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2004年JMO本選第2問を解いてみた

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最近しばらく数学してなくて, 久しぶりになにかおもしろい問題が解きたい気分になったので, 僕がまあまあ得意な関数方程式を解きたいと思います.

問題

f(x)は実数に対して定義された実数値をとる関数であって, すべての実数x,yに対して
f(xf(x)+f(y))=f(x)2+y
が成立する. f(x)としてありうるものをすべて求めよ.

解答

  1. まず任意のaRに対し, y=af(x)2とすると,
    f(xf(x)+f(af(x)2))=a
    なので, fは全射である.
  2. fは全射なので, f(a)=0となるaRが存在する. 与えられた式でx=aとすると,
    f(f(y))=y
    である.
  3. 上の式をもちいて,
    f(xf(x)+f(y))=f(x)2+y において, xf(x)に置き換えることにより,
    f(xf(x)+f(y))=x2+y
    これらを合わせて, f(x)2=x2
  4. ともに0でないa,bRがあって, f(a)=a,f(b)=bであるとする. このとき, 与えられた式でx=a,y=bとすると, f(a2b)=a2+b. 一方, 任意のf(a2b)=a2bまたはf(a2b)=a2+bであるが, これはa,b0に矛盾. よって, 解の候補はf(x)=xf(x)=xの2つであり, これらが実際に満たすことは容易にわかる.

感想

意外とすんなりいった気がします.

投稿日:2021117
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投稿者

Wataru
Wataru
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超幾何関数, 直交関数, 多重ゼータ値などに興味があります

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