}-\frac{1}{(x+n+1)^2} $$
したがって、
$$ I=\left[ -\frac{1}{x+1}+\frac{1}{x+n+1} \right]_0^1 $$
となる。
$$ I=\frac12+\frac{1}{n+2}-\frac{1}{n+1} $$
より、
$$ I=\boxed{ \frac12-\frac{1}{(n+1)(n+2)} } $$
を得る。相殺後の二つの分数だけを扱えばよい。
問94
$$ \prod_{k=1}^{n}\frac{x+k+1}{x+k} =\frac{x+n+1}{x+1} $$
である。さらに、
$$ \frac{x+n+1}{x+1} =1+\frac{n}{x+1} $$
なので、
$$ I=\boxed{1+n\ln2} $$
となる。積の中間因子を計算しない。
第21段階の解説
問95
正の実数のパラメータと非負整数の指数について、
$$ \int_0^1x^{a-1}(\ln x)^m\,dx =\frac{(-1)^m m!}{a^{m+1}} $$
が成り立つ。これは、
$$ \int_0^1x^{a-1}\,dx=\frac1a $$
をパラメータで繰り返し微分して得られる。
今回、
$$ a=\frac12,\qquad m=3 $$
なので、
$$ I=-\frac{3!}{(\frac12)^4} =\boxed{-96} $$
となる。
また、下端付近での対数冪と正の冪の積の収束性から、この広義積分は収束する。暗算では階乗、符号、分母の冪を一組で処理する。
問96
$$ t=1+x^4 $$
とすると、
$$ dt=4x^3\,dx $$
なので、
$$ I=\int_1^\infty\frac{dt}{t^2} =\boxed{1} $$
となる。無限大側の逆数は零になるため、有限端点の寄与だけが残る。
問97
$$ t=\sqrt{x},\qquad dx=2t\,dt $$
とすると、
$$ I=2\int_0^1\frac{dt}{1+t} =\boxed{2\ln2} $$
となる。下端の特異性は、この変換によって解消される。根号を一つの対象として扱う。
問98
$$ t=1+x^3 $$
とすると、
$$ dt=3x^2\,dx $$
なので、
$$ I=\frac13\int_1^2\frac{\ln t}{t}\,dt $$
となる。したがって、
$$ I=\boxed{\frac{(\ln2)^2}{6}} $$
である。端点の対数値を確定させてから平方する。
問99
分母全体を、
$$ S(x)=\sum_{k=0}^{n}(2x)^k $$
とおくと、
$$ S'(x)=\sum_{k=1}^{n}2k(2x)^{k-1} $$
である。したがって、
$$ I=\left[\ln S(x)\right]_0^1 $$
となる。
$$ S(0)=1,\qquad S(1)=2^{n+1}-1 $$
より、
$$ I=\boxed{\ln(2^{n+1}-1)} $$
を得る。有限和の各項を保持せず、その微分関係と端点の等比和を使う。
第22段階の解説
問100
原始関数を、
$$ F(x)=2\sqrt{x}(\ln x-2) $$
とする。
$$ F'(x)=\frac{\ln x}{\sqrt{x}} $$
である。また、
$$ \lim_{x\to0+}\sqrt{x}\ln x=0 $$
なので、
$$ I=F(1)-\lim_{x\to0+}F(x) =\boxed{-4} $$
となる。発散する対数と零へ向かう平方根を別々に評価せず、積全体の極限を確定する。
問101
まず収束性を確認する。
$$ \int_0^1|\ln x|\,dx<\infty $$
であり、無限大付近でも、
$$ \frac{|\ln x|}{1+x^2} \leq\frac{\ln x}{x^2} \qquad(x\geq1) $$
となるので、絶対収束する。
ここで、
$$ x=\frac1t $$
と置換すると、
$$ \begin{aligned} I &=\int_0^\infty \frac{\ln\frac1t}{1+\frac{1}{t^2}}\, \frac{dt}{t^2}\\ &=-\int_0^\infty\frac{\ln t}{1+t^2}\,dt\\ &=-I \end{aligned} $$
となる。したがって、
$$ I=\boxed{0} $$
である。暗算では元の積分が負号付きで再現されることだけを保持する。未評価の積分を計算し切る必要はない。
問102
$$ I=\left[-\frac{1}{2(1+x^2)}\right]_0^\infty $$
である。無限大側の寄与は零なので、
$$ I=\boxed{\frac12} $$
