問題
2 つの数列 , が次の二つの条件を満たすとき,これらは同一の極限値に収束することを示せ。
任意の自然数 に対して が成り立つ。
のとき である。
解答
まず,条件 1 により,数列 は上に有界な(上界の一つとして,例えば が取れる)単調増加列であり,数列 は下に有界な(下界の一つとして,例えば が取れる)単調減少列であるから,どちらも収束列である。
そこで, の極限値を , の極限値を とおくと,任意の正の実数 に対し,ある自然数 が存在して, を満たす任意の自然数 に対し,
が成り立つ。
ところで,三角不等式により,任意の自然数 に対し,
が成り立つが(条件 1 により,任意の自然数 に対して が成り立つことに注意せよ),条件 2 により,ある自然数 があって, を満たす任意の自然数 に対し, が成り立つ。自然数 は 以上かつ 以上であるから,
を得る。これが任意の正の実数 に対して成り立つから, であることが従う。