ご存じの方もおられるかと思いますが、フィボナッチ数とリュカ数は三角関数の
有名なところでは、
の類似性から三角関数の性質や各種公式をリュカ数・フィボナッチ数で表現したものなどがあげられます。
実はこれ、高度に抽象化すると本質的には同じ概念を背景に持っていることが分かるのですが、全く無関係と思われていた斜交座標系に関する独自研究より、ひょんなことからその一般化視点を得てしまいましたのでそれを紹介したいと思います。
本質部分のみをざっくりと要約しますと
正弦関数と余弦関数 |
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フィボナッチ数とリュカ数 |
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ん?
これ、
というわけなんですが、いきなりここだけ切り取るとトンデモ理論にしか見えませんね (汗)
あ、いや実際そうなのかもですケド😅
これについてちゃんと説明するにはまず「ガラパゴ数列」なるものから紹介する必要がありますので、順を追って解説していきますね。
ガラパゴ数列
というのは、複素数
となります。この時点で「あっ」と思われた方もおられるかも知れませんが、一旦フィボナッチ数やリュカ数のことは忘れてお付き合いくださいませ。
ちなみにこれらの数列の間には
という関係性があり、これを「ガラパゴ数列の相互定理」などと呼んでおります。
証明については
コチラ
に投げさせていただきますが、あとからちゃんと伏線回収しますので、こんな定理があるよってことだけ頭の片隅においといていただければ幸いです。
「で、こんなの定義して何が嬉しいの?」
なんてお声が聞こえてきそうで大変恐縮です。もともとこの数列は数を幾何学的に捉えるところから導出されたこともあって、幾何学的に面白い性質があるんですよ。フィボナッチ数やリュカ数の幾何学的側面を捉えることにもつながりますので、まずはその話に入るための準備運動からしていきましょう。
ガラパゴ累乗定理
とは何かといいますと、「複素数
というわけで、数式で示すことにしましょう。
こちらも証明については
ここ
を参照していただくとして、ここでは「
そして、さきほどのガラパゴ累乗定理を用いると、三角関数を直交座標系から斜交座標系へと拡張することが可能です。
いわゆる普通の三角関数
例えば
このことは
確かに、
さてさて、いよいよ本題に入りたいと思います!
黄金数
第
これを
これらを生成元として第1種と第2種のガラパゴ数列を算出したものを、それぞれ第1種と第2種の第
例えば第1貴金属数である黄金数
ということになりますよね。
この解釈のもとで黄金数
なんと、第1種の第
もともとの式の形からすればこれはある意味で自明と言えますが、そこからではその背景にある「幾何学的性質」という側面まで読み取るのは難しいでしょう。
この結果より、黄金数の累乗をガラパゴ数列の定義に従って幾何学的観点から表現してみます。
いま、黄金数の虚部と実部は
として解釈されていますので、
と表せることが分かりました。コレ、間違いなくその通りではありませんか?
さらに、ガラパゴ累乗定理より
が求まります。こちらも黄金数とフィボナッチ数の有名な関係式ですね。
さらにさらに、伏線回収として「ガラパゴ数列の相互定理」を用いれば
すなわち、
以上を総括すると、黄金数
正弦関数と余弦関数 |
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フィボナッチ数とリュカ数 |
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より詳しい解説につきましては、数学を愛する会Wikiの ガラパゴ数列 にございますので併せてご参照くださいませ。