となる。極限を先に確定させ、有限端点の寄与だけを残す。
問103
$$ t=-\ln x $$
とすると、
$$ I=\int_0^\infty t^3e^{-t}\,dt $$
となる。部分積分による次数低下から、
$$ I=3\cdot2\cdot1 =\boxed{6} $$
を得る。端点での境界項は零になる。暗算では途中の積分値を保持せず、係数の積だけを扱う。
第23段階の解説
問104
$$ t=\sin x $$
とすると、積分区間は零から一になる。床関数の切替値は、
$$ \frac14,\qquad\frac12,\qquad\frac34 $$
である。したがって、
$$ I=\int_{\frac14}^{\frac12}e^t\,dt +2\int_{\frac12}^{\frac34}e^t\,dt +3\int_{\frac34}^1e^t\,dt $$
となる。端点の係数を整理して、
$$ I=\boxed{ 3e-e^{\frac14}-e^{\frac12}-e^{\frac34} } $$
を得る。切替値が増えても、保持するのは各端点の関数値と最終係数だけである。
問105
$$ t=e^{\sin x} $$
とすると、積分区間は一から自然対数の底までとなる。
$$ \frac{2+t+t^2}{(1+t)(1+t^2)} =\frac{1}{1+t}+\frac{1}{1+t^2} $$
なので、
$$ I=\left[ \ln(1+t)+\arctan t \right]_1^e $$
したがって、
$$ I=\boxed{ \ln\frac{1+e}{2} +\arctan e-\frac{\pi}{4} } $$
となる。二つの原始関数を同じ端点で同時に評価する。
問106
指数関数と根号の積を、
$$ t=e^x\sqrt{1+x^2} $$
とする。その微分は、
$$ dt=\frac{e^x(x^2+x+1)}{\sqrt{1+x^2}}\,dx $$
である。したがって、
$$ I=\int_1^{e\sqrt2}\frac{dt}{1+t^2} $$
より、
$$ I=\boxed{ \arctan(e\sqrt2)-\frac{\pi}{4} } $$
を得る。複数の因子を個別に保持せず、その積全体を一つの対象として扱う。
問107
$$ F(x)=\arctan(e^{\sin x+\cos x}) $$
とすると、
$$ F'(x)= (\cos x-\sin x) \frac{e^{\sin x+\cos x}} {1+e^{2(\sin x+\cos x)}} $$
である。絶対値の切替点は、
$$ x=\frac{\pi}{4} $$
なので、
$$ I=2F\left(\frac{\pi}{4}\right)-F(0)-F(\pi) $$
となる。
$$ F(0)=\arctan e,\qquad F(\pi)=\arctan(e^{-1}) $$
であり、
$$ \arctan e+\arctan(e^{-1})=\frac{\pi}{2} $$
を利用して、
$$ I=\boxed{ 2\arctan(e^{\sqrt2})-\frac{\pi}{2} } $$
を得る。切替点の値を二度使い、残る二つの端点値は相補関係でまとめる。
問108
$$ t=\sin x $$
とすると、積分区間は負の一から一になる。
$$ w(t)=1+\lfloor4|t|\rfloor $$
$$ g(t)=\frac{e^t}{1+e^t} $$
とおく。重みは偶関数であり、
$$ g(t)+g(-t)=1 $$
なので、
$$ I=\int_0^1w(t)\{g(t)+g(-t)\}\,dt =\int_0^1w(t)\,dt $$
となる。したがって、
$$ I=1+\int_0^1\lfloor4t\rfloor\,dt $$
であり、
$$ I=1+\frac{0+1+2+3}{4} =\boxed{\frac52} $$
を得る。
ここでは複雑な指数関数を積分していない。相補性で消去した後、床関数の区間ごとの重みだけを計算する。
第24段階の解説
問109
$$ t=x^2+x $$
とすると、
$$ dt=(2x+1)\,dx $$
$$ t:0\longmapsto2 $$
である。したがって、
$$ I=\int_0^2\frac{e^t}{1+e^{2t}}\,dt =\boxed{\arctan(e^2)-\frac{\pi}{4}} $$
となる。二次式全体を一つの対象とし、端点を更新する。
問110
$$ t=\sin x $$
とすると、区間は負の一から一になる。被積分関数は偶関数なので、
$$ I=2\int_0^1\frac{\lfloor2t\rfloor}{1+t^2}\,dt $$
