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積分解説2 ∫[0,∞](logxlog(xcothx)/x^2)dx

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この記事では, 以下の積分を解説しようと思います.

0logxlog(xcothx)x2dx=2log2(1γ+logπ2)

(証明)

まず, 以下の積分を考えてみます.
0log(xcothx)x2dx

cothの無限乗積展開を利用します.

sinhπx=πxn=1(1+x2n2),coshx=n=1(1+x2(n12)2)
より,
log(π2xcothπ2x)=n=1(1)n1log(1+x2n2)
です. これを利用すると,

0log(xcothx)x2dx=2π0log(π2xcothπ2x)dxx2=2πn=1(1)n10log(1+x2n2)dxx2

ここで,
0log(1+x2n2)dxx2=001n2y1+x2y2dydx=01n2y011+x2y2dxdy=πn
ですので,
0log(xcothx)x2dx=2n=1(1)n1n=2log2
とわかります.

ここにlogxがついても, 同様に解くことができます. 即ち,

0logxlog(xcothx)x2dx=2π0(logπ2+logx)log(π2xcothπ2x)dxx2
として,
0logxlog(π2xcothπ2x)dxx2=n=1(1)n10logxlog(1+x2n2)dxx2

ここで,
0logxlog(1+x2n2)dxx2=001n2ylogx1+x2y2dydx=01n2y0logx1+x2y2dxdy=201n0logxlogy1+x2dxdy=π01nlogydy=1+lognnπ
ですので, ( 0logx1+x2dx=0を利用しました )

0logxlog(π2xcothπ2x)dxx2=πn=1(1)n11+lognn

これの第2項の和は こちら のようにして求められるので,

0logxlog(π2xcothπ2x)dxx2=πlog2(1+12log2γ)
となります.

以上より,
0logxlog(xcothx)x2dx=2log2logπ2+2ππlog2(1+12log2γ)=2log2(1γ+logπ2)
と, 求めることができました.

ここまで読んで下さった方, ありがとうございました.

投稿日:2021131
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投稿者

東大数理M1

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