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【高校数学ⅠAⅡB】y=f(x)のグラフを平行移動・拡大縮小・回転移動させたい

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初めに

関数f(x)を変形させてみたいと思ったことはあるだろうか?僕はあります。

方針

平行移動、拡大縮小、回転移動をやって行くのだが、この3つとも次に示す方針に従って行っていく。

1. (x,y)(X,Y)X=()Y=()
2. 2x,y
3. y=f(x)2.x,y

平行移動

平行移動

y=f(x)xpyq

xxpXyyqY
X=x+pY=y+q
x,y
x=Xpy=Yq

Yq=f(Xp)

平行移動

y=f(x)xpyq
yq=f(xp)

GeoGebraで出力してみる

平行移動 平行移動
黒いグラフはy=x3+3x2、赤いグラフはそれをx2,y5だけ平行させたグラフである。
つまり、y+5=(x2)3+3(x2)2y=x33x29である。

拡大縮小

拡大縮小

y=f(x)xpyq

ちなみに、縮小したい場合も本質的には同じである。(0<p,q<11<p,q)
xxpXyyqY
X=pxY=qy
x,y
x=Xpy=Yq

Yq=f(Xp)

拡大縮小

y=f(x)xpyq
yq=f(xp)

p=1yq=1x

GeoGebraで出力してみる

拡大縮小 拡大縮小
黒いグラフはy=sinx、赤いグラフはそれを原点中心にx12,y2グラフである。
y2=sin2xy=2sin2x

回転移動

回転移動

y=f(x)θ0θ<2π

(x,y)=(rcosα,rsinα)(.)
(X,Y)=(rcos(α+θ),rsin(α+θ))

X=rcos(α+θ)=r(cosαcosθsinαsinθ)=(rcosα)cosθ(rsinα)sinθ=xcosθysinθ
Y=rsin(α+θ)=r(sinαcosθ+cosαsinθ)=(rcosα)sinθ+(rsinα)cosθ=xsinθ+ycosθ

{X=xcosθysinθY=xsinθ+ycosθ
x,y
x=Xcosθ+Ysinθy=Xsinθ+Ycosθ

この連立方程式を解く際にsinθ,cosθで割る場面が出たため、θ0,π2,π,32πとそれ以外で場合分けをし、この解が成立することを示す必要がある。なお、確認すれば上の式はこれらの場合でも成り立つ。

よって、
Xsinθ+Ycosθ=f(Xcosθ+Ysinθ)

回転移動

y=f(x)θ
xsinθ+ycosθ=f(xcosθ+ysinθ)

GeoGebraで出力してみる

回転移動 回転移動
黒いグラフはy=x2、赤いグラフはそれを原点中心にπ4(45°)だけ回転移動させたグラフである。
xsinπ4+ycosπ4=(xcosπ4+ysinπ4)212x2+xy+12y2+12x12y=0
となる。

考察

x,yを上手いこと置換して計算しているだけなので、今まで考えてきた陽関数だけでなく、陰関数でも定義できそう。
また、回転移動の導出方法は、今回やった加法定理による導出以外にも、複素平面を利用したり行列を利用したりと、色々な解法があって面白かった。

投稿日:20201130
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高校数学Ⅲまで行けます 数学エンジョイ勢

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