である。床関数は二分の一未満では零、それ以上では一なので、
$$ I=2\int_{\frac12}^1\frac{dt}{1+t^2} $$
したがって、
$$ I=\boxed{ \frac{\pi}{2}-2\arctan\frac12 } $$
となる。対称性を利用してから切替値を処理する。
問111
$$ t=\sin x $$
とすると、
$$ I=\int_0^1\frac{1+\lfloor3t\rfloor}{1+t^2}\,dt $$
となる。
$$ F(t)=\arctan t $$
とおけば、
$$ \begin{aligned} I={}&F\left(\frac13\right)-F(0)\\ &+2\left(F\left(\frac23\right)-F\left(\frac13\right)\right)\\ &+3\left(F(1)-F\left(\frac23\right)\right) \end{aligned} $$
である。共通端点の係数を整理して、
$$ I=\boxed{ \frac{3\pi}{4} -\arctan\frac13-\arctan\frac23 } $$
を得る。区間ごとの値を独立に保持せず、最後に残る端点値だけを計算する。
問112
$$ t=\sin x $$
とすると、積分区間は零から一になる。
$$ G(t)=\ln(1+e^t)+\arctan(e^t) $$
とおけば、
$$ G'(t)= \frac{e^t(2+e^t+e^{2t})} {(1+e^t)(1+e^{2t})} $$
である。切替値は、
$$ \frac13,\qquad\frac23 $$
なので、
$$ \begin{aligned} I={}&G\left(\frac13\right)-G(0)\\ &+2\left(G\left(\frac23\right)-G\left(\frac13\right)\right)\\ &+3\left(G(1)-G\left(\frac23\right)\right) \end{aligned} $$
となる。係数をまとめれば、
$$ I=3G(1)-G\left(\frac13\right) -G\left(\frac23\right)-G(0) $$
であり、
$$ \boxed{ \begin{aligned} I={}&3\ln(1+e)+3\arctan e\\ &-\ln(1+e^{\frac13})-\arctan(e^{\frac13})\\ &-\ln(1+e^{\frac23})-\arctan(e^{\frac23})\\ &-\ln2-\frac{\pi}{4} \end{aligned} } $$
を得る。
暗算では対数と逆正接を別々の区間で積分しない。両者を一つの原始関数へまとめ、必要な四つの端点値だけを保持する。


3.5 横断演習の解答・解説

問113
$$ t=\sqrt{x+1},\qquad dx=2t\,dt $$
とすると、
$$ I=2\int_1^{\sqrt2}\frac{t}{t+1}\,dt $$
である。
$$ \frac{t}{t+1}=1-\frac{1}{t+1} $$
なので、
$$ I=2\left[t-\ln(t+1)\right]_1^{\sqrt2} $$
$$ I=\boxed{ 2(\sqrt2-1)-2\ln\frac{1+\sqrt2}{2} } $$
となる。根号を一つの対象として扱い、商と余りを処理する。
問114
$$ t=\tan\frac{x}{2} $$
とすると、
$$ I=\int_0^1\frac{dt}{t^2+t+1} $$
となる。平方完成して、
$$ t^2+t+1 =\left(t+\frac12\right)^2+\frac34 $$
なので、
$$ I=\left[ \frac{2}{\sqrt3}\arctan\frac{2t+1}{\sqrt3} \right]_0^1 $$
である。
$$ I=\frac{2}{\sqrt3}\left( \frac{\pi}{3}-\frac{\pi}{6} \right) =\boxed{\frac{\pi}{3\sqrt3}} $$
となる。平方完成後は逆正接の二つの既知値だけを保持する。
問115
分母を有理化すると、
$$ \frac{1}{\sqrt{x^2+2x+2}+x+1} =\sqrt{x^2+2x+2}-x-1 $$
となる。
$$ t=x+1 $$
とおけば、
$$ I=\int_1^2(\sqrt{t^2+1}-t)\,dt $$
である。したがって、
$$ I=\left[ \frac{ t\sqrt{t^2+1} +\ln(t+\sqrt{t^2+1}) -t^2 }{2} \right]_1^2 $$
となり、
