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元日算額解説〜弐の巻・完〜

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第2章です。今回は前回証明した補題を変形して用います。
現在解いている問題↓
問題 問題

$図1$のように$3円O_1, O_2, O_3$はそれぞれ$△ABC, △ABP, △APC$の内接円とする。$また、頂点Aから辺BC$に下ろした垂線の$足をHとする。$$このとき、 円 O_1, O_2, O_3$の半径を$それぞれ r_1, r_2, r_3とし、$$AH = h とするとき、$

$h(r_2+r_3-r_1)-2r_2r_3=0$
である。
画像1 画像1 図1

証明を見たい方は〜壱の巻〜をご覧ください。
では始めます。

まず最初に(ここが一番大事ですが)
$h(r_2+r_3-r_1)-2r_2r_3=0$

$(1-\frac{2r_1}{h})= (1-\frac{2r_2}{h}) (1-\frac{2r_3}{h})…€$
に変形します。
展開すれば二つの式が等しいことがわかります。
何と美しいことか。
野暮かもしれませんが解説しましょう。
これのどこが嬉しいかというと、

$r_1,r_2,r_3$の形が1つに揃う
②左辺と右辺で明確な半径の区別がされる
③シンプルで汎用性が高い
といったところでしょうか。

ここまでくればもう一息です。
(問題再掲)
問題 問題

問題図改 問題図改 図(改)
ここで簡単のため、上図における(大円、子、丑、甲、乙、丙、丁)の半径をそれぞれ(大、子、丑、甲、乙、丙、丁)の文字で置くこととします。
$€$より上図において、
$(1-\frac{2大}{勾})=(1-\frac{2子}{勾})(1-\frac{2丑}{勾})$,
$(1-\frac{2丑}{勾})=(1-\frac{2甲}{勾})(1-\frac{2乙}{勾})$
$(1-\frac{2子}{勾})=(1-\frac{2丙}{勾})(1-\frac{2丁}{勾})$が成り立ちます。
これらの式を合わせて、
$(1-\frac{2大}{勾})=(1-\frac{2甲}{勾})(1-\frac{2乙}{勾})(1-\frac{2丙}{勾})(1-\frac{2丁}{勾})$を得ます。
最後に甲=3,乙=1,丙=4,丁=3,勾=24を代入して解くことで、
大=$\frac{63}{8}$
よって求める大円の半径は$\frac{63}{8}$です。

いかがでしたでしょうか?1月3日時点で$Twitter$上で確認している正解者は2名のみですが、
少しでも多くの方に楽しんでいただけたならば幸いです。
より良い解法、改善点等あれば遠慮なくどうぞ。

以上でUFDの解説を終了とさせていただきます。

ありがとうございました。

投稿日:202113
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