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Fibonacci数の6乗和

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はじめに

私が見つけたFibonacci数(またはそれに関係するもの)の公式は, 公表されたものだけでも130を超える.
2008年6月に何気なくFibonacci数と戯れる中で得られたある結果に対して3,4日位とても大きな興奮がつづいた. もう1度味わいたくて, その後10年以上つづけているがそこまでの興奮を得ることはない.
もちろん, あのときの興奮を他人と共有できるとは思っていないが、そのことを想像しながらこの記事を読んでいただけるとありがたい.

Fibonacci数の6乗和公式 (old and new)

この記事では新しい「Fibonacci数の6乗和公式」を紹介する. 以下, $n$番目のFibonacci数, Lucas数をそれぞれ$F_{n}, L_{n}$で表す.
Fibonacci数の和と平方和はの結果は, 以下のように非常に簡単な形になることはよく知られている.
$\displaystyle  \sum_{k=1}^{n}F_{k}=F_{n+2}-1,$
$\displaystyle  \sum_{k=1}^{n}F_{k}^2=F_{n}F_{n+1}.$
ところが, 3乗和以降は複雑になっていく. 2008年時点でのOEISにあるFibonacci数の6乗和の公式は以下の通りであった.
 $\displaystyle \sum_{k=1}^{n}F_{k}^6=\frac{1}{500}(F_{6n+1}+3F_{6n+2}-(-1)^n(16F_{4n+1}+8F_{4n+2})-60F_{2n+1}+120F_{2n+2}-40(-1)^n).$
この6乗和公式と比べれば, 次の公式は非常に簡単できれいだと思っていただけるであろう.

Fibonacci数の6乗和公式 New!

自然数$n$に対して,
 $\displaystyle \sum_{k=1}^{n}F_{k}^6=\frac{F_{n}^5F_{n+3}+F_{2n}}{4}.$

以下の既知の公式を利用する.
(i) $F_{n}L_{n}=F_{2n},$  (ii) $F_{n+1}+F_{n-1}=L_{n},$ (iii) $F_{n+m}+(-1)^mF_{n-m}=F_{n}L_{m},$
(iv) $F_{n-2}F_{n-1}F_{n+1}F_{n+2}=F_{n}^4-1$ (Gelin-Ces$\grave{a}$ro identity).

$\displaystyle 0=\sum_{k=0}^{n}F_{k-2}F_{k-1}F_{k}F_{k+1}F_{k+2}F_{k+3}-\sum_{k=1}^{n+1}F_{k-3}F_{k-2}F_{k-1}F_{k}F_{k+1}F_{k+2}$
$\displaystyle =\sum_{k=1}^{n}F_{k-2}F_{k-1}F_{k}F_{k+1}F_{k+2}(F_{k+3}-F_{k-3})-F_{n-2}F_{n-1}F_{n}F_{n+1}F_{n+2}F_{n+3}$
$\displaystyle =\sum_{k=1}^{n}(F_{k}^4-1) \cdot F_{k} \cdot F_{k}L_{3}-F_{n}F_{n+3}(F_{n}^4-1)$ (by (iii) and (iv))
$\displaystyle =4\sum_{k=1}^{n}(F_{k}^6-F_{k}^2)-F_{n}F_{n+3}(F_{n}^4-1)=4\sum_{k=1}^{n}F_{k}^6-4F_{n}F_{n+1}-F_{n}^5F_{n+3}+F_{n}F_{n+3}.$
よって,
 $\displaystyle \sum_{k=1}^{n}F_{k}^6=\frac{F_{n}^5F_{n+3}+F_{n}(4F_{n+1}-F_{n+3})} {4}.$
ここで, $4F_{n+1}-F_{n+3}=3F_{n+1}-F_{n+2}=2F_{n+1}-F_{n}=F_{n+1}+F_{n-1}=L_{n}$ (by (ii)).
したがって,
 $\displaystyle \sum_{k=1}^{n}F_{k}^6=\frac{F_{n}^5F_{n+3}+F_{n}L_{n}}{4}=\frac{F_{n}^5F_{n+3}+F_{2n}}{4}$(by (i)).  $\blacksquare$

同様の手法でLucas数の6乗和の公式も導出できる.

Lucas数の6乗和公式 New!

自然数$n$に対して,
 $\displaystyle \sum_{k=1}^{n}L_{k}^6=\frac{L_{n}^5L_{n+3}+125F_{2n}}{4}-32.$

※ この結果はその年に行われた THE THIRTEENTH INTERNATIONAL CONFERENCE ON FIBONACCI NUMBERS AND THEIR APPLICATIONS で発表した. なお, Proceedingsは2010年に出版されている.
 ※ 2013年にGary Detlefs氏が定理1の公式をOEISのA098532に追加している.

ところで, 2024年現在, Fibonacci Quarterlyに問題を150題以上提供し続けている. 過去に作成したお気に入りの問題をXに載せているので興味のある方は是非ご覧ください. https://twitter.com/Fibonacci_fun
また, フォローもよろしくお願いします.

投稿日:2021123
更新日:43

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