前提知識 : 正五角形の対角線の長さ.
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方程式$x^2=x+1$の二つの解の内, 正のほうを$\phi$, 負のほうを$\bar\phi$と書き, 前者を黄金比と呼ぶ.
凡そ
$$
\begin{align}
\phi\sim1.618
\end{align}
$$
であり, この数が方程式$x^2=x+1$あるいは$x=1+1/x$の解であることから
$$
\begin{align}
&\phi^2=\phi+1,\\
&\phi=1+\frac{1}{\phi}\\
&\phi+\bar\phi=1,\\
&\phi\bar\phi=-1,\\
&\phi=\frac{1+\sqrt5}{2},\\
&\bar\phi=\frac{1-\sqrt5}{2},\\
&\phi-\bar\phi=\sqrt5
\end{align}
$$
などの等式を用いることができる. 周知の事実として, 一辺長が$1$の正五角形の対角線の長さは何れも$\phi$であり, 下の図のような直角三角形の相似関係が見つけられることから, 青色の三角形の面積は全体の$1/(\phi+2)$即ち
$$
\begin{align}
\frac{1}{\phi+2}=\frac{1}{\phi^2+1}=\frac{1}{\phi(\phi-\bar\phi)}=\frac{1}{\sqrt{5}\phi}
\end{align}
$$
に相当することが判る.
面積比
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一辺長が$1$の正十二面体の外接球半径は$\displaystyle\frac{\sqrt{3}\phi}{2}$である.
正十二面体には, 下の図のよう立方体を内接させることができる.
正十二面体 正六面体の埋めこみ
故に, 各面の正五角形の対角線が$\phi$を長さに持つことから, 最長なる対角線の長さは$\sqrt{3}\phi$であり, 外接球半径はその半分として先のように書くことができる. $\quad\Box$
(参考図)
正十二面体 分割
正十二面体 結合
一辺長が$1$の正十二面体の体積は$\displaystyle\frac{\sqrt{5}\phi^4}{2}$である.
立方体との外接関係から, 正十二面体を一辺が水平になるよう上から覗いた投影図は下のように描ける.
正十二面体 投影図
正十二面体を十二個の合同なる正五角錐に分割すると, 一つの体積が判れば, 全体はその$12$倍として計算できる. 特に下の図のような正五角錐であれば, 一つの体積は次の図のような橙色の三角錐の体積の$\phi+2$倍即ち$\sqrt{5}\phi$倍として導出される.
正五角錐
(「正面」から見た図)
正十二面体 体積 - 1
(「上」から見た図)
正十二面体 体積 - 2
従って, 不透明な橙色の面を底面に, 緑色の線分が示す長さを高さと見れば, 三角錐の体積は
$$
\begin{align}
\frac{1\times\phi^2/2}{2}\times\frac{\phi}{2}\times\frac{1}{3}=\frac{\phi^3}{24}
\end{align}
$$
と表すことができるため, 正十二面体の体積は
$$
\begin{align}
\frac{\phi^3}{24}\times\sqrt5\phi\times12=\frac{\sqrt5\phi^3}{2}
\end{align}
$$
である. $\quad\Box$
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一辺長が$1$の正二十面体の外接球半径は$\displaystyle\frac{\sqrt{\sqrt5\phi}}{2}$である.
正二十面体は, 下の図のように立方体に内接させることができ, 一辺が水平になるよう上から見た投影図は次のようになる.
正二十面体 立方体への埋めこみ
正二十面体 投影図
故に, 三平方の定理から最長なる対角線の長さは
$$
\begin{align}
\sqrt{\phi^2+1^2}=\sqrt{\phi(\phi-\bar\phi)}=\sqrt{\sqrt5\phi}
\end{align}
$$と計算することができ, 外接球半径はその半分として先のように書ける. $\quad\Box$
一辺長が$1$の正二十面体の体積は$\displaystyle\frac{5\phi^2}{6}$である.
正十二面体を二十個の合同なる正三角錐に分割すると, 一つの体積が判れば, 全体はその$20$倍として計算できる. 特に下の図のような三角錐であれば, 投影図から底面積と高さを容易に導くことができる.
正二十面体 体積 - 1
(「上」から見た図)
正二十面体 体積 - 2
(「正面」から見た図)
正二十面体 体積 - 3
従って, 三角錐一つの体積は
$$
\begin{align}
\frac{1\times\phi/2}{2}\times\frac{\phi}{2}\times\frac{1}{3}=\frac{\phi^2}{24}
\end{align}
$$
であり, 全体の体積は先のように書ける. $\quad\Box$
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正十二面体および正二十面体に対して, その丸さを外接球に占める自身の体積割合として
$$
\begin{align}
\frac{3V}{4\pi R^3}
\end{align}
$$と定義する. 但し, $V,R,\pi$はそれぞれ体積, 外接球半径, 円周率である.
正十二面体の丸さは正二十面体の丸さよりも大きい.
丸さの代わりに$(V/R^3)^2$の値を比較する. 一辺長が$1$の正十二面体および正二十面体の体積と外接球半径をそれぞれ$V,R,V',R'$と書けば
$$
\begin{align}
\frac{V}{R^3}&=\frac{\sqrt{5}\phi^4/2}{3\sqrt{3}\phi^3/8}=\frac{4\sqrt{5}}{3\sqrt{3}}\phi,\\
\frac{V'}{R'^3}&=\frac{5\phi^2/6}{\sqrt{5}\phi\sqrt{\sqrt5\phi}/8}=\frac{4}{3\sqrt{5}}\sqrt\phi
\end{align}
$$
と計算できるため, これらの平方比は
$$
\begin{align}
\left(\frac{V}{R^3}\right)^2:\left(\frac{V'}{R'^3}\right)^2&=\frac{16\times5}{27}\phi^2:\frac{16}{9\times5}\phi\\
&=25\phi:3
\end{align}
$$となり, 正十二面体のほうが丸さが大きいことが判る. $\quad\Box$
不思議ですね... (計算間違えが有るかも知れません. )
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