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大学数学基礎解説
文献あり

複素数の直交性

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複素数の直交性の公式

複素数einxについて、次のような直交性が存在する。
12πππei(nm)xdx =δnm
また、この式は次のように示すこともできる。
12πππ(eimx)einxdx =δnm
この時、複素数Zの複素共役をZとする。

直交性の証明

 今回の場合、最終的な解がクロネッカーのデルタδnmの為、n=mとした時とnmとした時で分けて証明する。

n=mの場合

 与式12πππei(nm)xdx について、n=mなのでnm=0となる。よって
12πππe0ixdx =12πππdx =1
よってn=mの時1となる。

nmの場合

 与式をそのまま計算すると、
12πππei(nm)xdx =12π1i(nm)[ei(nm)x]ππ=12π1i(nm)(ei(nm)πei(nm)π)=0
となる。さて、最後の変形について疑問に思う方もいるだろうが、複素数なので
e±inπ=cosnπ±isinnπ
と示せる。nは自然数が入る為、この解は(1)nとなる。よって、ei(nm)πei(nm)π=(1)nm(1)nm=0となる。
よって、nmの時解は0となる。

結果

以上より、式12πππei(nm)xdx の解はn=mの時1nmの時0となる為、δnmとなることが分かる。

参考文献

[1]
井町昌弘,内田伏一, フーリエ解析, 物理数学コース, 裳華房, 2001, p.27
投稿日:20201228
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投稿者

lent
lent
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どこにでもいるような普通の人。自身の学習の意も込めて書いている為、たまに突拍子も無い文になることがあるので注意(めんどくさくなったからという時もある)

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