7
大学数学基礎解説
文献あり

Christmas Suslin Tree

305
0

今日はなんとクリスマスイヴらしいですね!ということで私はクリスマスツリーとしてκ+-Suslin木を飾りたいと思います(?)。ちょうどサンタさんからプレゼントとしてκ+の定常部分集合Sκ+(S)-列κ(S)-列を貰ってます(???)。これらを材料にκ+-Suslin木を作っていきましょう!

ねえねえ、木ってなあに?

(tree) とは半順序集合T,<Tで任意のsTに対し{tTt<Ts}<Tで整列順序付けられることを言う。

Tを木とし、sTとする。ここで{tTt<Ts}の順序型をs水準 (level)といい、lv(s)と表す。またsup{lv(s)+1sT}T高さ (height)といいh(T)と表す。

Tの部分集合X (chain) であるとはX<Tで全順序付けられることであり、反鎖 (antichain) であるとは任意のs,tXに対しs<Ttでもt<Ssでもないことを言う。

基数κに対し木Tκ-Suslin木 (κ-Suslin tree) であるとは以下の条件を満たすことである。

  1. ht(T)=κ
  2. lv(s)=0となる元(根)は一意である。
  3. 任意の元sTに対して異なる二つの元t,uTが存在しlv(t)=lv(u)=lv(s)+1となる。
  4. 任意のsT,α>lv(s)に対し、あるt>Tsが存在しlv(t)=α+1である。
  5. (α<κ)[card({sTlv(s)=α})<κ]
  6. Tの任意の反鎖の濃度はκ未満である。

サンタさんからのプレゼントだよ?

定義語句(任意)

Onは順序数全体のクラス、Limは極限順序数全体のクラスとする。
順序数αに対しCα閉非有界 (closed and unbounded, club)であるとは順序位相の意味で閉集合であり、順序非有界となることである。またSα定常 (stationary) であるとは、任意のαの閉非有界集合と共通部分を持つことである。

基数κとその部分集合Sに対しκ(S)-列 (κ(S)-sequence) は以下を満たす集合の列AξξSである。

  1. Aξξ
  2. 任意の集合Aκに対し{ξSAξ=Aξ}κの定常集合になる。

基数κとその部分集合Sに対しκ(S)-列 (κ(S)-sequence) は任意のξ(κ,κ+)Limに対し以下を満たす集合の列CξξLimκ+である。

  1. Cξξの閉非有界集合である。
  2. Cξの順序型はκ以下である。
  3. 任意のζCξLimに対しζSであり、かつCξζ=Cζである。

クリスマスツリー作るよ!!

Jensen

あるκ+の定常集合Rκ+Limに対しκ+(R)-列とκ(R)-列が存在するときκ+-Suslin木が存在する。

&&&prf
SξξRκ+(E)としCξξLimκ+κ(E)-列とする。
Tの水準による制限Tαを順序数α<κ+に対して帰納的に構成する。まずT1:={0}とし、以下ではTαがすでに構成されていて、TαOnであるものとしよう。

αが後続順序数でβα=β+1であるようなものとする。T(α+1):=(Tα)+otyp(TαTβ)×2とする。追加された元は各元sTαTβに対しての異なる二つの後続元となるように順序<T(α+1)定義する。

αが極限順序数の場合を考える。まずS={{sTα(tSα)[t=st<Tαs]}if αR and Sα is antichain of Tα.Tαotherwise.
と定める。sSに対しTαの鎖csを構成しよう。sTεとなるような最小の順序数εと置く。今γ:=otyp(Cαε)とし、δii<γCαεの数え上げとする。γに対する帰納法で鎖csの元siを構成する。s0T(δ0+1)Tδ0の元でsより<Tαに対して大きいものの中で最小の順序数とする。次にi>0に対してsiを任意のj<iに対しsjより<Tαに対して大きくT(δi+1)Tδiに含まれている元で最小の順序数とする。もしそのような順序数が存在しないならそこで構成を終了する。そしてcs:={sii<γ}とする。T(α+1):=(Tα)+card(S)$($card(S)=κ+$)$<T(α+1)$$sS$$tT(α+1)Tα$$scs$$s<T(α+1)t$$cs$$T(α+1)$$T$$α<κ+Tα$$<T$$κ+$Suslin6.$T$$κ$$α<κ+$$T(α+1)$$α$$sS,iγLim$$tT(δi+1)Tδi$$j<i$$sj<Tt$$t$$δiCα$$Cα$$κ(R)$$δiR$$Cδi=Cαδi$$T(δi+1)$$S$$Tδi$$T(δi+1)$$κ+$$T$$A$$R$$κ+(R)$$αR$$Aα=Sα$$Sα$$Tα$S=\{s\in T\restriction\alpha\mid (\exists t\in S_\alpha)[t=s\lor t<_T s]\}$$であり、Tの定義から任意のTTαの元uはあるvSαに対しv<Tuとなる。よってAが反鎖である、すなわち任意の異なる元は比較不能であることからA=Aα=Sαである。しかしα<κ+でありAαの濃度はκ+未満であることから矛盾する。 &&& ## やったね。κ+-Suslin木が存在するよ! ノリと勢いで書いたので誤っている点があったら教えて下さい。ではMerry Christmas!

参考文献

[1]
Ralf, Schindler, Set Theory: Exploring Independence and Truth, Springer, 2014
[2]
Keith Devlin, Constructibility, Perspectives in Logic, Cambridge University Press, 1984
投稿日:20201224
OptHub AI Competition

この記事を高評価した人

高評価したユーザはいません

この記事に送られたバッジ

バッジはありません。
バッチを贈って投稿者を応援しよう

バッチを贈ると投稿者に現金やAmazonのギフトカードが還元されます。

投稿者

Alwe
Alwe
81
7309
@ptykes

コメント

他の人のコメント

コメントはありません。
読み込み中...
読み込み中
  1. ねえねえ、木ってなあに?
  2. サンタさんからのプレゼントだよ?
  3. クリスマスツリー作るよ!!
  4. 参考文献