この記事の目標
この記事では,定義域が以上の整数全体(以後と書く)で実数全体を取る関数が,
を満たすとき,その関数の具体的な表示を求めます。そもそもこれが関数としてなのかすら怪しい(例えばが成り立つかどうか怪しい)ですが,考えていきましょう。
すぐに分かること
⛄においてを代入すれば,を得るので,またはを得ます。それぞれの場合に分けて考えます。
のとき
を求めてみます。⛄より,が成り立ちますので,が従います。他の数値も調べてみましょう。
です。また,より,
となります。次にも求めてみましょう。
したがってです。
ここまでの計算から,次の予想が出来そうです。
これを証明しましょう。そのために次の補題 1 を用意します。
を7以上の整数とする。このとき以上未満の整数が存在して,
と表せる。
補題 1
が偶数の時は,恒等式
が成り立つ。を以上と仮定しているので,はいずれも以上未満の整数である。
が奇数の時は,恒等式
が成り立ち,は以上だったから,はいずれも以上未満の整数である。
というわけで,予想が正しいことを示します。
予想の証明
のときに予想は正しい。
未満の正の整数に対して予想が正しいとする。このときであると仮定してよい。補題 1 より,ある以上未満の整数が存在して,
を満たすように取れる。についてはそれぞれ,,,が成り立つので,
であり,これらを比べることでつまり,を得る。
というわけで,ならば,⛄を満たす方程式はである(逆も明らか)ことが分かりました。
のとき
のときも何かしら規則性がないかを調べたいですので,具体的に計算していきましょう。
まずはについてですが,ですので,に限ります。
次にについても,です。もう予想できそうですね。
のときと同様の流れで,のときにであることを計算し,が以上の時は補題 1 を適用すれば帰納的に正しいことが証明される。逆も明らかである。
まとめ(感想)
というわけで今回は,⛄を満たすような関数というのを具体的に求めていきました。初等的な数字遊びでしたが楽しかったです。補題 1 が強力でしたね。
ここまで見ていただきありがとうございます!