この記事では次の定理1の形で表される二重数列の漸化式(二変数漸化式)を扱う.
また例として二項係数と第二種スターリング数の一般項を漸化式から導出する.
二重数列
ただし,
ここで
と表せる. ただし
これは成立している.
となり成立.
となり成立.
となり成立する. 以上から示された.
定理1の状況で特に
ここで
と表せる. ただし
またさらに次が成立する.
定理1の状況で, さらに
と表せる. ただし
定理1より, 相異なる
を示せば十分. まずは
となることを示す.
となる. よって
は次数が高々
の多項式であるが, これが
次に
を
ここで, 先に示していたことから
が成立している. よって
となり示された.
定理3をより整えるために次の補題を考える.
が成立する.
補題4を用いると次の定理が示される.
定理3の状況に加え
となるとき
と表せる. ただし
定理3に
を得る.
が従う. 以上から上記の二つの式を合わせると直ちに従う.
となる. ここで
ホッケースティック恒等式
より
が従う.
を得る. 第二種スターリング数の詳しい説明については
こちら
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