nを正の整数とし,数列{an},{bn},実数cに対して関数列fn(x)と数列{In}を以下のように定める.fn(x)=c+∑k=1n(akcoskx+bksinkx),In=∫−ππ{fn(x)−x2}2dx.このとき,不等式∑k=1n1k4≦π490を示せ.
引用: https://x.com/sakumon_circles/status/1848665608872747390
まず区間[−π, π]において{cosx, cos2x, ⋯, sinx, sin2x, ⋯}は直交性をもつ:
m, n∈Nとして∫−ππsinmxsinnxdx={0(m≠n),π(m=n),∫−ππcosmxcosnxdx={0(m≠n),π(m=n),∫−ππsinmxcosnxdx=0.
積和公式:sinmxsinnx={−cos(m+n)x+cos(m−n)x}/2,cosmxcosnx={cos(m+n)x+cos(m−n)x}/2,sinmxcosnx={sin(m−n)x+sin(m+n)x}/2を用いて積分計算すると示せる.
これと,sinkx (k∈N)は奇関数であることを用いるとIn=∫−ππ{c2−2cx2+x4+∑k=1n(ak2cos2kx+bk2sin2kx−2ak(x2−c)coskx)}dx=2πc2−4π33c+2π55+∑k=1n(ak2⋅π−bk2⋅π−4ak[(x2−c)sinkxk+2xcoskxk2−2sinkxk3]0π)=2πc2−4π33c+2π55+π∑k=1n(ak2−bk2−8ak(−1)kk2).ここでak=8(−1)kk2およびbk=46k2とおくと,In≧∫−ππ0dx=0と合わせて2πc2−4π33c+2π55−π∑k=1n96k4≧0,∑k=1n1k4≦30c2−20π2c+6π496⋅15.cは任意であったからc=π2とおくと∑k=1n1k4≦30(π2)2−20π2⋅π2+6π496⋅15=16π496⋅15=π490.
証明した不等式の左辺が,nの極限をとるとゼータ関数:ζ(s)=∑n=1∞1nsのs=4の場合の値ζ(4)になる.まさか,と思って調べてみるとどうやらζ(4)=π490らしい.なるほど面白い.
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