$$ I=\boxed{ \frac{ 2\sqrt5-\sqrt2-3 +\ln\frac{2+\sqrt5}{1+\sqrt2} }{2} } $$
を得る。
暗算では根号部分、対数部分、多項式部分を分けて端点評価し、最後に統合する。
問116
部分分数分解すると、
$$ \frac{2x+3}{(x+1)(x+2)} =\frac{1}{x+1}+\frac{1}{x+2} $$
である。したがって、
$$ I=\left[ \ln(x+1)+\ln(x+2) \right]_0^1 $$
$$ I=\ln2+\ln3-\ln2 =\boxed{\ln3} $$
となる。共通する対数を先に消去する。
問117
$$ t=\ln(x^2+x+1) $$
とすると、
$$ dt=\frac{2x+1}{x^2+x+1}\,dx $$
なので、
$$ I=\int_0^{\ln3}t\,dt =\boxed{\frac{(\ln3)^2}{2}} $$
となる。二次式と対数の合成構造を一つの対象として扱う。
問118
$$ t=\arcsin x $$
とすると、
$$ dt=\frac{dx}{\sqrt{1-x^2}} $$
なので、
$$ I=\int_0^{\frac{\pi}{6}}t\,dt =\boxed{\frac{\pi^2}{72}} $$
となる。逆正弦の端点値を確定してから二乗する。
問119
$$ t=\arctan x $$
とすると、
$$ dt=\frac{dx}{1+x^2} $$
なので、
$$ I=\int_0^{\frac{\pi}{4}}t\,dt =\boxed{\frac{\pi^2}{32}} $$
となる。逆正接の端点値だけを保持する。
問120
$$ \frac{d}{dx} \left[\frac12\ln(1+\cosh2x)\right] =\frac{\sinh2x}{1+\cosh2x} $$
なので、
$$ I=\left[ \frac12\ln(1+\cosh2x) \right]_0^{\ln2} $$
である。
$$ \cosh(2\ln2)=\frac{4+\frac14}{2} =\frac{17}{8} $$
より、
$$ I=\frac12\ln\frac{25}{16} =\boxed{\ln\frac54} $$
となる。双曲線関数を指数関数へ戻して端点値を確定し、対数の係数を最後に整理する。
問121
Wallis型の漸化式から、
$$ I_n=\frac{2n-1}{2n}I_{n-1} $$
である。初期値は、
$$ I_0=\frac{\pi}{2} $$
なので、
$$ I_n=\boxed{ \frac{\pi}{2} \prod_{k=1}^{n}\frac{2k-1}{2k} } $$
となる。途中の積分値を保持せず、係数の積だけを扱う。
問122
次の二つの積分は、変数変換によって等しい。
$$ \int_0^1\frac{\sin x}{x}\,dx = \int_0^1\frac{\sin(1-x)}{1-x}\,dx $$
したがって、元の式では両者が相殺する。
$$ I=\int_0^1 2xe^{x^2}\,dx =\left[e^{x^2}\right]_0^1 =\boxed{e-1} $$
となる。
暗算では評価が難しい積分が現れても、その値をすぐに求めない。相殺されるまで未評価のまま保持することが有効である。
問123
$$ t=\sin x $$
とすると、区間は負の一から一になる。
$$ I=\int_{-1}^{1}\lfloor3|t|\rfloor\,dt =2\int_0^1\lfloor3t\rfloor\,dt $$
である。切替値は、
$$ \frac13,\qquad\frac23 $$
なので、
$$ I=2\left( \int_{\frac13}^{\frac23}1\,dt +2\int_{\frac23}^{1}1\,dt \right) $$
$$ I=\boxed{2} $$
となる。保持するのは区間の長さと床関数の値だけである。
問124
$$ t=\sin x $$
とすると、積分区間は負の一から一になる。重みと有理式が偶関数なので、正の区間へまとめる。
有理式を分けると、
$$ \frac{2+t^2}{(1+t^2)(3+t^2)} =\frac12\left( \frac{1}{1+t^2}+\frac{1}{3+t^2} \right) $$
である。
$$ F(t)=\frac12\arctan t +\frac{1}{2\sqrt3}\arctan\frac{t}{\sqrt3} $$
とおけば、
$$ F'(t)=\frac{2+t^2}{(1+t^2)(3+t^2)} $$
である。したがって、
