この記事では
という等式を証明したいと思います. まず,
で, 被積分関数は区間
これはよく知られた三角関数を指数関数で表すものです, これをどう使うのかというと, 次のように等比級数のように変形します.
これで, あとは項別に部分積分で,
と計算すればヨシ!と思ったかもしれません, しかし上の変形には問題があります.それは実数
が収束していないということです.どうやら等比級数が収束するのは絶対値が
となって, この実部を考えれば, 示すべき結果が得られます.
なぜ発散する級数を用いてもうまくいっているのでしょうか,その理由を考えるために,次の有限和を考えます.
これに
ここから
この第2項が
となることが示せればよいのですが,これは性質が良い関数なら成り立ちます. それが次の定理です.
実際にはもっと一般的な形で定理が成り立ちますが,ここでは上の条件の場合について証明しておきます.
部分積分により,
さて, これを用いれば,
として,
であることが分かり, 示したい式の証明が完了しました.ついでに
の虚部を考えることにより,
であることが分かり, 有名な級数,
をもちいることによって,
を得ることもできます.