この記事では冪乗和を表すベルヌーイの公式
の、微分作用素を使った証明を紹介します.ここで紹介する導出法は「なぜ冪乗和の公式にベルヌーイ数や二項係数が現れるのか」についてコンセプチュアルな説明ができるという点でも優れています.
変数
により自然に
実は
多項式
特に
冪乗和
を満たす多項式
となり、冪乗和の計算は
と表せます.しかしこのままでは解を見つけるのが難しいので、代わりに
の解を探すことにします.なぜこちらの方が簡単に解が見つかるのかはこの後すぐにわかります.
なので
これを用いて冪乗和を表してみましょう.上記のように
となります.これがベルヌーイの公式の元となる式です.
ベルヌーイ多項式は通常
で定義されます.この式を上の定義から導いてみましょう.
まずベルヌーイ多項式の定義
となります.これを
が得られます.
ベルヌーイ多項式は
があります.左辺は
となります.左辺は
と変形できるので、次の命題が得られます.
これはベルヌーイ多項式に対する二項定理の類似と思うことができます.
ベルヌーイ多項式の
が得られます.既に示した冪乗和の公式
となります.これがベルヌーイの公式です.
以上をまとめると次のようになります.
-差分方程式
-上のような
-ベルヌーイ多項式に対する「二項定理」を使うことでベルヌーイ数による表示が得られる.これがベルヌーイの公式である.