三角形$ABC$に対して,$BC$と直交する方向の無限遠点をpivotとするpivotal isogonal cubicを$\mathcal{K}$とする.
$\mathcal{K}$は3頂点,2つの虚円点,内心,3つの傍心,$A$から$BC$に引いた垂線の足,$(ABC)$における$A$の対蹠点を通る.
証明は定義から容易.
初等的に書けば,$P$の等角共役点を$Q$として,
$\mathcal{K}$は$PQ\perp BC$なる点$P$の軌跡である.
$P\in\mathcal{K}\iff\measuredangle{AP}+\measuredangle{BC}=\measuredangle{BP}+\measuredangle{CP}+90^\circ$
$P$の等角共役点を$Q$,
$P$の反垂足三角形の$A$側の頂点を$P_a$,
$P$から$BP$に引いた垂線と$BC,AB$の交点を$D,X$,
$P$から$CP$に引いた垂線と$BC,AC$の交点を$E,Y$とする.
$P\in\mathcal{K}\iff \tan{\angle{PBC}}\tan{\angle{QCB}}=\tan{\angle{PCB}}\tan{\angle{QBC}}$
$\iff PD\times PY=PE\times PX$
$\iff BC||XY$
角度計算から,$\measuredangle{AP}+\measuredangle{BC}=\measuredangle{BP}+\measuredangle{CP}+90^\circ \iff A-P-P_a$
$BC||XY$ならば$\triangle{ABC}\sim \triangle{AXY}$で対応する辺が平行.
$XP||BP_a,YP||CP_a$から$ABP_aC\sim AXPY$となり,$A-P-P_a$となる.
$A-P-P_a$ならば$ABP_aC\sim AXPY$で対応する辺が平行となるため,$BC||XY$.
$\mathcal{K}$は頂点$A$における$\sqrt{bc}$-反転で不変.
任意の点$P\in \mathcal{K}$を$\sqrt{bc}$-反転した点がまた$\mathcal{K}$上にあることを示せばよい.
命題1より,$P$の等角共役点を$Q$,$P,Q$の反垂足三角形の$A$側の頂点を$P_a,Q_a$とすれば,
$A-P-P_a,A-Q-Q_a$
よって角度追跡から$\triangle{ABP_a}\sim \triangle{AQC},\triangle{ABQ_a}\sim \triangle{APC}$
よって$P_a,Q_a$は$Q,P$を$\sqrt{bc}$-反転した点.
相似から$AP_a:AQ_a=AP:AQ$ ゆえに$P_aQ_a||PQ\perp BC$.
角度追跡から$P_a,Q_a$は等角共役点の組である.
したがって,$P_a$は$\mathcal{K}$上.
次の命題を示す準備として,以下の補題を示す.
完全四辺形$ABCD$について,ミケル点を$M$,ニュートン線方向の無限遠点を$\infty$とすると,
$AM,A\infty$は$\angle{BAD}$に関して等角共役.
$AB\cap DC=E,AD\cap BC=F$とする.
四角形$BCDX$が平行四辺形となる点$X$をとれば,$C$中心の相似拡大を考えて$AX||A\infty$.
$\angle{BAD}$の二等分線に関する対称移動と$A$中心の半径$\sqrt{AB\times AD}$の反転の合成を$f$で表すと,
$f(B)=D,AB:AF=Af(F):AD$より$f(ABF)=DX$.
同様に,$f(ADE)=BX$であるから,$f(M)=X$.
したがって$AM$と$AX$は$\angle{BAD}$に関して等角共役.
$A$から$BC$に引いた垂線の足を$D$,
$(ABC)$における$A$の対蹠点を$E$とする.
$P\in\mathcal{K}$について,$\measuredangle{BPD}=\measuredangle{EPC}$
$BC$と直交する方向の無限遠点を$\infty$とする.
$P,Q$の反垂足三角形の$A$側の頂点を$P_a,Q_a$とすれば,
命題2の証明から$\sqrt{bc}$-反転により
$(B,C)(D,E)(P,Q_a)$は移りあう.
$PP_a$の中点は$BC$の垂直二等分線上,$P_aQ_a\perp BC$から
$PQ_a$の中点$M$は$BC$の垂直二等分線上.
また,$BC,DE$の中点もBCの垂直二等分線上にある.
したがって,完全四辺形$BPCQ_a$のミケル点は$A$,ニュートン線は$BC$の垂直二等分線だから
補題3より$\angle{BPC}$に関して$PA,P\infty$は等角共役.
同様にして,完全四辺形$DPEQ_a$について考えて$\angle{DPE}$に関して$PA,P\infty$は等角共役.
これより,$\measuredangle{BPD}=\measuredangle{EPC}$.