フィボナッチ数列は以下の問題がもとになったものである。
ある男が生後間もない1番の兎を囲いの中に飼い始めた。この兎は生後2か月目から毎月1番の子を生む。このとき、1年後にウサギは何番になるか。
さて、次のような問題を考えてみよう。
ある男が生後間もない1番の兎を囲いの中に飼い始めた。この兎は生後2か月目から毎月$\textcolor{red}{2}$番の子を生む。このとき、1年後にウサギは何番になるか。
この問題を解くのはそう難しいことではありません。 問題1と同様 に考えれば2731番となることがわかります。
問題2から導かれる数列の一般項を求めてみましょう。この数列をとりあえず$(F'_n)$とでもします。フィボナッチ数列と同様に考えれば、漸化式は$$
F'_{n+2}=F'_{n+1}+2F'_{n}
$$となります。$$\mbox{今月の数}=\mbox{前月の数}+\mbox{それぞれの番が生む数}\times\mbox{成人している番の数}$$というわけです。
これは簡単な隣接三項間漸化式ですから一般項を求めることは容易です。
$(F'_n)$の一般項は以下の通り
$$
F'_n=\frac{2^n-(-1)^n}{3}
$$
では毎月の出生数について一般化しましょう。ウサギの問題は以下のようになります。
ある男が生後間もない1番の兎を囲いの中に飼い始めた。この兎は生後2か月目から毎月$\textcolor{red}{k}$番の子を生む。このとき、1年後にウサギは何番になるか。
実際に1年後のウサギの数を求める必要はないでしょう。$n$か月目の番の数を$F_k(n)$とします。すると漸化式は$$\mbox{今月の数}=\mbox{前月の数}+\mbox{それぞれの番が生む数}\times\mbox{成人している番の数}$$ということを考えれば$$ F_k(n+2)=F_k(n+1)+kF_k(n) $$となります。
多産数列$(F_k(n))$を以下の漸化式で定める。$$ F_k(n+2)=F_k(n+1)+kF_k(n),\ F_k(1)=F_k(2)=1 $$
やはり簡単な隣接三項間漸化式ですから、一般項も容易に求まります。
$(F_k(n))$の一般項は以下の通り
$$
F_k(n)=\frac{1}{\sqrt{4k+1}}\left(\left(\frac{1+\sqrt{4k+1}}{2}\right)^n-\left(\frac{1-\sqrt{4k+1}}{2}\right)^n\right)
$$
実際に$k=1,2$を代入してみれば、フィボナッチ数列や、定理1の一般項が出てくるでしょう。
ところで、「多産数列」という呼称、作ったはいいもののあまり気に入ってません。何かいい案ありませんか?