複素数$e^{inx}$について、次のような直交性が存在する。
$$
\frac{1}{2\pi} \int_{-\pi}^{\pi}e^{i(n-m)x}dx\ =\delta_{nm}
$$
また、この式は次のように示すこともできる。
$$
\frac{1}{2\pi} \int_{-\pi}^{\pi}(e^{imx})^{*}e^{inx}dx\ =\delta_{nm}
$$
この時、複素数$Z$の複素共役を$Z^{*}$とする。
今回の場合、最終的な解がクロネッカーのデルタ$\delta_{nm} $の為、$n=m$とした時と$n \neq m $とした時で分けて証明する。
与式$\frac{1}{2\pi} \int_{-\pi}^{\pi}e^{i(n-m)x}dx\ $について、$n=m$なので$ n - m=0 $となる。よって
$$
\frac{1}{2\pi} \int_{-\pi}^{\pi}e^{0ix}dx\ =\frac{1}{2\pi} \int_{-\pi}^{\pi} dx\ =1
$$
よって$n=m$の時$1$となる。
与式をそのまま計算すると、
$$
\frac{1}{2\pi} \int_{-\pi}^{\pi}e^{i(n-m)x}dx\ = \frac{1}{2\pi} \frac{1}{i(n-m)} [e^{i(n-m)x}]_{-\pi}^{\pi}=\frac{1}{2\pi} \frac{1}{i(n-m)}(e^{i(n-m)\pi}-e^{-i(n-m)\pi})=0
$$
となる。さて、最後の変形について疑問に思う方もいるだろうが、複素数なので
$$
e^{\pm in\pi}=\cos{n\pi}\pm i\sin{n\pi}
$$
と示せる。$n$は自然数が入る為、この解は$(-1)^n$となる。よって、$e^{i(n-m)\pi}-e^{-i(n-m)\pi}=(-1)^{n-m}-(-1)^{n-m} =0 $となる。
よって、$n \neq m $の時解は$0$となる。
以上より、式$\frac{1}{2\pi} \int_{-\pi}^{\pi}e^{i(n-m)x}dx\ $の解は$n=m$の時$1$、$n \neq m $の時$0$となる為、$\delta _{nm}$となることが分かる。