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2008JMO本選5番を位相幾何の言葉を使って解く

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$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{char}[0]{{\bf char}} \newcommand{comp}[0]{\circ} \newcommand{core}[0]{\rm{core}} \newcommand{gen}[1]{\langle #1 \rangle} \newcommand{imply}[0]{\Rightarrow} \newcommand{lnormal}[0]{\triangleleft } \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{rnormal}[0]{\triangleright} \newcommand{semiprod}[3]{{#1}\ltimes_{#2}#3} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

初めに

2008JMO本選 の問5を位相幾何を使って解きます.位相幾何の言葉を使うと言っても,登場する概念は集積点のみなので、極限を知っていれば大丈夫です.

記法

$\lim_n$$\lim_{n\to \infty}$の略
$X,Y\subset \Qに対し,X+Y=\{x+y|x\in X,y\in Y\}$とする.
$A=\{\frac{1}{n}|n\in\Z-\{0\}\},B_0=\Z,B_{n+1}=B_n+A$と再帰的に$B_i$を定める.
$X\subset\Q$に対し,$X'$$X$の($\Q$内での)集積点全体の集合とする.すなわち,$X'=\{x\in\Q|\exists(x_n)\in X^\N,\forall n,x_n\neq xかつ\lim_n x_n=x\}$とする.

解法

$B_n'=B_{n-1}$. ただし、$B_{-1}=\emptyset$とする.

$\supset$$b\in B_{n-1}$に対し, 数列$(b+\frac{1}{n+1})_{n\in \N}$を考えればよい.
$\subset$$n$の数学的帰納法で示す. $n=0$は自明.$n$の時正しいと仮定する. $b'\in B_{n+1}'$を任意に取ると, 定義より$(b_k)\in B_n^\N,(a_k)\in A^\N$が存在し,$b_k+a_k\neq b$かつ$\lim_k b_k+a_k=b$となる.
$1.$ $a\in A$が存在し, 無限個の$k$に対し,$a_k=a$の時
必要なら部分列をとり, 全ての$k$に対し$a_k=a$としてよい. $b_k\neq b-a$,$\lim_k b_k=b-a$より$b-a\in B_n'\subset B_{n-1},b=(b-a)+a\in B_n$.
$2.$ 任意の$a\in A$に対し, $a_k=a$となる$k$が有限個の時
$\lim_k a_k=0$より, $\lim_k b_k=b.$ よって, $b\in B_n'\cup B_n=B_n.$

$\Q'=\Q$

$q\in\Q$に対し, 数列$(q+\frac{1}{n+1})_{n\in \N}$を考えればよい.

$B_n\neq \Q$

$B_n=\Q$とすると, 両辺の集積点を$n+1$回とり, $\emptyset=B_{-1}=\Q$となるので矛盾.

投稿日:2021130
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