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双複素数のべき等元分解表示

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双複素解析入門 第2回

双複素数の集合BCとは次で表されました.
BC={Z=z1+jz2 | z1,z2C}
この集合は通常の和と積により可換環になり,零因子をもつことを前回見ました.さて,この環の元にはどのような性質があるでしょうか?実は前回紹介した零因子たちを2で割った元,
e:=1+ij2,e:=1ij2
がこの双複素解析において重要な役割を果たします.ちなみに,2つ目は「イーダガー」と読みます.この2つの零因子には次の性質があります.
e+e=1,ee=0
つまり,和は1で,互いに直交する,と思えますね.次に紹介する定理がこの双複素解析において重要な定理の一つです.

べき等元分解表示

任意の双複素数Z=z1+jz2BCe,eを用いて次のように表される:
Z=(z1iz2)e+(z1+iz2)e.
さらに,この表示は一意的である.

()=z1eiz2e+z1e+iz2e=z1(e+e)iz2(ee)=z1iz2ij=z1+jz2=Z
となる.また,一意性についてはe,eC上一次独立であることから従う.

この分解表示が,双複素関数の解析を簡単にさせるのです(これをつまらないと思うか面白いと思うかは人それぞれですけど…).

では,今日はこのあたりにしましょう.

投稿日:2020122
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投稿者

まい.
まい.
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1962
大学院修士課程まで主に解析数論(素数定理周り)の研究をしていました。今はデータサイエンス関連の仕事をしています。Xでは大学数学入門資料を投稿してます。

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