$$ I=2\left( 3F(1)-F\left(\frac13\right)-F\left(\frac23\right) \right) $$
となる。
$$ F(1)=\frac{\pi}{8}+\frac{\pi}{12\sqrt3} $$
を用いて整理すると、
$$ \boxed{ \begin{aligned} I={}&\frac{3\pi}{4}+\frac{\pi}{2\sqrt3} -\arctan\frac13-\arctan\frac23\\ &-\frac{1}{\sqrt3}\left( \arctan\frac{1}{3\sqrt3} +\arctan\frac{2}{3\sqrt3} \right) \end{aligned} } $$
を得る。
暗算では、二つの逆正接を別々に区間評価しない。一つの原始関数として保持し、切替点での最終係数を先に確定する。
問125
$$ t=\ln(x^2+x+1) $$
とすると、
$$ dt=\frac{2x+1}{x^2+x+1}\,dx $$
である。したがって、
$$ I=\int_0^{\ln3}\frac{t}{1+t^2}\,dt $$
より、
$$ I=\boxed{ \frac12\ln\left(1+(\ln3)^2\right) } $$
を得る。合成関数全体を一つの対象として扱い、外側の対数を最後に評価する。
問126
$$ h(x)=\frac{|x|^3}{(1+x^2)^2} $$
は偶関数である。また、
$$ \frac{1}{1+e^x}+\frac{1}{1+e^{-x}}=1 $$
なので、
$$ I=\int_0^1\frac{x^3}{(1+x^2)^2}\,dx $$
となる。
$$ t=1+x^2 $$
とすると、
$$ I=\frac12\int_1^2\left( \frac1t-\frac{1}{t^2} \right)\,dt $$
である。したがって、
$$ I=\boxed{\frac{\ln2}{2}-\frac14} $$
となる。指数関数の部分を先に消去し、その後で有理式だけを扱う。
問127
$$ F(x)=\ln(1+e^{\sin x+\cos x}) $$
とすると、
$$ F'(x)= \frac{(\cos x-\sin x)e^{\sin x+\cos x}} {1+e^{\sin x+\cos x}} $$
である。符号の切替点は、
$$ x=\frac{\pi}{4} $$
なので、
$$ I=2F\left(\frac{\pi}{4}\right)-F(0)-F(\pi) $$
となる。よって、
$$ I=\boxed{ 2\ln(1+e^{\sqrt2}) -\ln(1+e)-\ln(1+e^{-1}) } $$
を得る。
暗算では切替点の値を二度使うと認識してから、三つの関数値だけを計算する。
問128
$$ t=\sin x $$
とすると、切替値は、
$$ \frac13,\qquad\frac23 $$
である。
$$ F(t)=\ln(1+e^t) $$
とおけば、
$$ F'(t)=\frac{e^t}{1+e^t} $$
なので、
$$ I=F\left(\frac23\right)-F\left(\frac13\right) +2\left(F(1)-F\left(\frac23\right)\right) $$
となる。整理して、
$$ I=\boxed{ 2\ln(1+e) -\ln(1+e^{\frac13}) -\ln(1+e^{\frac23}) } $$
を得る。
暗算では床関数の切替値と、原始関数の各端点における最終係数だけを保持する。


3.6 習得判定

本篇で重要なのは、答えを記憶することではない。解法を理解した積分について、必要な計算を正確に実行できるようになることである。
習得状況は、次の四つの観点から確認する。

  • 正確性:計算、符号、係数、端点評価を誤らないか。
  • 情報管理:何を保持し、何を捨てるべきか判断できるか。
  • 計算の圧縮:不要な展開、重複する操作、相殺される項の個別計算を避けられるか。
  • 応用:初見の係数や構造を持つ問題にも同じ操作を適用できるか。
    最初は時間を測らなくてよい。紙を使った場合には、書き出した情報が係数、符号、端点、未評価項のどれだったかを確認する。
    解法自体が分からない問題は『積分の体系化』へ戻り、解法を理解してから暗算を練習する。
    暗算の本質は、計算を無理に頭の中へ詰め込むことではない。
    数式の構造を認識し、不要な計算を発生させず、必要な情報だけを保持して、正確に結果へ到達することである。
投稿日:3日前
更新日:3日前
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