双複素解析入門 第10回
今回は,Ringlebの定理を紹介します.ついに来ましたこの定理を紹介するときが.この定理を紹介するためだけに以前までの内容を書いていたといっても過言ではありません.
以前,双複素関数は2つの複素関数を用いて書けるということを紹介しましたが,双複素正則関数であれば,その2つの関数は複素正則関数になります.つまり,双複素正則関数を1つ扱うことは,2つの独立な複素正則関数を扱うことと同値になります.
任意の
が成り立つ.
となり,
となるから,
とおくことができる.つまり,べき等元分解したあとの
が成り立つ.よって,
Ringlebの定理により,複素正則関数の性質はそのまま双複素正則関数へと自明に拡張されることになります.べき級数展開可能性,一致の定理,解析接続の原理などはすべて双複素正則関数でも成り立ちます.これは逆に,双複素解析を面白くなくしてるともいえますが….また,この定理より次が成り立ちます.
任意の
上の正則関数に拡張できる.
任意の
これをざっくりと幾何的に説明すると,領域
今日はここまでにします.ありがとうございました.