直角三角形の2つの頂点を焦点に持ち、斜辺上のある一点を通るような楕円を2つとる。それらのもう一つの共有点が、直角三角形の外接円上にあるようなものを考えてみた。 GeoGebra に図を載せたので参照のこと。
外接円の半径は$1$として考える。辺の長さは$\mr{BC}=a$,$\mr{AC}=b$とおく。$\mr{AP}=1+t$, $\mr{BP}=1-t$とする。なおこのとき$-1< t<1$。$\mr{CP}=p$, $\mr{CD}=k$, $\mr{BD}=c$, $\mr{AD}=d$とそれぞれおく。$\angle\mr{BAC}=\theta$とする。
直角三角形の取り方と、斜辺上の楕円が通る点に自由度があるので、楕円の交点が外接円上にあるための条件を、$t,\theta$の関係式で表すことを目指してみる。
楕円の性質から、$p+1+t=k+d$, $p+1-t=k+c$だから、$2t=d-c$。$\triangle\mr{ABD}$は直角三角形だから、$c^2+d^2=4$。これらから$d$を消去できて、$c>0$に注意すると、$c=\sqrt{2-t^2}-t$である。また$d=\sqrt{2-t^2}+t$も従う。
四角形$\mr{ABDC}$(あるいは点の取り方によっては四角形$\mr{ABCD}$)についてトレミーの定理によって、$2k+bc=ad$が成り立つ。また$a=2\sin\theta$, $b=2\cos\theta$であるから、
\begin{aligned}
k=(\sqrt{2-t^2}+t)\sin\theta-(\sqrt{2-t^2}-t)\cos\theta
\end{aligned}
続いて$\triangle\mr{APC}$について余弦定理によって
\begin{aligned}
p^2&=(1-t)^2+b^2-2b(1-t)\cos\theta \\
&=t^2-2t\cos2\theta+1
\end{aligned}
以上によって$p,k$が$t,\theta$で表せたので、
\begin{aligned}
& p+1+t=k+d \\
\Leftrightarrow \quad & \sqrt{t^2-2t\cos2\theta+1}\,+t+1=(\sqrt{2-t^2}+t)(\sin\theta+1)-(\sqrt{2-t^2}-1)\cos\theta
\end{aligned}
あまりにも長大な式なので
WolframAlpha
に計算してもらった($t\to x, \theta\to t$と置き換えている)。$-1< t<1$に注意して、
\begin{aligned}
t=\frac{1}{2}\left(\sin\theta+\cos\theta+\cos2\theta\pm\sqrt{(\sin\theta+\cos\theta+\cos2\theta)^2+4(\sin\theta-\cos\theta)-2\sin2\theta}\right)
\end{aligned}
と解けた。グラフを
Desmos
で描画した($t$は縦軸、$\theta$は横軸)。$-1< t<1$, $0<\theta<\dfrac{\pi}{2}$であることには注意する。$\theta$が$\dfrac{\pi}{6}$を少し超えたところで$t$が2つの値を取りうる。
我ながらなぜこのようなことをやろうと思ったのかよくわからないし、とくにこの先の展望もないのでここにメモを残す。