私の名前はpepper。コカ・コーラ社の清涼飲料水に、softbankの人型ロボット。君の名前は?
さて、今回はメネラウスの定理の多次元への一般化について書きます。はじめに、メネラウスの定理というのはこんなやつです。
任意の三角形$ABC$と直線$g$について、直線$BC,CA,AB$が$g$とそれぞれ$P,Q,R$で交わっているとき
\begin{align*} \frac{BP}{PC}\cdot\frac{CQ}{QA}\cdot\frac{AR}{RB}=1 \end{align*}
が成立する。
メネラウスの定理の証明は、面積を追えばすぐです。
\begin{align*} \frac{BP}{PC}\cdot\frac{CQ}{QA}\cdot\frac{AR}{RB} =\frac{\triangle BPR}{\triangle CPR}\cdot\frac{\triangle CPR}{\triangle APR}\cdot\frac{\triangle APR}{\triangle BPR}=1 \end{align*}
これでわからない人も、図を描いて追えばすぐ分かると思います。
さて、この記事の本題はここからです。今回紹介するのは、次のような定理です。
$n$を$2$以上の整数とする。$n$次元空間内のある$n+1$個の点$A_1,A_2,\dots,A_{n+1}$の内、どの$i+1(1\le i \le n)$個の点も全てが同じ$i$次元以下の部分空間に含まれることはないとする。このとき、$n-1$次元空間$T$と直線$A_1A_2,A_2A_3,\dots,A_{n+1}A_1$の交点を$P_1,P_2,\dots,P_{n+1}$とすれば、
\begin{align*} \frac{A_1P_1}{P_1A_2}\cdot\frac{A_2P_2}{P_2A_3}\cdot\hspace{2pt}\cdots\hspace{2pt}\cdot\frac{A_{n+1}P_{n+1}}{P_{n+1}A_1}=1 \end{align*}
が成立する。
場合分けが面倒なので、射影平面で議論していこうと思います。
$n=2$のとき、これはメネラウスの定理そのものである。
ある$2$以上の整数$k$が存在して$n=k$で成立すると仮定し$n=k+1$の場合を考える。
直線$A_1A_k$と$T$の交点を$Q$とする。このとき、仮定とメネラウスの定理より
\begin{align*} \frac{A_1P_1}{P_1A_2}\cdot\frac{A_2P_2}{P_2A_3}\cdot\hspace{2pt}\cdots\hspace{2pt}\cdot\frac{A_{k-1}P_{k-1}}{P_{k-1}A_k}\cdot\frac{A_kQ}{QA_1}=1 \hspace{10pt},\hspace{10pt}\frac{A_{1}Q}{QA_{k}}\cdot\frac{A_{k}P_k}{P_kA_{k+1}}\cdot\frac{A_{k+1}P_{k+1}}{P_{k+1}A_{k+1}}=1 \end{align*}
がそれぞれ成立する。よって、左辺同士・右辺同士をそれぞれかけることで$n=k+1$の場合にも主張を満たすことが分かる。$\Box$
案外あっさりですね。