3倍角の公式でsinxを展開する話。 まず、よく知られているように、sin3x=3sinx−4sin3xである。これより、sin3x=4sinx(34−sin2x)=4sinx(sin2π3−sin2x)=4sinxsin(π3−x)sin(π3+x).これを繰り返し使う。なお、sin(α+β)sin(α−β)=sin2α−sin2βは加法定理で容易に証明できる。sin9x=4sin3xsin3(π9−x)sin3(π9+x)=4⋅4sinxsin(π3−x)sin(π3+x) ×4sin(π9−x)sin(2π9+x)sin(4π9−x) ×4sin(π9+x)sin(2π9−x)sin(4π9+x)=44sinx∏k=14sin(kπ9−x)sin(kπ9+x).帰納的に、sin3mx=41+3+⋯+3m−1sinx∏k=11+3+⋯+3m−1sin(kπ3m−x)sin(kπ3m+x)=23m−1sinx∏k=1(3m−1)/2(sin2kπ3m−sin2x).xをx/3mで置き換えて、sinx=23m−1sinx3m∏k=1(3m−1)/2(sin2kπ3m−sin2x3m)を得る。ここで両辺をxで割ってx→0すると、sinxx→1, sinλxx→λみたいになるから、1=23m−13m∏k=1(3m−1)/2sin2kπ3mなる。これも厳密に成り立つ。これで両辺を割ると、sinx=3msinx3m∏k=1(3m−1)/2(1−sin2x3msin2kπ3m)みたいになる。これも厳密。ここでm→∞すると、3msinα3m=α⋅sinα3m/α3m→αのようになるから、分数のところで上と下にそれぞれ32mを掛けて、sinx=x∏k=1∞(1−x2k2π2)となる。ただ、kが一定じゃないのでやり方は厳密じゃない(kが項数に近い時におかしなことになる)・・正当化するにはいろいろ方法がある。差分を取って評価するとかしないといけない。証明してみたい人は・・|x−sinx|≤x36 (0≤x≤π)とか、2πx≤sinx≤x (0≤x≤π2)が参考になるかも。 複素関数論を使うとエレガントにできるとか、できないとか。
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