この記事は Math Advent Calender 2020 の
カタラン予想(
方程式
を満たす自然数の組は
つまり、
さて、この元の問題自体はミハイレスクの解決まで未解決だったのですが、カタランによる問題の提出以前にいくつかの特殊化が確認・証明されています。例えば指数を
今回は、この問題の「底を固定した特殊化」を考え、その解答を与えます。つまり、以下の命題を証明します。
方程式
の自然数解は
解に
それでは証明をします。
まず、
この時、
一方、
よって、この場合は解
次に、
さて、
式 2. から式 1. を引いて
今、式 1. から、
実際、この式の両辺の
また、式 2. から
まず、両辺の
次に、両辺の
さて、よってこれから、
ここで、再度式
変形の最後に現れた
今、
今、等式
以上によってこの方程式の解は
最後に、せっかくなのでこの問題に自分が取り組むに至った経緯を書いておきます。
中学の2年生くらいの時に「本格的な数学の本を読んでみたい」と思い、大きめの本屋に足を運びました。その際に選んだのは「オイラー博士の素敵な数式」という本でした。非常に面白い本で、何度も見返して読んでいたのですが、その巻末の脚注の
指数固定版はしばらく考えていたのですが、結局中学・高校のうちには解決できませんでした。最終的に大学に入って、この命題に
今回の底固定版についても、指数固定版同様挑戦してはさじを投げというのを繰り返していたのですが、高校のある時におもむろに証明ができました。以来記録だけ取ってほっておいたのですが、今回また記事を書く機会があり、蔵出しと称して書き記しておくことにしました。人目に触れる機会があろうとは思いませんでした。書いたことで、よりよい証明の仕方や、ひょっとしたら証明の間違いが見つかるかもしれないなと思っています。
誤植やご意見等ございましたらぜひお寄せください。
(2023.02.11追記)
その後、ゆーのさんという方から、コメントにてより良い証明の方針及び一般化をご教示いただきました。
こちらもぜひご覧ください。
ゆーのさん、どうもありがとうございました。