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解答:区間縮小法

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問題

2 つの数列 (an)(bn) が次の二つの条件を満たすとき,これらは同一の極限値に収束することを示せ。

  1. 任意の自然数 n に対して anan+1bn+1bn が成り立つ。

  2. n のとき bnan0 である。

解答

まず,条件 1 により,数列 (an) は上に有界な(上界の一つとして,例えば b1 が取れる)単調増加列であり,数列 (bn) は下に有界な(下界の一つとして,例えば a1 が取れる)単調減少列であるから,どちらも収束列である。

そこで,(an) の極限値を a(bn) の極限値を b とおくと,任意の正の実数 ε に対し,ある自然数 N が存在して,nN を満たす任意の自然数 n に対し,
|ana|<ε3かつ|bnb|<ε3
が成り立つ。

ところで,三角不等式により,任意の自然数 n に対し,
0|ba|=|(bbn)+(bnan)+(ana)||ana|+|bnb|+(bnan)
が成り立つが(条件 1 により,任意の自然数 n に対して anbn が成り立つことに注意せよ),条件 2 により,ある自然数 M があって,nM を満たす任意の自然数 n に対し,bnan<ε3 が成り立つ。自然数 M+NN 以上かつ M 以上であるから,
0|ba|<ε3+ε3+ε3=ε
を得る。これが任意の正の実数 ε に対して成り立つから,a=b であることが従う。

投稿日:2021127
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投稿者

ひとまず,解析の基礎に関する演習問題として思いつくものを一通り形になすことを当面の目標とする。 前提知識に関するまとめの作成や,問題の配列についてはいずれどうにかしたい。 線形代数などの他の「基礎科目」についても時々投稿するつもりでいる。

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