こんにちは、ベーコンです。
今回は微分の第3回です。ぜひ最後まで読んでいってください。
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x>0において、関数f(x)=\frac{\log{x}}{x}を考える
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(1)x>1の時2\sqrt{x}>\log{x}を証明し、$$\lim_{x\to\infty}\frac{\log{x}}{x} の値を求めよ$$
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(2)1,\sqrt2,\sqrt[3]3,\sqrt[4]4,\sqrt[5]5の大小を判定しなさい
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(3)e^\pi,\pi^eの大小を判定せよ
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考えたい人用空白
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解説
(1)
$g(x)=2\sqrt{x}-\log{x}とする$
$$g'(x)=\frac{1}{\sqrt{x}}-\frac{1}{x}=\frac{\sqrt{x}-1}{x}$$
$x>1の時g'(x)>0であるからg(x)は単調増加$
$g(1)=2であるからx>1のときg(x)>2$
以上より、証明完了
$x>1の時、\log{x}>0であり、2\sqrt{x}>\log{x}であるから$
$0<\log{x}<2\sqrt{x}$
$$0<\frac{\log{x}}{x}<\frac{2}{\sqrt{x}}$$
$$\lim_{x \to \infty}\frac{2}{\sqrt{x}}=0であるから、はさみうちの定理より$$
$$\lim_{x\to\infty}\frac{\log{x}}{x}=0$$
(2),(3)
$f(x)のグラフを描く$
$$f'(x)=\frac{x・\frac{1}{x}-\log{x}}{x^2}=\frac{1-\log{x}}{x^2}$$
$f'(x)=0を解くと、x=e$
増減表を書くと、
$x$ | 0 | ・・・ | e | ・・・ |
---|---|---|---|---|
$f'(x)$ | / | + | 0 | - |
$f(x)$ | / | ↗ | $\frac{1}{e}$ | ↘ |
$$\lim_{x\to\infty}f(x)=0であるから、$$
グラフを書くと、
となる
(2)
すべて正の実数であるから、eを底として対数を取っても大小関係は変化しない。つまり
$$\frac{\log{1}}{1},\frac{\log{2}}{2},\frac{\log{3}}{3},\frac{\log{4}}{4},\frac{\log{5}}{5}$$の大小を比較すれば良い
図1にプロットすると、
となる
$$\frac{\log{3}}{3}-\frac{\log{2}}{2}=\frac{2\log{3}-3\log{2}}{6}=\frac{\log{\frac{9}{8}}}{6}>0より、$$
$$\frac{\log{3}}{3}>\frac{\log{2}}{2}=\frac{\log{4}}{4}>\frac{\log{5}}{5}>\frac{\log{1}}{1}$$であるから、
$\sqrt[3]3>\sqrt[2]2=\sqrt[4]4>\sqrt[5]5>1$である
(3)
両方正の実数であるから、eを底として対数を取っても大小関係は変化しない。よって
$\pi\log{e},e\log{\pi}$と大小を比較すればよい
また、$e\pi$>0より、$e\pi$で割っても大小関係は変化しない。よって、
$$
\frac{\log{e}}{e},\frac{\log{\pi}}{\pi}の大小を比較すればよい。
$$
$f(x)はx=eで極大であるから、$
$$\frac{\log{e}}{e}>\frac{\log{\pi}}{\pi}$$である。
よって$e^\pi>\pi^e$
結構長くなってしまいましたね。うまく工夫すればグラフを書くあたりはもう少し短くできそうですが、今回はこれで良しとしましょう。
余談ですが、2013年一橋大学・後期にて(3)がまるまる出題されました。一橋大学を目指す人は頑張ってください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。