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解答:公比が 0 より大きく 1 より小さい等比数列の極限

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ぼやき

あー,問題文も書き写しておく方が使い勝手が良いな・・・。

出題者が想定している前提知識

  1. 下に有界な単調減少列は収束列である。

  2. $(a_n)$ が収束列ならばその部分列 $(a_{n+1})$ も同一の極限値に収束する。

  3. $f$ が連続関数で $(a_n)$$x$ に収束するならば $(f(a_n))$$f(x)$ に収束する。

解答

  1. $r>0$ であるから,任意の自然数 $n$ に対して $r^{n-1}>0$(もっときっちりやるなら数学的帰納法をちゃんと使って示す),すなわち $a_n>0$ が成り立つから $(a_n)$ は下に有界である。$\blacksquare$

  2. 指数法則により,$a_{n+1}=r^{n}=r^{1+(n-1)}=r\cdot r^{n-1}=ra_n$ を得る。

    1. で得られた漸化式により,$a_{n+1}-a_{n}=(r-1)a_{n}$ となるが,$r<1$ かつ $a_n>0$ であるから $a_{n+1}-a_{n}<0$ が従う。$\blacksquare$
  3. $(a_n)$ は下に有界な単調減少列であることがわかったから,収束列である。
    その極限値を $x$ とおくと,漸化式 $a_{n+1}=ra_{n}$ において $n\to\infty$ の極限を取ることにより,$x=rx$ が成り立つこととなるが,これより $(1-r)x=0$ を得て,$1-r\ne 0$ により $x=0$ が結論される。$\blacksquare$

参考文献

G. H. Hardy, A Course of Pure Mathematics, 10th ed.

なんか同じ趣旨の問題が本文のどっかで解説されとった。

投稿日:2021127

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投稿者

ひとまず,解析の基礎に関する演習問題として思いつくものを一通り形になすことを当面の目標とする。 前提知識に関するまとめの作成や,問題の配列についてはいずれどうにかしたい。 線形代数などの他の「基礎科目」についても時々投稿するつもりでいる。

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