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積分問題の解説(高校範囲)

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$$\newcommand{a}[0]{\alpha} \newcommand{b}[0]{\beta} \newcommand{beq}[0]{\begin{eqnarray*}} \newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{ds}[0]{\displaystyle} \newcommand{eeq}[0]{\end{eqnarray*}} \newcommand{G}[1]{\Gamma({#1})} \newcommand{g}[0]{\gamma} \newcommand{hp}[0]{\frac{\pi}2} \newcommand{limn}[0]{\lim_{n\to\infty}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{sumk}[0]{\sum_{k=1}^n} \newcommand{sumn}[1]{\sum_{n={#1}}^\infty} \newcommand{t}[0]{\theta} \newcommand{tc}[0]{\TextCenter} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

${}$

この記事では, 先日Twitterで出した, 以下の積分の問題の解答を書こうと思います.

読んでくださる方は受験生の方が多いかなと思いますので, (まあ受験で積分自体が難しい問題が出ることはほぼ無いかと思いますが) どのように解くかという考え方も少し書いてみるつもりです.


$$\beq 1.&&\hspace{10pt}\int_0^\hp\frac{\log\left(1+\sin x\right)}{1+\sin x}\,dx\\ 2.&&\hspace{10pt}\int_0^1\sqrt{x-x^4}\,dx\\ 3.&&\hspace{10pt}\int_0^\fracπ4\frac{dx}{1+2\sin^2x} \eeq$$

${}$

$\ds I_1=\int_0^\hp\frac{\log\left(1+\sin x\right)}{1+\sin x}\,dx$

これはやはり, $\log$が入っているので, 部分積分が良いでしょう. (この問題は実は$\tan\frac x2$の置換でも解けますが, どちらにしろ部分積分しないといけません.)

ということで, まずは $\ds\frac1{1+\sin x}$ の不定積分を考えてみましょう. 積分定数は省略します.

よくあるように, 分母分子に $\ds1-\sin x$ を掛けて,

$$\beq \int\frac{dx}{1+\sin x}&=&\int\frac{1-\sin x}{\cos^2x}\,dx\\ &=&\tan x-\frac1{\cos x}\\ &=&\frac{\sin x-1}{\cos x}\\ &=&-\frac{\cos x}{1+\sin x} \eeq$$
のようになります. ただし最後の行の変形では分母分子に $\ds1+\sin x$ を掛けました. これによってこの原始関数が$\ds x=\hp$で連続になるのが少し大事ですね.

従って, 部分積分を実行すれば

$$\beq I_1&=&\int_0^\hp\frac{\log\left(1+\sin x\right)}{1+\sin x}\,dx\\ &=&\left[-\log\left(1+\sin x\right)\frac{\cos x}{1+\sin x}\right]_0^\hp+\int_0^\hp\frac{\cos^2x}{(1+\sin x)^2}\,dx\\ &=&\int_0^\hp\frac{\cos^2x}{(1+\sin x)^2}\,dx \eeq$$
となります.

ここで, $\log(1+\sin x)$ の微分と $\ds\frac1{1+\sin x}$ の積分が偶然同じになっているのが面白いですね.

さらに変形することで,

$$\beq I_1&=&\int_0^\hp\frac{1-\sin^2x}{(1+\sin x)^2}\,dx\\ &=&\int_0^\hp\frac{1-\sin x}{1+\sin x}\,dx\\ &=&\int_0^\hp\left(\frac{2}{1+\sin x}-1\right)\,dx\\ &=&\left[-\frac{2\cos x}{1+\sin x}-x\right]_0^\hp\\ &=&2-\hp \eeq$$

以上より,
$$\int_0^\hp\frac{\log\left(1+\sin x\right)}{1+\sin x}\,dx=2-\hp$$
が答えとなります.
${}$

$\ds I_2=\int_0^1\sqrt{x-x^4}\,dx$

これは, まず$√$の中に3次以上の式が入っているものは基本的に積分できないというのを思い出します. すると, うまい置換があるのかなと考えられます.

$x$でくくると$1-x^3$が出てくるので, ここを$1-x^2$のようにしてみましょう.

そこで, $x\sqrt x=t$と置換します. 積分区間は $t:0\to1$ となり, $\ds\frac32\sqrt x\,dx=dt$ となります.

従って,

$$\beq I_2&=&\int_0^1\sqrt{x-x^4}\,dx\\ &=&\int_0^1\sqrt{1-x^3}\cdot\sqrt x\,dx\\ &=&\int_0^1\sqrt{1-t^2}\cdot\frac23\,dt\\ &=&\frac23\int_0^1\sqrt{1-t^2}\,dt\\ &=&\fracπ6 \eeq$$
となります. ただし最後の行で, $\ds\sqrt{1-t^2}$の積分は単位四分円の面積であることを使いました.

以上より,
$$\int_0^1\sqrt{x-x^4}\,dx=\fracπ6$$
が答えとなります.
${}$

$\ds I_3=\int_0^\fracπ4\frac{dx}{1+2\sin^2x}$

これは, 難しいと思います. 私も初見で解ける気がしないです.

とにかくまずは, $\tan$の置換だと予想してみます. しかしただ$\tan$と置換してもうまくいかないことがわかるので, 被積分関数に $\ds\frac1{\cos^2x}$が出てくるように変形してみましょう. すると,

$$\beq I_3&=&\int_0^\fracπ4\frac{dx}{1+2\sin^2x}\\ &=&\int_0^\fracπ4\frac{1}{\frac1{\cos^2x}+2\tan^2x}\cdot\frac1{\cos^2x}\,dx\\ &=&\int_0^\fracπ4\frac{1}{1+3\tan^2x}\cdot\frac1{\cos^2x}\,dx\\ \eeq$$
のように書くことができます. ただし最後の行で $\ds\frac1{\cos^2x}=1+\tan^2x$ を用いました.

これでうまく置換できそうです. $\sqrt3\tan x=\tan\theta$ とおきます. すると, 積分区間は $\ds\theta:0\to\fracπ3$, また $\ds\frac{\sqrt3\,dx}{\cos^2x}=\frac{d\theta}{\cos^2\theta}$ となるので,

$$\beq I_3&=&\int_0^\fracπ4\frac{1}{1+3\tan^2x}\cdot\frac1{\cos^2x}\,dx\\ &=&\int_0^\fracπ3\frac1{1+\tan^2\theta}\cdot\frac1{\sqrt3}\cdot\frac1{\cos^2\theta}\,d\theta\\ &=&\frac1{\sqrt3}\int_0^\fracπ3\,d\theta\\ &=&\fracπ{3\sqrt3} \eeq$$

以上より,
$$\int_0^\fracπ4\frac{dx}{1+2\sin^2x}=\fracπ{3\sqrt3}$$
が答えとなります.
${}$

読んで下さった方, ありがとうございました.

${}$

${}$

投稿日:20201212

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投稿者

東大理数B3です

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