お疲れ様です,natuです.今回は単位円2ということで残された五心である内心と傍心について書こうと思います.しかし,この内心・傍心,あまり使いません.大事になるのは内心・傍心の話をする上での注意点です.話が難しいかもしれないのでだるかったらスルーしても構いません.また.内心・傍心だけではあまりにも内容がないようなのでこれを話す前に図形問題の重要な定理である円周角の定理および接弦定理また,回転因子について書こうと思います.それでは,どうぞ.
円周角の定理を複素座標でも使いたいですね.ということで円周角の定理の主張を複素座標の言葉で言い換えていきます.
4点
これでいいですね!
4点
また,これを用いて複素数
繰り返しになりますが,この記事で角度というと特に断らない限り符号付き角(有向角)を言います.実際に図を描いて
さて,次は接弦定理です.三角形
三角形
三角形
これらの定理,特に円周角の定理は証明問題のとどめを刺す要員としてよく使われます.
さあここからが本題,厄介な内心・傍心を扱います.なぜ厄介かというと,これらの点は”角の二等分線”から作図されるからです.角の二等分線は内角,外角を考えると2通りあります.図ではなく式からアプローチする複素座標では角の二等分線が内角のことなのか外角のことなのか判断しづらいのです.厄介ですね…
実は偏角を考えるといい感じです.できるだけ状況を限定したいので
4点
さて,この状況で弧
こうすると
直線
a
内心が求められるなら傍心も求められるでしょう,ということで求めていきます.
直線
直線
2式より
同様にして
ここまでの議論をまとめます.見やすいように
"うまく
なぜでしょうか?余力があれば考えてみてください.
この節では普段問題を解くときに使っている"回転"について"回転因子"(とnatuが勝手に呼んでいる)なる複素数を導入します.簡単な話ですので息抜きだと思ってください.
当たり前なこととして
証明は簡単なので練習問題とします.
第3式は
また,
また,問題を解くときは
証明は簡単です.
さて,この"回転因子"を使って任意の点を中心に任意の点を回転移動させましょう.
すなわち点
回転の中心を原点に持ってくるためにすべての点を
a
これでいいですね! ということでまとめます.
繰り返しになりますが回転因子を用いて解くことが望ましい問題はめったにありません.
難角問題をゴリ押すのには役に立つかもしれませんね.
余談ですが,"回転因子"という言葉はnatuの思い付きで命名しました.調べると,類似の概念がすでにあるようで,フーリエ変換(??)に用いられているようです.さっぱりわかりません
今回紹介した諸定理を使う問題を探すのは大変で,あまり多くの問題を用意することができませんでした.ただ,円周角の定理だけはよく使います.
図のように2つの正五角形と1つの正方形が組み合わさっているとき,3点
a
三角形
円
正9角形
三角形
今回は新しい定理が少ないです.しかし,これで主要な定理は出尽くしました.あとは研鑽あるのみです.ということで次回は実際に問題を解くときのテクニックなどを書きます.問題も難しくなりますよ…
それでは,お疲れさまでした.