以前、生徒から出題された問題を紹介します。
生徒から出題されたオリジナルの問題では、分母がでした。
この場合も解けないことはないのですが、かなり面倒になるので、マスターデーモンとして有名なにしてみました。
が整数なら、も整数となります。
は常に奇数なので,仮定を満たすようなは偶数ではない.
が奇数のとき,より
も整数である.
とする.
を以上の奇数とする.
の素因数のうち最小の素数をとしてとおく.
Fermatの小定理より,
よって
でのの位数をとする.
すなわちをを満たす最小の正の整数とする.
はおよびの約数である.
が奇数と仮定すると,は奇数なので,はの約数である.すると,
となり矛盾する.
よっては偶数であり,とおくとはの約数である.
はの約数なのでより小さく,もまたより小さい.
の素因数のうち最小の素数をとしてとおいたので,の素因数は以上である.
したがってとなるので,より
奇素数について,Fermatの小定理により,,より,である.
がの素因数ならば,である.
がの素因数ならば,である.
証明は楽ではありませんが、挑戦してみると面白いと思います。出題してくれた生徒は「LTEの補題」を使って解いたそうです。私は知りませんでしたが、数学オリンピックでは定石の手法らしいです。
次に、私から生徒に向けて出題した問題を紹介します。
私はこの問題を解くのに相当な労力と時間を費やしましたが、本校の生徒は数日で解答を作ってきました。この問題のもとになっているのは「カタラン予想」です。
現在は証明されて定理となっています。
以下の補題は、通称「LTEの補題」と呼ばれています。
Lifting The Exponent Lemma
整数がでちょうど回割れるとき,と表す.
を奇素数,はの倍数かつはの倍数ではないとき,
が成り立つ.
この補題を使って問題2を解いてみましょう。
まず、が奇素数の場合を考える。
が以上のとき、より、は正の値をとる。
とおくと、となるので、より、となる。よって、となるが、これは矛盾である。なぜなら、は以上なので左辺はを超える。
のとき、となるので、は奇数である。
なぜなら、が偶数だと、と因数分解すると、がの倍数ということになり矛盾が生じる。
が奇数なら、と因数分解できる。
は奇数となるので、が成り立つためには、でなければならない。は以上としているので、この場合は解がない。
次にとする。よりは奇数である。
が偶数となるので、は偶数でなければならない。
とおくと、となる。
このような式が成立するのは、のみである。