16

すごい級数のお話

677
0

この記事では, すごい級数についてお話したいと思います.

今から書くことはネットにあったpdf ( Borwein兄弟さんの Strange Series and High Precision Fraud というものです ) とかなり内容が被ってしまうのですが, とてもすごいと思ったので書かせて頂きます. 著作権的にあれだったら注意して頂きたいです.

ちなみにこのpdfには, この記事で書くものの他にもいろいろ面白い級数とかが載っていたので, 良かったら見てみてください.


annの十進表記の各桁の和とするとき,
n=1ann(n+1)=109log10

(証明)

まず, 次が成立します.

n=0xanzn=n=0(1+xz10n+x2z210n++x9z910n)

これは, 両辺のzの係数を比べると分かると思います. 右辺で掛け合わせるときに, xの肩の数字は足されるのがポイントなんですね.

即ち, 等比数列の和なので, f(x)=1x101xとおいて
n=0xanzn=n=0f(xz10n)

となります.

x=1とすると, n=0f(z10n)=11z となります.

次に, 上の式をxで微分してみます. 右辺は対数微分(または, 積の微分)を考えて,
n=0anxan1zn=n=0z10nff(xz10n)n=0f(xz10n)
となります. ただし ff(x)=f(x)f(x) です.

この式で x=1とすることで,
n=0anzn=11zn=0z10nff(z10n)
両辺にz1を掛けてzで割って,
n=1an(zn1zn)=n=0z10n1ff(z10n)
となります.

この両辺をz:01と積分します.
01z10n1ff(z10n)dz=110n01ff(t)dt=110n[log1t101t]01=log1010n
(t=z10nとしました) なので,

n=1an(1n1n+1)=n=0log1010n
即ち
n=1ann(n+1)=109log10
を得ました.

また, z2回積分すると,
n=1(2n+1)ann2(n+1)2=5π233
のようになります.

読んで下さった方, ありがとうございました.

投稿日:20201128
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。
バッチを贈って投稿者を応援しよう

バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。

投稿者

東大数理M1

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中