こちらのツイートの2枚目について解説します。
https://twitter.com/tria_math/status/1357529006300483586?s=19
まずは$(1)$を$b$で偏微分します。
$f(2b)=f'(b+a)f(b-a)+f(b+a)f'(b-a)$
これを$a$で偏微分します。
$f''(b+a)f(b-a)-f(b+a)f''(b-a)=0$
$2a=x-y,2b=x+y$とおきます。
$f''(x)f(y)-f(x)f''(y)=0$
$f(x)$が恒等的に$0$と等しいときは$(1)$を満たすので、$f(x)$が恒等的に$0$と等しくないときを考えます。
$f(x)$が恒等的に$0$と等しくなければ$f(x)$はある区間において零点を持たないので、$x,y$はその区間上にあるとして考えます。
このとき、$f(x)f(y)\neq0$なので両辺を$f(x)f(y)$で割ることができます。
$\displaystyle\frac{f''(x)}{f(x)}=\frac{f''(y)}{f(y)}$
これより、$\displaystyle\frac{f''(x)}{f(x)}$は一定であるので、これを$c^2$とおきます。($c$は複素数であるとする。)
すると、$f''(x)=c^2f(x)$となります。
$c=0$のとき、これの解は$f(x)=px+q$となりますが、$(1)$に代入すると$p=1,q=0$が分かります。
$c\neq0$のとき、これの解は$f(x)=pe^{cx}+qe^{-cx}$となります。
これを$(1)$に代入すると、
$\displaystyle\frac{1}{c}(pe^{2bc}-qe^{-2bc}-pe^{2ac}+qe^{-2ac})=2(p^2e^{2bc}+q^2e^{-2bc}+pqe^{2ac}+pqe^{-2ac})$
$p,q$のどちらか一方が$0$ならばもう片方も$0$となるので$pq\neq0$で考えます。
このとき、$\displaystyle p=\frac{1}{c},q=-\frac{1}{c}$となるので、$\displaystyle f(x)=\frac{\sinh cx}{c}$
$c$を$ci$に置き換えることで、$\displaystyle f(x)=\frac{\sin cx}{c}$となります。
従って、条件式$(1)$を満たす$C^\infty$級関数$f(x)$は$\displaystyle f(x)=0,x,\frac{\sin cx}{c}$のみであることが分かりました。