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二項係数とn乗根

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以下の値の求め方を解説してみます。

An=k=0n(3n3k)
Bn=k=0n1(3n3k+1)
Cn=k=0n1(3n3k+2)

ここで(nk)
はnCkを表します

題材は1995年度の東大数学後期第1問です

(1+x)^3n
=k=03n(3nk)xk
ですから、x=1,ω,ω^2を上式に代入して辺々足すと
3An=(1+1)3n+(1+ω)3n+(1+ω2)3n=8n+2Re((1+ω)3n)
(1+ω)3n=(1+cos23π+isin23π)3n=2cosπ3(cosπ3+isinπ3)3n=cosnπ+isinnπ
より、Re((1+ω)3n)={1(n:even)1(n:odd)
An={13(8n+2)(n:even)13(8n2)(n:odd)
また、(1+1)^3n,ω^2×(1+ω)^3n,ω×(1+ω^2)^3nの辺々足すと
3Bn=(1+1)3n+ω2(1+ω)3n+ω(1+ω2)3n=8n+2Re(ω2(1+ω)3n)
2Re(ω2(1+ω)3n)=2cos3n23π={1(n:odd)1(n:even)
Bn={13(8n+1)(n:odd)13(8n1)(n:even)
同様に(1+1)^3n,ω×(1+ω)^3n,ω^2×(1+ω^2)の辺々たすと 
Cn={13(8n+1)(n:odd)13(8n1)(n:even)
このようにk=(npk+q)
の形で表される二項係数の和は、modpでの分離を考え、二項定理のxに1のp乗根を代入することにより求めることが可能です。
また、ほかの解法として隣接2項間の連立漸化式などでも解くことが可能です(東大では、こちらの誘導で出していました)
最後にちょっとした応用問題です

k=1n(3n3k1)2k

この値を求めてみてください
解答は次回

投稿日:202116
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高3らしいです

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