示すべき命題(というよりも,実数 $a$ に関する条件)を論理式で表すと次のようになる。
$(\forall\varepsilon.\varepsilon>0\to a\le\varepsilon)\to a\le 0$.
これは次と同値である。
$\neg (\forall\varepsilon.\varepsilon>0\to a\le\varepsilon)\lor a\le 0$.
これは次と同値である。
$a\le 0\lor (\exists\varepsilon.\neg(\neg(\varepsilon>0)\lor a\le\varepsilon))$.
これは次と同値である。
$\neg(a>0)\lor(\exists\varepsilon.\varepsilon>0\land a>\varepsilon)$.
これは次と同値である。
$a>0\to(\exists\varepsilon.\varepsilon>0\land a>\varepsilon)$.
これはつまり示すべき命題(条件)の対偶であって,どんな正の実数に対しても,
それより小さい正の実数が存在する,という主張に他ならない。
そしてこの対偶は,$\varepsilon:=\frac{a}{2}$ と取れば,
$0<\frac{a}{2}< a$ であるから真であることが直ちにわかる。$\blacksquare$