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量子論をバージョン管理しろ

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なんか、僕がずっと量子情報に対して抱いていた違和感の正体がちょっと分かった気がする。
僕は主に、JJサクライで「ちゃんと」量子力学を学んだという自己認識なのだが(ちなみに最初に触れた教科書はシッフやファインマンだったと記憶している)、このような(今となっては)「レガシースタイル」の量子論と、現代的な情報理論寄りの量子論(教科書で言うとニールセン・チャンや堀田など)の接続をしてくれる教科書があまり無いのだ(単に僕が知らないだけの可能性も否めないが)。
そのため、初めて量子情報に触れたときにいきなり測定演算子や密度演算子が出てきたのが本当に意味不明で、それらが自分の知っている(上で言う「レガシースタイル」の)量子論で言う何に対応しているか等が全く分からなかった。
というか、その時はJJサクライの内容が最新だとすら思っていた(何せタイトルが「現代の」量子力学だし)ので、まさか量子情報の方がより「アップデート」された量子論だとは考えもしなかった。
当時の僕は、量子情報をなんか最近流行ってるチャラチャラした工学の一分野ぐらいに思っていたので、そんな「工学の一分野」がなんか突然出しゃばってきて基礎論ヅラし始めたと不遜にも憤りすら覚えていたのだ。

確かに、今の世代の物理学徒にとってもはや「レガシースタイル」の量子論はノイズにしかならないし、いきなり量子情報寄りの教科書から入っても良いのかもしれないが、我々のような「レガシースタイル」で学んだ世代は一番複雑である。
前期量子論は、アレは明らかに理論体系が未完成な感ありありだったのでまだその後の「量子力学」を受け入れるのに抵抗は少なかったと思うが、JJサクライとかディラックとか読むと一見してあれで量子力学が体系として完成したかのように思えてしまうので、「その次」があるとか言われても胡散臭いオカルトにしか見えない節がある。
(だってブラケットとかクソ格好いいんだもん! アレ見たら「これが"完全体"か…」ってなるぢゃん!)

僕も今から色々勉強して、「レガシースタイル」の量子論と量子情報との接続の記事とか書きたいなあ。
とりあえず、どれが最新か分かんなくなるので今後は「現代の」とかやめて「量子力学2.0」とかにして欲しいw

投稿日:20241213
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